HOME / 聴きたい、知りたいクラシック 2014年2月

2014.2月号

USENでクラシックを聴いている、もしくは聴いてみたい方、さらにクラシックに興味を持ちはじめたあなたに贈る、ちょっぴりうれしい情報コーナー

聴きたい!知りたい!クラシック

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エマニュエル・パユ

2月に来日するフルート奏者、エマニュエル・パユ。親日家として知られ、ハンサムでソフトなイメージの彼だが、音楽と音楽家に対しては厳しい考えを持っていた。

contents

1.音楽家のサイドストーリー vol.7

毎月ひとりの音楽家をピックアップ。その意外な素顔や逸話、さらには作品の裏に隠された背景などを紹介します。

今月の音楽家 ~エマニュエル・パユ~

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  • ご覧のようなイケメンで、日本の女性ファンも多いパユ
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  • fl)エマニュエル・パユ、g)クリスティアン・リヴェ『アラウンド・ザ・ワールド』
    楽友のクリスティアン・リヴェと巡る世界音楽紀行。極品のサウンドによる世界の音楽をご堪能あれ!
(エマニュエル・パユはこんな人)
エマニュエル・パユ(1970年1月27日‐)
スイス出身のフルート奏者。89年の神戸国際コンクールで第1位、92年には最難関のジュネーヴ国際コンクールで第1位を獲得するなど、さまざまなコンクールで優勝している。神戸国際コンクールで優勝以来、彼のファンクラブができるなど、日本では特に人気のあるアーティスト。2002年4月には、あの『徹子の部屋』に出演し、親日ぶりを披露している。現在、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を務めるほか、ソロ・フルーティストとしても活躍中。
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イケメン演奏家が見せた
音楽を職業とするものへの厳しい姿勢

エマニュエル・パユは現代最高のフルート奏者である。この人ほど完璧な音楽家はそうそういない。

ベルリン・フィルの首席奏者として、世界最高の楽団の磨きあげられたサウンドを作り出す一方、ソリストとしての活動も旺盛で、さらに「レ・ヴァン・フランセ」のような管楽アンサンブルなど室内楽でも活躍する。どんな曲でも軽々と吹いてしまう鮮やかなテクニックを持ち、その音楽は常に生命力が溢れている。
しかもクラシック音楽界きってのイケメンだ。音楽の化身となって演奏に没頭する姿は、同性から見てもほれぼれとするほど絵になる。記者会見などでの話しぶりにも人間的な魅力があふれている。真摯で知的で、ナイスガイ。

まさに完璧。それがパユだ。

以前、あるテレビ番組にパユが「レ・ヴァン・フランセ」の一員として出演していた。番組ではQ&Aコーナーが設けられ、音大生からの質問を募っていた。女子学生がこんな質問をした。

「ステージにあがると緊張してしまって、うまく演奏できなくなってしまう。演奏後は気分が落ち込んでしまうのですが、どうしたらいいでしょう」

細部に記憶違いがあるかもしれないが、おおむねこういった内容の質問だったと思う。日本人の若者としては、ごく普通の「安全な質問」だ。シリアスな口調ではなく、頼れるお兄さんにはにかみながら質問する女子といったイメージ。

しかしパユの返答は、直截で、やや危険な回答だった。
「僕は本番の後はとてもハイな気分になる。コンサートが終わっても、まだ吹きたい、もっともっと吹き続けていたいといった気分になる。本番の後にそう思えないのなら、別の道を考えてみてはどうか。音楽との接し方にはいろんな方法がある」

つまり、プロを目指すより、アマチュアとして音楽と付きあえという、身も蓋もない回答だった。

パユは少し早口になって、この答えを返した。どうしてもこれだけは言っておきたいというかのように……。パユの発言のあとに、ほかのメンバーがもっとやさしい返答を続けてフォローしてくれたが、一瞬垣間見えたパユの厳しさは深く印象に残るものだった。いや、厳しさではなく、やさしさというべきだろうか?

おすすめの1枚

おすすめの1枚

モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調、他

エマニュエル・パユ(フルート)、クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

いま聴いても新鮮なパユのデビューアルバム
先日亡くなったアバド音楽監督時代のベルリン・フィルの録音で、パユのEMIデビューアルバム。軽快で清澄なフルートの音色に聴き惚れる。柔和で温かみのあるオーケストラの響きを背景に、流麗なソロがのびのびと躍動する。1996年録音ながら、今聴いてもまったく色褪せていない。
文/飯尾洋一
音楽ライター、音楽ジャーナリスト、編集者。クラシック音楽関連の企画に携わるほか、ウェブマガジン「CLASSICA」を運営。著書に『R40のクラシック』(廣済堂新書)、『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』(三笠書房・王様文庫)など。

エマニュエル・パユの作品はこちらで

B-38室内楽/器楽曲

2月の当チャンネルは、今月来日するふたりの人気演奏家、リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)とエマニュエル・パユ(フルート)を特集します。パユの特集では、昨年秋にリリースしたアルバム『アラウンド・ザ・ワールド』からの作品を中心にお届けします。

2.USENクラシックセレクション(2014年2月)

USENはクラシック系のチャンネルも充実。以下のチャンネルでは月ごとの特集放送をお送りしております。

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    • リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)とエマニュエル・パユ(フルート)を特集
    • B-38室内楽/器楽曲

3.HOT2 INFORMATION

ホットな公演情報やクラシック関連のニュースをまとめて発信(2014年2月1日時点の情報です)

コンサート情報

■NHK交響楽団 公演情報

【NHK交響楽団定期公演(Aプログラム)】

開催日:<1日目>4月12日、<2日目>4月13日
開催場所:NHKホール(東京・渋谷)
出演者:指揮)マレク・ヤノフスキ、管弦楽)NHK交響楽団
演目:ブルックナー/交響曲 第5番 変ロ長調(ノヴァーク版)

【NHK交響楽団定期公演(Cプログラム)】

開催日:<1日目>4月18日、<2日目>4月19日
開催場所:NHKホール(東京・渋谷)
出演者:指揮)ネーメ・ヤルヴィ、管弦楽)NHK交響楽団
演目:グリーグ/「ペール・ギュント」組曲 第1番 作品46、スヴェンセン/交響曲 第2番 変ロ長調 作品15、シベリウス/交響曲 第2番 ニ長調 作品43

(問)N響ガイド 03‐3465‐1780 http://www.nhkso.or.jp

クラシックNews

■「東京・春・音楽祭2014」が今年も開催!(3/14~4/13)

今年で10年目を迎えた当音楽祭。上野の東京文化会館を中心にオペラ、オーケストラ、室内楽など約100公演を開催。恒例の東京春祭ワーグナー・シリーズでは、今年から『ニーベルングの指環』を演奏会形式で毎年1作品ずつ上演。第1回目は名匠マレク・ヤノフスキ氏を迎え「ラインの黄金」をお届けします。
期間中は博物館や美術館、さらにはカフェ、レストラン、オフィスビルまでがコンサート会場になり、大小さまざまな演奏会が行われます。
開催場所:東京文化会館、上野学園 石橋メモリアルホール、国立科学博物館、東京国立博物館、東京都美術館、国立西洋美術館、上野の森美術館 他

<「東京・春・音楽祭2014」公式サイト>
http://www.tokyo-harusai.com