HOME / BGMのギモンWEB版|2016年9月号|食品スーパーの五感マーケティング――後編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2016年9月号
食品スーパーの五感マーケティング――後編



ひとくちに食品スーパーと言っても、安さを売りにしているところもあれば、高級路線のお店もあります。それぞれのブランディングに相応しい音楽を流すことが、お客様への見えないメッセージにもなるのです。

先日、高級食材を扱うスーパーに出向き、改めて店内BGMを聴いてみました。店内はそこそこオシャレですし、通路も広く、精肉コーナーにはたまにしかお目にかかれないような高級食材もずらりと並んでいます。でも、BGMがイケてない。イケてないどころか、シャウトしてる!ハードロックはスーパーにはどうやってもマッチしません。こんな状況が結構普通にあるから、もったいない。別に難しい話ではなく、一般的な感覚があれば十分改善できます。ある程度の価格帯の食材を扱っていて、少しゆったりと心地よく買い物をしてもらいたいというコンセプトに合うBGMは何だろうと考えれば、決してハードロックにはならないはずです。

北九州にある食品スーパーの、ハローデイ足原店では店内に自動演奏ピアノを設置し、柔らかな照明などと合わせてとても心地よい雰囲気を演出しており、全国から同業者の見学が絶えないそうです。こだわりの食材や焼きたてのパンを取り揃え、新しいレシピや食材などを発信したりシェフが目の前で料理してくれるなど、エンターテインメント性溢れるとても楽しいスーパーです。スーパーのキャッチコピーは「アミューズメントフードホール」。なるほど!素晴らしい取り組みだと思います。

今や、毎日行く食品スーパーでさえ、居心地の良さやワクワク感などのエンターテインメント性が求められる時代。五感マーケティングの中でも、BGMは空間の雰囲気をガラッと変えてしまうパワーがあります。一番手間がかからず、即効性があり、かつ他店との差別化を図れるという、最強の販促ツールなのです。ぜひ、「うちのお店のにはどんな音楽が似合うのだろう」と一度見なおしてみてください。

BGMのギモンWEB版、次回は10月1日(土)公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/