HOME / BGMのギモンWEB版|2017年9月号|番組制作のヒミツ〜JAZZ/FUSION編——前編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2017年9月号
番組制作のヒミツ〜JAZZ/FUSION編——前編



USENの番組ガイド「WithMusic(業務店用)」に連載中の「BGMのギモン」。最新号で、JAZZ/FUSIONを取り上げました。実際にJAZZ/FUSIONチャンネルの制作を担当しているスタッフにもインタビューしつつ、チャンネルの細部に渡るこだわりやチャンネルが生まれた逸話などを知ることができました。今回のWEB版は、本誌で語りきれなかった話や今が旬の新鋭アーティストなども紹介していきます。

本誌のコラムでは、JAZZ/FUSIONジャンルの中から、注目すべきチャンネルについてお話しました。「A-09 美食空間向けジャズ」は、高級な和食のお店で使えるBGMというコンセプトから生まれ、実際に割烹や懐石料理の和食店でモニター調査しながら試行錯誤を重ねて生まれたというお話でした。いま、人気急上昇中の「B-59 コーヒー・ジャズ」は。「コーヒーの香りがするレトロなジャズ」がコンセプトで、ビバップからクールジャズ時代の楽曲を集めているとのことでした。担当ディレクターの小島万奈さんによると、ともすると硬派で男性的になりがちなジャズBGMにあって、あえてシンプルでかわいいジャズをセレクトしたというそのセンスがこのチャンネルに彩りを与えています。

さて、JAZZ/FUSIONジャンルには、他にもさまざまなチャンネルが用意されています。「H-11 スロージャズ」は、テンポはもちろんスローなのですが、ピアノソロ、あるいはデュオ編成のシンプルな演奏をセレクトしている点が特徴的です。とてもリラックスできるので、個人的にも大好きなチャンネルです。「ワインを飲みながら、それも夜のなるべく遅い時間帯に聴くのがおすすめです」と、担当の小島さん。いいですよね、こういった絶妙な雰囲気のコンセプト。確かに、早めの時間帯よりも、週末のミッドナイトにゆっくりと物思いに耽りながらワインを飲むときに使いたいチャンネルです。

一方、もう少し早い時間帯で会話を楽しみながら聴かせたいのなら「C-18 salon jazz (Instrumental)」がおすすめです。このチャンネルは、USENのJAZZ/FUSIONジャンルの中でも選曲のセンスが素晴らしく、BGMとしてはもちろん、音楽そのものを楽しむという聴き方をしてもよいと思います。このチャンネルは時代も編成も問わないそうです。テンポはミドルくらいですが、さまざまな楽器が登場し、ピアノやギターはもちろん、フルートやフリューゲルホルンまで登場します。私がいいなと感じたのは、クラシック音楽とのクロスオーバー感があるところです。バッハやラフマニノフのジャズアレンジがスッと入ってくる辺りは「さすが!」の一言です。ジャズチャンネルなのに、どこか背筋を正したくなる、でもおしゃれで洗練された雰囲気はキープ。実に秀逸なチャンネルです。

後編も引き続きJAZZ/FUSIONの注目チャンネルを紹介します。次回は9月16日(土)公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/