HOME / BGMのギモンWEB版|2016年1月号 | クリスマスの雰囲気を高めるBGM——後編

With Musicで連載中の「BGMのギモン」がウェブ版コラムになりました。
音環境コンサルタントの齋藤 寛さんがBGMに関するちょっとした疑問や豆知識をわかりやすく解説します。

2016年1月号
クリスマスの雰囲気を高めるBGM——後編



「クリスマスの雰囲気を高めるBGM」後編は、音楽が人間の感情にどう働きかけるか?という考察です。
大脳辺縁系の中には海馬や扁桃体、視床下部といった生きていく上で非常に大切な組織があります。海馬は記憶に関わる評価や意味意味認知を司り、扁桃体は快、不快等の情動を引き起こします。視床下部では体温調節や摂食行動、性行動、睡眠などの生存に関わる機能を受け持っています。そんな生命に関わるような場所と同じところで、音楽に影響を受けた感情が生まれているのは非常に興味深いですね。さらに、扁桃体や視床下部を中心とする大脳辺縁系には脳内麻薬物質と言われるドーパミンやβエンドルフィンという快感を結びつく化学物質が存在しています。好きな音楽を聴くことで、「気持ちいい」という感情が生まれるのです。音楽が進化を遂げて、今もなお人々を感動させるのはこういった脳のメカニズムが働いているのですね。
クリスマスや年末に流れる音楽というのは、とても印象的で、私たちの脳に「年末の楽しい時間を作ってくれる音楽」という風に海馬にインプットされています。だから、見た目の季節感に加えて音楽が組み合わさることでさらに楽しい感情が生まれてくるのです。
音楽という情報が記憶と強く結びついていることを意識すると、より効果的なBGMの使い方も考えられますね。これからの季節は、ぜひ音楽で快適な空間を演出して、来店してくれるお客さんに楽しい記憶を残してもらいましょう。

BGMのギモンWEB版、次回は1月中旬公開予定です。お楽しみに!!



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  • 齋藤 寛(さいとう・ひろし)

    音環境コンサルタント、音楽心理カウンセラー。商用BGMのコンサルティングや執筆活動で知られる。USENの「With Music(業務店用)」で「BGMのギモン」を連載中。著書に『心を動かす音の心理学〜行動を支配する音楽の力〜』(ヤマハミュージックメディア刊)がある。

    公式HP「BGMの心理学」
    http://www.otokan.com/