大貫憲章×KENZI対談PUNK40周年特別企画
80年代のクラブシーンの礎を築いたイベント「LONDON NITE」主催者である大貫憲章と、日本のPUNKシーンの先駆者KENZI&THE TRIPSを率いたKENZIの対談が、USENの神泉スタジオで実現。お互いの熱い80年代を振り返りながらも、今も変わらないものを確かめ合うような対談に。当時のエピソードを交えふたりの〝PUNK〟談義をお届けします。
再会、お互いの年齢の確認から
KENZI(以下K) お久しぶりです。唐突ですみません。憲章さんっておいくつになられたんでしたっけ?
大貫(以下O) 俺もう64。来年から年金受給者(笑)。今年はパンクロックが誕生して40周年だと言われていますね。今日はKENZI君に久し振りに会えるんで音源をいくつか聴かせてもらったけど、歌い方とか声は変わっていないね、って言いたかったんだよ。さすがBRAVOJOHNNYだよね(笑)。
K あぁ、そうですか。憲章さんはずっと、そのフレーズを使ってくれているんで嬉しいです。
O 今、何歳になったんだっけ?
K 51です。
あの頃のパンクについて
O KENZI君が作る曲は、不思議な感じがあってフォークロックって言うのかな、日本人がポップスやロックを取り入れた頃の雰囲気があるんだよね。タイトルの付け方とかも。どんな音楽を聴いてパンクにいったの?
K 中学までフォークとか聴いていて。高校でバンドを組んでからパンクと出会うんです。でもピストルズとかリアルタイムでなく、ARBやアナーキー、RCなんかを聴いて衝撃を受け、それからパンクの歴史を遡って行ったんです。
O そうかそうか。80年代の中旬くらいだ。ロンナイがスタートして数年経った頃だ。
K 俺、何度もツバキハウスには行きました。でもまだ上京したばかりで、普通の服を着て大人しくしていました(笑)
O ラフィンやギズムの連中もよく店に来ていた。当時は音楽的嗜好もスタイルもファッションも全然違う若者が地方から集まって来たんだよ。お客さんが面白いことが起きそうだっていうロンナイの独特な雰囲気を作ってくれたんだよね。
K 俺も19歳の時に「シド・ヴィシャスみたいに一発当ててやるぜ!」って勢いだけで上京したんですよ。
O あの頃はみんなそんな感じだったね。KENZI君はジョニー・ロットンみたいな歌い方だったけどさぁ、なんか格好イイからOKみたいな(笑)。
K 俺はただガムシャラに歌っていたんだけどね。無我夢中で。
O 20代前半だもんね、やっぱりみんな若かった。
K とっても濃い時代だったなぁ。
パンク・ロッカーとしての生き方
O 上京して数年でブラボージョニーがヒットして、KENZI君はその後どうしていたの(笑)。
K 話せば長いんですが、デビューして人気出てきて、シド・ヴィシャスみたいだぜ! YEAH!って感じになりましたが、同時に俺20代のうちに人生には波があるってことを知りました。バブル終了と同時期。ホントいろいろあって……。
O なんか突然、俺の前に現れなくなったよね。
K そうですよね。90年代はケントリ中期があり、ソロもやったし、30歳を過ぎてからは地道な20年間ですわ。ずっと東京には住んでいたんですが、憲章さんにはお会いしませんでしたね(笑)。5年前に地元へ戻り、今に至るという感じです。
O 俺もロンナイを35年。結果35年続いた、ということ。最初から35年続けたいと思っても無理だしさぁ。俺も同じですよ。感じたまま、思いのままを歌い続けている天性のパンク・ロッカーと。KENZI君は天才だよ。
K 憲章さん、もっともっと褒めてください(笑)。
O KENZI君がずっとパンクを続けていることに大きな意味があると思う。地元に帰っても自分が思うことを歌う姿勢に変わりがなく。
K 俺は何でも放っておけないタイプなんです。衝動で突き動かされてガァーッと曲が生まれてまたアルバムをリリースしました。10ヵ所程のライヴツアーも廻るんですよ!
O 活躍を楽しみにしています。パンクを愛するKENZI君は今も健在。30年前に会った時といい意味で変わっていないのが嬉しかった。俺は70歳になってもパンクをガンガン流すDJを目指します。お互い1回1回のステージを積み重ねるしかないからね。そんな気持ちでいたいよな。5年後、もしこんな機会があれば、また逢いましょう!
PROGRAM & PROFIL
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<ロンナイで流れたロックやパンクなど>
1980年にスタート、35年の歴史を経て新たな世界に旅立ったロックオール・ジャンル・パーティ「LONDON NITE」。この伝説的パーティを完全放送化!■大貫憲章
1980年、日本初ロックDJイベントという形式で「LONDON NITE」を 宿のディスコ「ツバキハウス」で スタートさせたロック評論家の重鎮 ラモーンズ、クラッシュをこよなく 愛し、DJとして親交を深めたミュー ジシャンは幅広い。内田裕也、鮎川 誠、アン・ルイスなど音楽界のベテ ランから、THE MODS、LAUGHI ' NOSE、LA-PPISCHなど日本の ロックシーン黎明期を支えたバンド 勢、そしてHi-STANDARD、BLAN EY JET CITYなど多岐にわたる。
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<KENZI SPECIAL MIXを放送!>
4月4日(月)~10日(日)の1週間はKENZI SPECIALを放送。KENZI&THE TRIPSのニューアルバム『アキラメナイ歌』はもちろん、これまでの楽曲からKENZI自身のセレクションによる特集をお届けします。■KENZI
スマ・ロ子、KENZI&THE TRIPSなどバンドやソロで活動。2009年から八田ケンヂ名義でも活動中。84年KENZIとしてデビュー。翌年1stアルバム『BRAVO JOHNNYは今夜もHAPPY END』をインディーズ・レーベルよりリリース。当時一大インディーズ・ブームを巻き起こす。87年にKENZI & THE TRIPSを結成しメジャーデビュー。後のバンドブーム、ビート・パンクや青春パンク・ブームの先駆けとして日本のロックシーンで人気を博した。
INFORMATION
新生KENZI & THE TRIPS 2枚目のフルアルバム
パンクロックはもちろん、多種多様な音楽的要素を取り入れた斬新で洗練された12曲入りのフルアルバムをリリース! 80年代のバンドブーム前夜、国内のパンクシーンを席捲し、現在のアーティストにも大きな影響を与え続けるKENZI。心の奥底から放たれ、魂を揺さぶるような彼の熱い歌声をぜひお聴きください。
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New Album
KENZI & THE TRIPS
『アキラメナイ歌』
2月25日(木)WEB先行発売
3月16日(水)一般発売
http://kentori.cart.fc2.com/
WEB限定の特典情報やライヴのチケットに関しては、
下記のサイトをご覧ください。
≫アルバム『アキラメナイ歌』
http://kentori.cart.fc2.com/
≫ライヴスケジュール
http://www.kenzihatta.com/contact.php -
Live
KENZI & THE TRIPS TOUR
【アキラメナイ歌】2016
3月
20日(日)三重BASS-1
21日(祝)大阪KINGCOBRA★
4月
9日(土)仙台CLUBJUNKBOX★
10日(日)福島OUTLINE
23日(土)長野SKY★
24日(日)京都音まかす
5月
1日(日)千葉ROUTE14
7日(土)名古屋SPADEBOX★
8日(日)静岡SUNASH
15日(日)札幌SUSUKINO810★
28日(土)東京高円寺HIGH
★with:THE STREET BEATS