HOME / 聴きたい、知りたいクラシック 2014年1月

2014.1月号

USENでクラシックを聴いている、もしくは聴いてみたい方、さらにクラシックに興味を持ちはじめたあなたに贈る、ちょっぴりうれしい情報コーナー

聴きたい!知りたい!クラシック

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ヨハン・シュトラウスⅡ世

クラシック音楽界の1年は、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートで始まる――ということで、今月の「音楽家のサイドストーリー」はシュトラウス・ファミリー、特にヨハン・シュトラウスⅡ世にスポットを当ててお届けします。

contents

1.音楽家のサイドストーリー vol.6

毎月ひとりの音楽家をピックアップ。その意外な素顔や逸話、さらには作品の裏に隠された背景などを紹介します。

今月の音楽家 ~ヨハン・シュトラウスⅡ世~

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  • ヨハン・シュトラウスⅡ世
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  • 愛人を作り家族を捨てて出て行ってしまったヨハン・シュトラウスⅡ世の父ヨハン・シュトラウスⅠ世
(シュトラウスⅡ世はこんな人)
ヨハン・シュトラウス2世(1825‐1899)
オーストリアのウィーンで活躍した作曲家、指揮者、ヴァイオリニスト。代表作「美しく青きドナウ」は、中学校の音楽の教科書にも載っているので、ご存知の方も多いはず。ちなみに、同曲は映画『2001年宇宙の旅』で使用されているほか、映画『下妻物語』では乱闘場面で流れるという、意表を突いた使われ方をしている。
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新年を祝う華やかな楽曲に隠された
壮絶な親子の戦い

あたかも「1月限定の作曲家」であるかのように、年が明けると世界中で演奏されるのがシュトラウス・ファミリーの音楽だ。

元日にテレビ中継される「ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート」では、「ワルツ王」と呼ばれるヨハン・シュトラウスⅡ世をはじめ、その父ヨハン・シュトラウスⅠ世、弟ヨーゼフ・シュトラウスらの音楽が毎年演奏されている。これにならって、1月に日本各地で開かれる「ニューイヤー・コンサート」でもシュトラウス・ファミリーの音楽がよく演奏される。

「ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート」では、最後に2曲、お決まりのアンコール曲がある。ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「美しく青きドナウ」、ヨハン・シュトラウスⅠ世の「ラデツキー行進曲」。父子それぞれの最大のヒット曲で演奏会を閉じるのが習わしだ。

同じ名を持つ親子の作品が正月になると世界中でいっしょに演奏される。ほほえましい話のように思えるが、実際に父ヨハンと息子ヨハンの間にあったのは骨肉の争いである。

父ヨハンの軽妙な音楽はウィーンを席巻した。自らの楽団を率いて、レストランやダンスホールを一晩に何軒もはしごすることが珍しくはなかったという。演奏に、作曲に、父ヨハンは多忙を極めた。ステージがはねた後に、ようやく一息ついた父は友人たちと酒を飲み、カードで賭けを楽しんだ。そして、やがて若い愛人を作り、二番目の家庭を築くことになる。

父親は息子ヨハンが音楽家になることを望んでいなかった。しかし、母親の勧めで息子はひそかに父の楽団の奏者からヴァイオリンを学んでいた。父親の別居を機に、息子は正規の音楽教育を受けると、彼は目覚ましい音楽的才能を示した。そして成長すると18歳の若さで楽団を結成して、作品番号1となるデビュー作、ワルツ「格言詩」でセンセーショナルな成功を収める。息子ヨハンは父ヨハンの最大のライバルとなったのだ。

しかし、父と子の楽団のライバル関係はそう長く続いたわけではない。家庭を捨ててから7年後、父ヨハンは病によって45歳の若さで早世する。ふたつの「シュトラウス楽団」は息子ヨハンのもとで合併することになり、これまで以上の人気を博すことになった。

もし父親が家庭に留まっていたら、「ワルツ王」は誕生していなかったかもしれない。

おすすめの1枚

おすすめの1枚

『ニューイヤー・コンサート1987』

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、キャスリーン・バトル(ソプラノ)、ドイツ・グラモフォン

カラヤン最初で最後の「ニューイヤー・コンサート」
巨匠カラヤンによる最初で最後の「ニューイヤー・コンサート」。歴代の「ニューイヤー・コンサート」のなかでも特別な輝きを放つ1枚だ。バトルの歌唱入りの「春の声」や、ヨーゼフの名作「天体の音楽」など、選曲もとても魅力的。輝かしく躍動感にあふれたウィーン・フィルの演奏を堪能できる。
文/飯尾洋一
音楽ライター、音楽ジャーナリスト、編集者。クラシック音楽関連の企画に携わるほか、ウェブマガジン「CLASSICA」を運営。著書に『R40のクラシック』(廣済堂新書)、『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』(三笠書房・王様文庫)など。

シュトラウスⅡ世の作品はこちらで

A-45クラシック 作曲家

1月の当チャンネルはシュトラウス・ファミリー特集。シュトラウスⅠ世、シュトラウスⅡ世、そしてシュトラウスⅡ世の弟ヨーゼフの作品をお届けします。軽妙で華やかなワルツやポルカを聴きながら、新しい年の初めをお祝いしてください。

2.USENクラシックセレクション(2014年1月)

USENはクラシック系のチャンネルも充実。以下のチャンネルでは月ごとの特集放送をお送りしております。

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    • ニューイヤー・コンサートにちなみシュトラウス・ファミリーを特集
    • A-45クラシック 作曲家
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    • 2013年度レコード・アカデミー賞を受賞した室内楽作品などを放送
    • B-38室内楽/器楽曲
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    • お正月にふさわしい、楽しく親しみやすいオペレッタを特集
    • B-60オペラ/声楽曲

3.HOT2 INFORMATION

ホットな公演情報やクラシック関連のニュースをまとめて発信(2014年1月1日時点の情報です)

コンサート情報

■NHK交響楽団 公演情報

【NHK交響楽団定期公演(Aプログラム)】

開催日:<1日目>2014年2月8日、<2日目>2014年2月9日
開催場所:NHKホール(東京・渋谷)
出演者:指揮)尾高忠明、ヴァイオリン)ワン・ジジョン、管弦楽)NHK交響楽団
演目:シベリウス/アンダンテ・フェスティヴォ、シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47、シベリウス/交響詩「四つの伝説」作品22、 「レンミンケイネンと乙女たち」「トゥオネラの白鳥」、「トゥオネラのレンミンケイネン」「レンミンケイネンの帰郷」

【NHK交響楽団定期公演(Cプログラム)】

開催日:<1日目>2014年2月14日、<2日目>2014年2月15日
開催場所:NHKホール(東京・渋谷)
出演者:指揮)ネヴィル・マリナー、管弦楽)NHK交響楽団
演目:ドヴォルザーク/交響曲 第7番 ニ短調 作品70、ドヴォルザーク/交響曲 第8番 ト長調 作品88

(問)N響ガイド 03‐3465‐1780 http://www.nhkso.or.jp