HOME / BGMのギモンWEB版|2017年6月号|番組制作のヒミツ〜CAFE/LOUNGE etc.——後編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2017年6月号
番組制作のヒミツ〜CAFE/LOUNGE etc.——後編



今月の「BGMのギモン」は、USENの番組ガイド誌「WithMusic」と連動しつつ、USENのディレクターさんに聞いた番組制作のヒミツを紹介しています。

90年代後半、シアトル系と呼ばれる外資系のカフェチェーンが日本に上陸します。ここから一気に日本でもカフェカルチャーが盛り上がっていきます。90年代、カフェカルチャーの洗礼を受けた人びとが、2000年代に入ると、そのセンスを活かしたカフェを次々にオープンさせます。

東京を中心として起こったこのカフェブームが、いまの、カフェミュージックのルーツを成したのです。世界中の音楽に詳しいセンスのあるオーナーが手がけたカフェで流れる音楽は、カフェ的な空間にマッチする秀逸なセレクトがされており、あえて海外のマイナーな音楽を好んだり、それを紹介すること自体がカフェの個性として差別化するツールの役割も果たしました。

中にはお店の名を冠したコンピレーションCDをリリースしたケースもあって、ファッションやライフスタイルへの感度が高い若者を中心に支持を集め、アーティスト名義のアルバムではなく、コンピレーションというフォーマットが一般化しました。選曲家やDJといった、いわば音楽の目利きともいえる職業が注目されるようになったのも新しい流れではないでしょうか。

このような変遷を辿り、今でこそ当たり前のように、居心地のいいカフェで、居心地のいい音楽が聴こえてくるわけですが、そこには日本独自の音楽の発展があったといえます。ボサノヴァ、ジャズ、ソウル、AOR、ソフトロック、R&B、チルアウト、クラシック、エレクトロニカ、レゲエ、さらにはヒップホップやアンビエント・ミュージックまで、カフェ的なシチュエーションに馴染む音楽をひとまとめにした呼び名がカフェミュージックという解釈に納得いただけたかと思います。

これほどバリエーション豊かで、センスの良い音楽を聴きながらコーヒーを飲めるのも、日本ならではなのかもしれませんね。今度、カフェに立ち寄ったときにはそんなことも思い出しながら、音楽に耳を傾けてみてください。

BGMのギモンWEB版、次回は7月1日(土)公開予定です。お楽しみに!



イラスト



|INFO|


  • イラスト
  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/