HOME / 聴きたい、知りたいクラシック 2013年8月

2013.8月号

USENでクラシックを聴いている、もしくは聴いてみたい方、さらにクラシックに興味を持ちはじめたあなたに贈る、ちょっぴりうれしい情報コーナー

聴きたい!知りたい!クラシック

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セルゲイ・プロコフィエフ

今月から、USENで放送しているクラシック音楽関連の番組情報と、それに関連したコラムをお届けしていきます。今月は、ピアニストとしても知られるロシアの作曲家、プロコフィエフの天才であるが故の逸話を紹介します。

contents

1.音楽家のサイドストーリー

毎月ひとりの音楽家をピックアップ。その意外な素顔や逸話、さらには作品の裏に隠 された背景などを紹介します。

今月の音楽家 vol.1~セルゲイ・プロコフィエフ~

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  • セルゲイ・セルゲーエヴィチ・プロコフィエフ
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  • リムスキー・コルサコフ
    当初はプロコフィエフの才能を称賛するのだが……

早すぎた天才が抱えた
権威と束縛への葛藤

(プロコフィエフはこんなひと)
セルゲイ・セルゲーエヴィチ・プロコフィエフ(1891~1953)
ロシアの作曲家、ピアニスト、指揮者。主な作品に「ピアノ協奏曲第3番」、「交響曲第5番」、バレエ音楽『ロメオとジュリエット』などがある。

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20世紀ロシアを代表する作曲家セルゲイ・プロコフィエフ。今の日本でもっとも知られた曲といえば、バレエ音楽『ロメオとジュリエット』に登場する「騎士たちの踊り」ということになるだろうか。携帯電話会社のCMやテレビドラマ「のだめカンタービレ」に使用されたことをきっかけに、一躍有名になった。
プロコフィエフは幼少期から神童ぶりを発揮し、大作曲家になるべくしてなった天才である。9歳で早くもオペラを作曲し、家庭内で初演。13歳でサンクトペテルブルグ音楽院の入試試験を受けたときは大騒ぎになった。プロコフィエフ少年は「4つのオペラ、2つのソナタ、交響曲とたくさんのピアノ曲」の楽譜を大きなフォルダーにずしりと携えて試験場にやってきた。その早熟ぶりはモーツァルトを思わせたことだろう。試験官長の大作曲家リムスキー=コルサコフは「これが、わたしが心から願っていた生徒だ!」と叫んだ。
しかし音楽院では保守的な教育に対して、プロコフィエフは失望を味わった。革新的な若者が、旧世代の大家たちをとまどわせるのはいつものこと。入試試験で熱狂したリムスキー=コルサコフも、入学後のプロコフィエフを「才能はあるが未熟」と断じた。彼の音楽が持つ痛烈なアイロニーとユーモア、乾いた抒情とグロテスクで暴力的なモダニズムといった特徴は、批評家の意見も二分させた。野心作ピアノ協奏曲第2番を発表して騒動になると、地元新聞はその様子をコミカルに描いた。「舞台にはペテルブルグの学生らしき若者があらわれた。セルゲイ・プロコフィエフだ。ピアノの前に座り、鍵盤のほこりを払っているのか、もしくは鋭くドライなタッチでめちゃめちゃに叩いているのか、どちらかであった。聴衆はどう判断すべきか、さっぱりわからなかった……」。
ロシア革命後、プロコフィエフは祖国を離れ、主にアメリカやフランスで活動した。しかし、彼はラフマニノフやストラヴィンスキーらのように、そのまま西欧で生涯を送るという決断を下さなかった。郷愁からか、やがて家族とともにソ連への帰国を果たす。その後、ソ連内の音楽団体はすべて政府に統制されることになり、共産党中央委員会が作曲家たちに作曲の指針を示すことになる。創作の自由は奪われ、当局の意図に合致した作品を書くことを求められることになった。
もし、彼がそのまま西欧に留まっていれば、いったいどんな曲を書いたことだろうか?

おすすめの1枚

おすすめの1枚

クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィル
『プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』から』

ドイツ・グラモフォン

作曲家としての才能が凝縮された一枚
シェイクスピアの有名な恋愛悲劇をバレエ化。「騎士たちの踊り」をはじめとして、プロコフィエフのメロディメーカーとしての才が随所でいかんなく発揮されている。切れ味鋭く、才気煥発とした作曲者の代表作。元来はバレエのために作曲されたものだが、コンサートやレコーディングでは組曲版、あるいは自由な選曲による抜粋で演奏されることも多い。聴きたい曲をつまみ出して聴いてもOK。ベルリン・フィルの超高機能なアンサンブルが爽快だ。
文/飯尾洋一
音楽ライター、音楽ジャーナリスト、編集者。クラシック音楽関連の企画に携わるほか、ウェブマガジン「CLASSICA」を運営。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』(三笠書房・王様文庫刊)など。

プロコフィエフ作品はこちらで

A-45クラシック 作曲家

プロコフィエフの“問題作”「ピアノ協奏曲第2番」では、ロシア人ピアニスト、エフゲニー・キーシンと、中国人ピアニスト、ユンディ・リのふたりの演奏をお楽しみいただくほか、小澤征爾がナレーションを務める「ピーターと狼」(小澤征爾指揮ボストン交響楽団)などを放送。また、上記の飯尾洋一推薦盤も放送。

