HOME / BGMのギモンWEB版|2016年11月号|カフェの空間演出とサウンド・ブランディング――前編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2016年11月号
カフェの空間演出とサウンド・ブランディング――前編



居心地の良さとそこに流れているBGMは切っても切り離せない関係にあります。オシャレなカフェには「何となくいいな」と感じさせる音楽が流れているものです。とある大手カフェチェーンでは、店舗の内外装とともにBGMもイメージチェンジを図っているようです。音楽へのこだわりもなかなか渋い。ソフトロックやAORなど、音楽好きから支持されるようなプレイリストには、TOTO、ボビー・コールドウェル、ピーター・セテラ、スティング、リチャード・マークスなどなど、名前を聴いただけでメロディーが頭の中を流れるようなアーティストが並んでいます。何となくオシャレな雰囲気というよりは、本当にコアな音楽ファンにフォローされるようなセレクトでとても好感が持てます。30代以上のちょっと音楽にうるさい男性客にもウケが良いのではないでしょうか。ちなみに、このお店の公式ホームページのFAQによると、「お店で流れていたBGMの曲名を教えてください」といった問い合わせも多いらしく、楽曲やアーティストリストなどの情報も提供してくれるようです。

変わって、こちらも大手ですが、別のカフェチェーンはどうでしょうか。こちらは、当初から「家でも職場でもない第三の場所」という意味の、サードプレイスというコンセプトで、コーヒーと音楽をマッチさせた空間づくりに取り組んでいました。かつては、店内で流れているBGMのCDも販売していたくらいです。以前、クラシックを現代風にアレンジしたピアノ音楽がどうしても気になってしまい「この曲は誰だかわかりますか?」と店員さんに聴いてみたことがあります。すると、店員さんは一度バックヤードに戻り、しばらくして曲名を手書きでメモして持ってきてくれました。どうやって調べたのか尋ねてみたところ、「本社からCDが送られてくるんですけど、そこに書いてあった曲名をメモしてきました」とのこと。もっと現代的なシステムかと思ったのですが、意外や意外、著作権処理されたCDのデリバリーという仕組みだったのです。

BGMのギモンWEB版、次回は11月16日(水)公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/