HOME / BGMのギモンWEB版|2016年12月号|注目の新チャンネルはこれ!——後編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2016年12月号
注目の新チャンネルはこれ!——後編



今月は、2016年秋の番組改編で登場したチャンネルの中から「BGMのギモンWEB版」のおすすめ番組を紹介しています。

前編では「B-59 コーヒー・ジャズ」を紹介しましたが、後編で取り上げるのは「D-54 チルアウト・ミュージック」です。「チルアウト」とはダンスミュージックの中でも「頭を冷やす」という意味が転じて生み出されたジャンルで、気持ちを静めるようなリラックスできる音楽のことを指します。ダンスミュージックと言われると、BGMには不向きと思われるかもしれませんが、チルアウトは、ダンスミュージックの一種でありながら、あまりダンサブルな音楽ではありませんので安心してください。

おそらく、チルアウトというジャンルを選ぶだけなら、コンピレーションCDもたくさんありますし、簡単にセレクトできるでしょう。しかし、実は、ひとくちにチルアウトといっても、さまざまなサブジャンルというか、カテゴリーがあります。ですから、このチャンネルでは、USENならではのプロフェッショナルで繊細なセレクトがなされているのです。

チルアウトな音楽、というと結構、線引きが曖昧だったりするのですが、このチャンネルの場合、イビザ島を発祥とするバレアリック・ミュージックを中心にセレクトされています。諸説ありますが、バレアリックの語源はスペインのバレアレス諸島、中でもクラブシーンでといわれるイビザ島で生まれた音楽を意味します。まるでイビサ島の景色が目に浮かぶようなナンバーで、夕陽に染まる浜辺を連想させるものばかりです。このチャンネルは、クラブミュージックでありながら、緩やかでリラックスでき、かつ海辺感や心地よさを味わえます。日本在住のDJ、Max Essaやチルアウトの最重要人物Chris Coco、他にもBubble ClubやWindsurfといったアーティストがこのチャンネルのベンチマークでしょうか。Hibiki Connectionの「Cha-Ka-Too」という曲なんてとても素敵ですよ。「I-19 リラクセーションLOUNGE」や「I-37 CAFE ELECTRONICA」という、雰囲気の近いチャンネルもありますが、チルアウトというジャンルへのこだわりや海辺の雰囲気、適度なクラブ感といった繊細なセレクトがなされていて、しっかりと住み分けされています。

一見してチャンネルが多すぎると思われるUSENのラインナップですが、実はこういったかなり細かい選曲がなされており、要求の多い注文にも応えられるようになっています。気になるチャンネルがあれば、1時間ほど時間をかけて、できれば丸一日じっくり聴いてみることをおすすめします。選曲のプロフェッショナルとはこういうことを言うのか、と納得してしまうことでしょう。

BGMのギモンWEB版、次回は1月1日(日)公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/