HOME / BGMのギモンWEB版|2017年7月号|音楽のジャンルや雰囲気を伝える言葉——後編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2017年7月号
音楽のジャンルや雰囲気を伝える言葉——後編



今月の「BGMのギモン」は、「音楽のジャンルや雰囲気を伝える言葉」というテーマでお届けしています。

BGMで使う音楽ジャンルで最近よく耳にする言葉が、オーガニック、アコースティック、ロハスといったキーワードです。そもそも、これって音楽用語なんでしょうか?という気もしますが、目に見えない音楽という芸術を、イメージ中心に語ることはよくあることです。オーガニックやロハスという言葉は、添加物を含まないナチュラルな音楽というふうに解釈できますね。音楽でいう添加物とは電子音的な要素や過剰なエフェクト、音圧を高める処理ということでしょうか。つまりそうした作為的な要素を排除し、アコースティック楽器で生音の表現に近い音楽というニュアンスと理解すればよいでしょう。

メロウなんて表現もよく出てきます。「このメロウなナンバーは大人っぽくていいよね」など。メロウは豊潤、円熟というような意味になります。しっとりとした大人の雰囲気で、USENのチャンネルでいうと「I-16 バータイム 洋楽」で流れるような音楽です。

グルーヴはどうでしょう。いわゆる身体が動くようなリズムを感じれば、それがグルーヴ感なわけですが、極端な話、日本の盆踊りだってグルーヴです(笑)。ではビートは?と思った方もいるでしょう。ビートは「拍」のことです。音楽を聴いていると、一定の時間で区切りを感じることができますが、あれが拍でありビートです。そのビートをベースにして音の入り方にバリエーションがあるとそれがリズムになります。グルーヴはさらにその先にある躍動感、心を揺さぶる感覚というイメージです。

ジャジーという表現も他の言葉と組み合わせて使われていますね。ジャジーとは「ジャズっぽい」ということ。そのままなのですが、ジャズっぽさというのは、ジャズ特有のテンションコードやブルース・スケール、リズムなどから生まれます。個人的には「JAZZY HIP HOP」は現代的で洗練された雰囲気と、独特なリズム感が融合していて、聴いていてとても気持ち良いジャンルです。

キャッチーという言葉も、文字どおりキャッチーですね(笑)。心をキャッチする、印象に残る音楽やメロディーという意味ですね。メロディーやリズムがはっきりしていて、一度聴いたら忘れられない音楽のこと。カフェやダンス系のチャンネルでよく見かける、チルアウトやバレアリックは以前( http://music.usen.com/special/fermond024/ )も紹介しましたね。ラウンジ・ミュージックはホテルのラウンジで使われるような、早すぎず、遅すぎず、まったりと感じ。シンセサイザー音がアクセントになっていたりもします。ヒーリング系のBGMとテンポ感が似ていますが、グルーヴ感があるとラウンジーな雰囲気になります。

ファンキーは立派な音楽用語で、1960年頃にジェームス・ブラウンによって生み出されたファンク音楽に見る、16ビートのリズムとその反復が特徴です。なかなか日本語に訳すのは難しいですが、リズム感や躍動感、ノリ、フレージング等を指して、ファンキーなどと表されます。転じて、「かっこいい」、「イケてる」という意味でも使われるようですね。

こうして、いろいろな音楽用語を取り上げてみると、音楽って、実に豊かな芸術であることがわかりますね。このウェブサイトやWith Musicにも、ここで紹介した言葉がたくさん出てきますので、改めてその起源を調べてみるのも面白いと思います。音楽の歴史を少し知るだけで、BGM選びにもまた深みが出てきます。まだまだ、取り上げたい用語はたくさんありますが、それはまたどこかで。

BGMのギモンWEB版、次回は8月1日(火)公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/