HOME / BGMのギモンWEB版|2016年11月号|カフェの空間演出とサウンド・ブランディング――後編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2016年11月号
カフェの空間演出とサウンド・ブランディング――後編



今月は、「カフェの空間演出とサウンド・ブランディング」というテーマで、大手カフェチェーンのBGMオペレーションを紹介します。

BGMは店内の雰囲気はもちろん、お店全体のブランド構築に大きく影響する大切な要素です。チェーン店の場合は、店舗ごとに勝手に選曲するのではなく、プロがセレクトした選曲に統一するというのはむしろ当たり前のことかもしれません。こういった目に見えない部分がブランドのアイデンティティを構築しているのですね。

さて、前編で紹介したサードプレイス・コンセプトを掲げるカフェでは、BGMは季節やメニューによって変更しているとのこと。そのお店のメニューは本当によく考えるなというくらい、常に新しいドリンクが用意されていますが、そのメニューに合わせて選曲しているとしたら、相当こだわっているんだなと感じさせられました。“今どんなメニューが提供されているのか?”ということを踏まえたBGMが店内に流れている。そうしたトータルな空間演出があればこそ「何となく居心地が良い」と思わせるのでしょう。

そのお店のBGMに使われている音楽のジャンルは、一聴して、ボサノヴァやR&B、ジャズ、レゲエ、クラシックまで幅広くセレクトされているという印象があります。モーツァルトとかバッハが流れていたこともありました。それでいて、何となくあの空間にマッチさせているのはさすがです。

このようにより柔軟な音楽体験、ハイレベルなサービスを提供できるようになった昨今では、サウンド・ブランディングという言葉が聞かれるようになって、その価値を理解している店舗や企業はますます「体験」の価値を訴求していくのではないでしょうか。雰囲気のよい店内で、おいしいコーヒーをいただきながら、音楽に包まれる時間を過ごしてみるのも面白いかもしれませんね。USENの音楽放送にも、「CAFE/LOUNGE etc.」というカテゴリーがあって、カフェに似合うさまざまなチャンネルがラインナップされていますので、ぜひ活用してみてください。

BGMのギモンWEB版、次回は12月1日(木)公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/