HOME / BGMのギモンWEB版|2017年3月号|番組制作のヒミツ〜CLASSIC編――前編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2017年3月号
番組制作のヒミツ〜CLASSIC編――前編



もうすぐみなさんのお手元に届くUSENの番組ガイド誌「WithMusic」業務店用Vol.39のコラムでUSENの番組がどのように作られているのかを紹介しています。実際に番組を制作している担当ディレクターの大森有花さんに、番組が出来上がるヒミツを伺ったのですが、誌面で語り切れなかった部分をウェブ版でお話していきたいと思います。

500を超えるチャンネルを展開するUSENの音楽放送サービスですが、あの膨大なチャンネルはどのように作られているのでしょうか。今回取り上げたジャンルは「CLASSIC」。BGMとしてもよく使われるこのクラシック音楽のチャンネルにフォーカスしてみました。

クラシック音楽は、BGMとしてとても優秀なメリットを持ち合わせている反面、雰囲気を統一するのが難しいジャンルでもあります。作られた時代、使われている楽器、編成、作曲家、演奏家、調性、ジャンルなど、クラシックには考慮するべき要素がたくさんあります。SOUND PLANETのジャンル別チャンネルリストを見ると、CLASSICだけで30ものチャンネルが用意されています。「クラシックのチャンネルってそんなに必要?」そう思った人も多いと思いますが、ひと口にクラシックといっても時代や楽器、編成などによってまったく雰囲気が違いますし、使用するシチュエーションやロケーションによって要求される機能性が違うので、これだけのチャンネル数になるのですね。当たり障りのない「いかにもクラシックぽいチャンネル」でさえ、意図的にそう聴こえるようにプログラムされているのです。それでは、人気のクラシックチャンネルを中心に、その選曲の繊細さを紹介していきましょう。

まず、チャンネルによって「全楽章を流すか、抜粋して流すか」が異なります。作曲家がチャンネル名になっているものは全楽章を放送し、雰囲気を重視するBGM的なチャンネルは抜粋して雰囲気を統一しています。名前が似たようなチャンネルでも、実際には細かく選曲の基準が決められています。

次にテンポ。テンポの違いによって、お客さんの時間感覚や行動スピードなどに影響しますから、これは大切な要素です。ちなみに「A-12 やさしいクラシック」はスローからミドル、よく似た雰囲気の「I-06 ライト・クラシック」ミドルからアップテンポになっています。テンポって、実際に聴いてみないとわからないもので、楽譜の標記だけでは、統一感が出ないことがあります。担当ディレクター大森さんによると、「実際に、テンポを計るアプリケーションを使って確認したり、最終的には自分の耳で聴いて統一感のあるテンポにしています」とのことです。

BGMのギモンWEB版、次回は3月16日(木)公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/