2.8月のUSENクラシックセレクション

「音楽家のサイドストーリー」でも紹介したプロコフィエフや、夏休みに入った子どもたちのための“おけいこピアノ”などバラエティに富んだ特集をお届けします。

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    • アリーナ・イブラギモヴァ&セドリック・ティベルギアンを特集
    • B-38室内楽/器楽曲
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    • 『音楽の友』8月号の特集とリンクした内容ほかを放送
    • B-48音楽の友

3.HOTS2 INFORMATION

ホットな公演情報やクラシック関連のニュースをまとめて発信

コンサート情報

■NHK交響楽団 公演情報

【NHK交響楽団第1761回定期公演(Aプログラム)】

<1日目>9月21日(土)、<2日目>9月22日(日)
NHKホール(東京・渋谷)
出演:指揮)ヘルベルト・ブロムシュテット NHK交響楽団
曲目:「ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 作品73」、「ブラームス:交響曲 第3番 ヘ長調 作品90」

【NHK交響楽団第1762回定期公演(Cプログラム)】

<1日目>9月27日(金)、<2日目>9月28日(土)
NHKホール(東京・渋谷)
出演:指揮)ヘルベルト・ブロムシュテット vn)フランク・ペーター・ツィンマーマン NHK交響楽団
(問)N響ガイド 03‐3465‐1780 http://www.nhkso.or.jp

■兵庫芸術文化センター管弦楽団 公演情報

【第29回名曲コンサート「アンサンブル・ウィーン=ベルリン 天上の協奏曲」】

9月28日(土)
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
出演:指揮&オーボエ)ハンスイェルク・シェレンベルガー cl)ノルベルト・トイブル、fg)リヒャルト・ガラー 、hrn)シュテファン・ドール 兵庫芸術文化センター管弦楽団
(問)芸術文化センターチケットオフィス 0798‐68‐0255 http://hpac-orc.jp/concert/20130928.php

■指揮者 井上道義 公演情報

【オーケストラ・アンサンブル金沢 設立25周年記念スペシャルコンサート】

9月7日(土)
石川県立音楽堂コンサートホール
http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/concert.html
指揮:井上道義、ヴァイオリン:諏訪内晶子、管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢

【東京芸術劇場 コンサートオペラvol.1 バルトーク 歌劇「青ひげ公の城」】

9月13日(金)19:00開演
東京芸術劇場コンサートホール
http://www.geigeki.jp/performance/concert018/
指揮:井上道義、管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団、独唱:青ひげ公/バス)コヴァーチ・イシュトヴァーン、ユーディト/メゾ・ソプラノ)メラース・アンドレア、(吟遊詩人)仲代達矢

【大阪フィルハーモニー交響楽団 第471回定期演奏会】

9月19日(木)、20日(金)
ザ・シンフォニーホール
http://www.osaka-phil.com/schedule/detail.php?d=20130919
指揮:井上道義、ピアノ:児玉 桃、オンドマルトノ:原田節

【コンサートオペラ「青ひげ公の城」】

2013年09月27日(金)19:00開演
フェスティバルホール
http://www.osaka-phil.com/schedule/detail.php?d=20130927
指揮:井上道義、管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団、独唱:青ひげ公/バス)コヴァーチ・イシュトヴァーン、ユーディト/メゾ・ソプラノ)メラース・アンドレア、(吟遊詩人)晴雅彦

クラシックNews

■「眩暈するくらい暑い夏」~藝祭2013

9月6(金)~8(日)開催。
東京藝術大学の学園祭「藝祭」。今年のテーマは「眩暈するくらい」。異素材が共鳴し合う芸術の場「藝祭」で五感が刺激され、その非日常的で特異な空間にくらくらと引き込まれていくことを象徴したテーマ。今年は上野恩賜公園の「竹の台広場」に野外ステージが設置されるとのこと。芸大生による舞台美術と音楽が上野の憩いの場で体感できる。
<藝祭2013公式サイト>
http://www.geidai.ac.jp/event/geisai2013/

■N響が日本の常設オーケストラとして初めてザルツブルク音楽祭に出演。

世界有数の夏の音楽祭であるザルツブルク音楽祭。今年の大きなテーマのひとつが「仏教」と「日本」ということで、NHK交響楽団による日本人作曲家の演奏は音楽祭の目玉のひとつになっている。
<N響公式ニュース>
http://www.nhkso.or.jp/news/4367/
http://www.nhkso.or.jp/news/2569/

■ベルリン・フィル&ドイツ・グラモフォン100周年BOXが9月20日発売!

世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団がドイツ・グラモフォンに録音を開始して今年で100年を迎える。これを記念して、100年の歴史を50枚に凝縮した豪華BOXが発売。ご予約はお早めに。
<ユニバーサルミュージック 公式サイト>
http://www.universal-music.co.jp/p/479-1049?s=97204

■マリス・ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団の2012年ベートーヴェン・ツィクルス・日本公演がDVD&BDで登場!

昨年、東京・サントリーホールで行なわれたマリス・ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団の来日公演がDVDとブルーレイで登場。名匠ヤンソンス率いるバイエルン放送交響楽団の4夜に渡るベートーヴェンの交響曲全曲演奏会は、各公演とも大盛況。あの感動と興奮をご自宅でどうぞ。
<NHKエンタープライズ>
http://www.nhk-ep.com/shop/commodity_param/ctc/mus07/shc/0/cmc/18602AA/backURL/http%28++www.nhk-ep.com+shop+main/detail.html