HOME / 聴きたい、知りたいクラシック 2013年12月

2013.12月号

USENでクラシックを聴いている、もしくは聴いてみたい方、さらにクラシックに興味を持ちはじめたあなたに贈る、ちょっぴりうれしい情報コーナー

聴きたい!知りたい!クラシック

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

今月の「音楽家のサイドストーリー」は、エキセントリックな言動で知られる天才・ベートーヴェンと、その住まいに関するエピソードを紹介します。

contents

1.音楽家のサイドストーリー vol.5

毎月ひとりの音楽家をピックアップ。その意外な素顔や逸話、さらには作品の裏に隠された背景などを紹介します。

今月の音楽家 ~ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン~

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  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
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  • 1821~23年まで、ベートーヴェンは当時パン屋だったこの家の2階で「第九」の作曲に専念したと言われている(ウィーン近郊、バーデンのラートハウスガッセ通り)

ベートーヴェンに家を貸していた大家が
新たな賃借希望者に出した条件

(ベートーヴェンはこんな人)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)
ドイツの作曲家。主な作品に、誰もが聴いたことのある交響曲第5番「運命」、日本では年末の風物詩となっている交響曲第9番(合唱付き)などがある。音楽史上もっとも偉大な作曲家のひとり。気難しい人物だったと言われている。
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平均して年に2回の引っ越し
その理由は創作活動? それとも……?


ベートーヴェンは引っ越し魔だった。22歳を目前にボンからウィーンに移り住んで以来、56歳で亡くなるまでの間にたびたび引っ越しを繰り返し、その回数は70回とも80回とも言われている。

つまり、平均すると1年に2回ほどの引っ越し頻度である。もっとも長く住んだ住居でも数年間程度まで。夏の間はハイリゲンシュタットなど郊外で過ごし、夏が終わるころにはウィーン市街地に戻ってくるというライフスタイルをとっており、ベートーヴェンはほとんど1ヵ所に留まることなく創作人生を歩んでいたことになる。ちなみに、このハイリゲンシュタットには、“ベートーヴェンの家”が数ヵ所現存しているそうで、避暑のための別荘も1ヵ所では満足できなかったようだ。 環境の変化が作曲家に新たなインスピレーションを与えるということは、いかにもありそうなことではある。

いっぽうで、引っ越しが多かったのは近隣住民とのトラブルが絶えなかったからだという説もある。たしかにベートーヴェンの人物像は気難しく不作法だったと伝えられている。

以前、オランダの指揮者、フランス・ブリュッヘンがこんな話を披露してくれた。
「これはチェリストのスティーヴン・イッサーリス(※)が父親から聞いた話です。イッサーリスのお父さんが幼少の頃、家族とウィーンに移り住もうと、家探しをしていました。ある家の大家を訪ねると、その大家は『私はあまりに年老いてしまったので、この家はもう貸していない』という。それでもぜひにと頼むと『わかった、じゃあ貸しましょう、ただし条件がある』と大家は言いました。『いつも部屋をきれいにしていてほしい。部屋の隅で小便をしたり、床に唾を吐いたりしてはいけませんよ、以前ベートーヴェンがしていたように』と言ったそうです。私は逆算してみました。ベートーヴェンが下宿していた時期を考えると、その大家は当時103歳か104歳くらいでしょう。彼は直接ベートーヴェンを知る最後のひとりだったかも知れません」。

書物や書簡を通じてではない、ベートーヴェンその人の記憶を残す大家さんの言葉がこんなふうに口伝えで残っていようとは。
そして、ベートーヴェンが大家のウケがよくないタイプの賃借人であっただろうことにも納得がゆく。

※スティーヴン・イッサーリス(1959~)
イギリス生まれのチェロ奏者。祖父のユリウス・イッサーリス(1888~1968)はロシアのピアニスト兼作曲家

おすすめの1枚

おすすめの1枚

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」、他

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン、ドイッチェ・カンマーコーア、クリスティーナ・エルツェ(ソプラノ)、ペトラ・ラング(アルト)、クラウス・フローリアン・フォークト(テノール)、マティアス・ゲルネ(バリトン)RCA

