HOME / BGMのギモンWEB版|2017年8月号|今こそあえてJ-POP!というセレクト——後編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2017年8月号
今こそあえてJ-POP!というセレクト——後編



今月の「BGMのギモン」は、「今こそあえてJ-POP!というセレクト」というテーマでお届けします。最近のJ-POPに起こっているちょっとした異変とは?

2017年5月号の「2017年春、注目の新チャンネルはこれ!——後編」でも紹介しましたが、まずその筆頭は「 C-51 ひだまり J-POP 」でしょう。こちらは、日本人アーティストが歌うチャンネルで英語詞もあり、洋楽カヴァーもありで、海外のカフェで流れていても不思議ではないくらい洗練された雰囲気です。個人的には、J-POPという言葉がタイトルに入っていなくてもいいじゃないかと思うくらい洗練されたBGMです。アコースティックな楽器に馴染むボーカルは、歌い方やトーンが穏やかで、会話を邪魔することもないですし、むしろ親近感のある雰囲気を作るにはプラスに作用するのではないでしょうか。

あたりまえのことですが、ヒットチャートだけがJ-POPではありません。日本人アーティストが演奏している、歌っているという意味では、BGMとして使えるチャンネルがいくつもあります。「 C-09 J-LOUNGE 」、「 I-05 アコースティック J-POP 」あたりも、店舗によっては違和感なく使えると思います。「B-64 坂本龍一/commmons」も坂本教授が監修しているだけあって、秀逸です。このコラムもこのチャンネルを聴きながら書いていますが、全く仕事の邪魔をしません。

個人的には、特に2000年代以降、J-POPの音楽性やバリエーションが如実に変化したように思えます。ここに挙げたチャンネルを聴くにつけ、「声のメッセージ性が強い日本語詞は避ける」というBGM選びのセオリーを覆されました。そもそも、J-POPは単なる呼称であって、音楽的な構造を区分する言葉ではありません。J-POPというキーワードや、ボーカル入り音楽は使えないという固定概念にとらわれずに、あえてJ-POP!というセレクトは試してみる価値がありそうです。

音楽に流行の変化やサイクルがあるように、BGMのセオリーも少なからず変化しています。定番のジャズやボサノヴァといったジャンルをセレクトしているユーザーさんは、この機会に、さまざまなジャンルのチャンネルをチェックしてみてはいかがでしょうか。USENにはJ-POPにカテゴライズされたチャンネルがたくさんあります。理想の音空間を作るBGMに出会えるかもしませんよ。

BGMのギモンWEB版、次回は9月1日(金)公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/