HOME / Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew (2017年2月20日~4月2日)

Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew

  • 2017 Early Spring Selection(2月20日~4月2日)

橋本徹(SUBURBIA)を始めとする
「usen for Cafe Apres-midi」の選曲家17人が
それぞれのセレクトした音楽への思いを綴る
「Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew」
詳しい放送内容はこちら

D-03usen for Cafe Apres-midi

作曲家


橋本 徹(「usen for Cafe Apres-midi」プロデューサー)
Toru Hashimoto
  • Luiza Brina & o Liquidificador
    『Tao Ta』
  • Ian Lasserre
    『Sonoridade Polvora』
  • Santiago Beis
    『Univer-som』
  • Victor Provost
    『Bright Eyes』
  • Michael Olivera Group
    『Ashe』
  • Sampha
    『Process』
  • Becca Stevens
    『Regina』
  • Kurt Rosenwinkel
    『Caipi』
  • Nate Smith
    『Kinfolk: Postcards From Everywhere』
  • Gigi Masin
    『Venezia 2016』
  • 春の訪れを心待ちにしながら、音楽で日常のささやかな幸せを彩ることができたらと、今回は心地よくメロウ&グルーヴィーな楽曲を中心に、計34時間分を新たに選曲した。
    金・土・日トワイライトタイムの特集は、豊作が続くブラジルやアルゼンチンなどのここ数年の名作を中心に、「早春―芽吹きの季節、ラテン・アメリカの旅。」と題して。春を待つ気分に快く寄り添う、アコースティック&オーガニックな風合いを大切にセレクトしてみた。
    特集ともリンクする中南米からのニュー・アライヴァルが充実していることも、特筆すべきだろう。何と言っても筆頭に挙げたいのは、ミナス新世代アコースティックを象徴するオーガニックSSW決定盤にして、その枠をこえて新たなトロピカリアの到来すら予感させるルイーザ・ブリーナの『Tao Ta』。ミナス随一の才媛シンガー・ソングライター/マルチ奏者である彼女が、MPBの生きる伝説シコ・ネヴィスをプロデュースに迎え作り上げた、早くも年間ベストの呼び声も高い大傑作で、3/5にアプレミディ・レコーズから日本盤リリースも決定。その雰囲気はまさに、ミナスとリオを結ぶ、“2017年のドミンゴ”だ。
    前回大推薦したLuedji Luna「Um Corpo no Mundo」と同じく、チガナ・サンタナの盟友Sebastian Notiniが全面バックアップしたバイーアのシンガー・ソングライターIan Lasserreも素晴らしい。チガナ・サンタナやカエターノ・ヴェローゾ好きは必聴だ。そのチガナ・サンタナも弾き語りライヴEP『Sobre o invisivel』を発表、こちらはニック・ドレイク~ベン・ワット好きに聴かせたくなる。「Belo Balao」が今年最初のフェイヴァリットになったフェルナンダ・ゴンザーガを始め、ミナスからスペインに渡ったサウダージ香るレオ・ミナックス、もはやミナスの顔とも言えるジョアナ・ケイロス、Vovo BebeやDeh Mussulini、ウルグアイ出身でブラジルで活動するSantiago Beisのエグベルト・ジスモンチにも通じる映像的なサウンドも印象に残った。
    ブラジリアン・ジャズもUS経由を含め傑作ラッシュで、Reunion Project/Leandro Cabral Trio/Vitor Goncalves Quartetなど枚挙にいとまがないが、とりわけスティールパン入りのVictor Provostは重宝した。併せて大プッシュしたいのが、キューバ出身で今はスペインを拠点とする、まもなくアルフレッド・ロドリゲス・バンドの一員として来日するマイケル・オリヴェイラ率いるMichael Olivera Groupの絶品ラテン・ジャズ「Ashe」。さらにチリのFranssia VillalobosやアルゼンチンのNahuel Carfi(2016 ミッシング・ベスト・アルゼンチンGonzalo Arevaloも忘れてはいけない)、メリーナ・モギレフスキーとの共演でも知られるコロンビアのジャズ・ピアニストNicolas Ospinaと、中南米音楽の活況ぶりは留まるところを知らない。