作曲当時の奏法と現代的な切れ味が融合
ベートーヴェン演奏の最先端を行くコンビによる1枚。作曲時の奏法を取り入れつつ、現代の「第九」にふさわしい切れ味鋭く精妙な表現によって、作品に新たな光を当てる。きびきびとした快速テンポが心地よい。歌手陣も強力。
文/飯尾洋一
音楽ライター、音楽ジャーナリスト、編集者。クラシック音楽関連の企画に携わるほか、ウェブマガジン「CLASSICA」を運営。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』(三笠書房・王様文庫刊)など。

ベートーヴェンの作品はこちらで

A-45クラシック

12月は毎年恒例となっているベートーヴェンを特集。世界的な指揮者とオーケストラによる「第九」演奏を週更新でお届けするほか、第五週目には、作曲に5年を費やされた大作「ミサ・ソレムニス」を放送。そのほか楽聖ベートーヴェンが生涯に残した名曲をお楽しみください。そのほか「A-48 ベートーヴェン」では、声楽作品を除いたベートーヴェンの作品のみを放送。併せてお楽しみください。

2.USENクラシックセレクション(2013年12月)

USENはクラシック系のチャンネルも充実。以下のチャンネルでは月ごとの特集放送をお送りしております。

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    • 年末恒例のベートーヴェン特集。もちろん「第九(合唱付き)」も放送
    • A-45クラシック 作曲家
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    • クリスマスシーズンにふさわしいメルヘンやおとぎ話を題材としたオペラをセレクト
    • B-60オペラ/声楽曲
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    • 第60回全日本吹奏楽コンクール入賞楽団特集などを放送
    • D-65吹奏楽

3.HOT2 INFORMATION

ホットな公演情報やクラシック関連のニュースをまとめて発信(2013年12月1日時点の情報です)

コンサート情報

■NHK交響楽団 公演情報

【NHK交響楽団定期公演(Cプログラム)】

開催日:<1日目>2014年1月10日、<2日目>2014年1月11日
開催場所:NHKホール(東京・渋谷)
出演者:指揮)アレクサンドル・ヴェデルニコフ、ヴァイオリン)ジェニファー・コー、管弦楽)NHK交響楽団
演目:グラズノフ/演奏会用ワルツ 第1番 作品47、チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35、チャイコフスキー/バレエ音楽「眠りの森の美女」作品66(抜粋)

【NHK交響楽団定期公演(Aプログラム)】

開催日:<1日目>2014年1月25日、<2日目>2014年1月26日
開催場所:NHKホール(東京・渋谷)
出演者:指揮)ファビオ・ルイージ、ソプラノ)モイツァ・エルトマン、テノール)ヘルベルト・リッパート*、ティモシー・オリヴァー**、バリトン)マルクス・マルクヴァルト**、
合唱)東京混声合唱団、管弦楽)NHK交響楽団
演目: オルフ/カトゥリ・カルミナ、オルフ/カルミナ・ブラーナ

(問)N響ガイド 03‐3465‐1780 http://www.nhkso.or.jp

クラシックNews

■METライブビューイング2013-14シーズンがいよいよ公開!

ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(通称:MET)で上演されるオペラを、日本全国の映画館で上演する“METライブビューイング”。その最新シーズン公演が、ついに11月より公開されます。METの感動をぜひスクリーンで体感してください。
<公演スケジュール・劇場の詳細はこちら>

■年末の風物詩「第九」コンサート情報!

今年の12月も各地で「第九」コンサートが行なわれます。エリアフ・インバル&東京都交響楽団や、広上淳一、小林研一郎&日本フィルハーモニー交響楽団、尾高忠明&東京フィルハーモニー交響楽団など、注目のコンサートが目白押し! お目当ての公演はお早目にチェックを。
http://t2.pia.jp/feature/classic/daiku/index.jsp