HOME / BGMのギモンWEB版|2016年7月号 | 適度なノイズがクリエイティブな発想を生む——前編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2016年7月号
適度なノイズがクリエイティブな発想を生む——前編



あなたは仕事や勉強などをするときに音楽を聴きますか?音楽を聴きながら作業をする人もいれば、耳からの刺激はすべて遮断して取り組む人もいるでしょう。心理学的な知見から言うならば、複雑な思考や文章を書いたりするようなときには音楽は邪魔になる可能性があります。読書をするときにも歌詞が理解できる音楽を聴くとあまり集中できないかもしれません。代わりに、単純作業やぼーっと考え事をするときには音楽はリズム感やクリエイティブな思考を助けてくれることでしょう。 ここで面白い研究結果を紹介しましょう。イリノイ大学のラヴィ・メータ教授は「人間は静かすぎる場所よりも適度にノイズがある環境がよりクリエイティブな発想を生み出す」と発表しました。図書館のようなとても静かな場所では脳が刺激を受けておらず、逆にうるさすぎると脳がパンクして気が散ってしまうとのこと。数値で示すなら約70デジベル。これは、少しざわざわするカフェに近いノイズレベルです。最近ではスマートフォンで騒音レベルを確認できるアプリもありますので参考までに計測してみるのもおもしろいでしょう。確かに、脳がほとんど刺激を受けない図書館のようなとても静かな場所では、斬新かつクリエイティブなアイデアを生み出すのは難しいかもしれません。逆に、電車の高架下で仕事を続けるのも無理な話。あなたもしーんとしている空間よりも、カフェで仕事をしたほうが捗ったという経験があるかもしれません。自宅のように余計な誘惑に負けることもありませんのでそれも仕事がはかどる一つの理由——個人的にはカフェで執筆作業する理由はこれ——かもしれません。

BGMのギモンWEB版、次回は7月16日公開予定です。お楽しみに!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/