    北半球に目を移すと、曲単位ではケイトラナダのサポートも光るIvan Ave「Also」がNo.1だろうか。ニュー・アルバムもすぐのカリーム・リギンス「Bahia Dreamin’」も超フェイヴァリット。まだ18歳だというブレイク必至のCosmo Pykeの「Chronic Sunshine」も最高すぎる。これぞ“2010s Urban-AOR”という感じのサンダーキャットが何とマイケル・マクドナルド&ケニー・ロギンスと組んだ「Show You The Way」、コンピ『Free Soul~2010s Urban-Jam』にもフィーチャーした強力コンビSiR×Anderson .Paakの「New LA」あたりも見逃せない。
    アルバム単位ではやはり待望のサンファ。期待通りにステップアップしていたThe xx、ハイエイタス・カイヨーテを思わずにいられないイスラエルのマスト・レーベルRaw TapesからのButtering Trio、大好きなThe Internetのシド(「Inseculities」が最高だった)とマット・マーシャンズのソロ作、一聴してシュギー・オーティスを思い浮かべたカリフォルニア産浮遊メロウE Arenas(チカーノ・バットマン「Fantasia」のセルフ・リメイクが極上)、ウエストロンドンHonest Jon’s発のナイジェリアのブラスバンドObadikahのアフロ・グルーヴも嬉しかった。
    ジェイコブ・コリアー/ローラ・ムヴーラ/アラン・ハンプトン/デヴィッド・クロスビーらとの共演も話題の、来たるベッカ・スティーヴンス新作『Regina』からも大フィーチャー。彼女も好カヴァーしていたフランク・オーシャン「Thinkin Bout You」などカヴァー・レパートリーが僕好みだったフロー・モリッシー&マシュー・E.ホワイト、Stones ThrowからのGabriel Garzon-MontanoやGeorgia Ann MuldrowプロデュースのNosizwe、エリカ・バドゥのツアー・バンドとして知られジャジーでよりエリカ寄りの作風になっていた来日間近のRC&ザ・グリッツにも注目。オマー/ホセ・ジェイムスといった人気シンガーに、Knxwledge/Tall Black Guyといった気鋭のトラック・メイカーも見落とせないが。
    ジャズ系では、アントニオ・ロウレイロらも参加したカート・ローゼンウィンケル『Caipi』を、キャリア最高傑作と推したい。グレッチェン・パーラト歌う「Pages」にハートを射抜かれたネイト・スミスもかなり良かった。ボブ・ディランやエリオット・スミスそしてジョニ・ミッチェルのカヴァーも抜群のクリス・シーリー(パンチ・ブラザーズ)&ブラッド・メルドー(同趣のコラボとして来日公演にも魅了されたジュリアン・ラージ&クリス・エルドリッジを思いだす)、レナード・コーエンに捧げた「Hallelujah」が印象的なNicolas Kummert & Lionel Loueke、エルメート・パスコアールとバーデン・パウエルに強くインスパイアされたNow-AgainからのFabiano Do Nascimentoも納得の好内容。カタルーニャのギタリストPau Figueresも、ミナスやラプラタおよびフィーリン好きのクワイエット・リスナーに薦めたい。そういえばジャズではないが、深夜眠る前によく聴いたロッテ・ケストナーの『Covers』(ニック・ドレイク「Pink Moon」に始まりデヴィッド・ボウイ「Space Oddity」に終わる)や、めざめのまどろみによく流していたThe Boatsセカンドの新装日本盤CDリイシューも、“Quiet Corner”愛好家マストだろう。
    そして遂に待ち望んだ日本でのライヴが4月に決まったジジ・マシンは、来日記念コンピ『Gigi Masin For Good Mellows』を現在制作中で、その中からもクワイエット・アンビエンス~メロウ・チルアウトな珠玉の名作群をエントリー。書籍仕様68ページ写真集付きの最新作『Venezia 2016』も真夜中に時を止めるような美しさだが、Jonny Nash/Young MarcoとのユニットGaussian Curveの来たるべきニュー・アルバム『The Distance』も期待に違わぬ逸品なので、ぜひ楽しみにお待ちいただきたい。
    最後に、2016年に続き2017年に入ってからも、アル・ジャロウやデヴィッド・アクセルロッドを始め、多くの偉大なアーティストたちの訃報が届いている。最もショックだったのは、90年代後半には共にタワーレコードのフリー・マガジン「bounce」編集部ですごした同志、スマーフ男組のマジアレ太カヒRAWこと村松誉啓(マジック・アレックスの名で「Suburbia Suite」にも寄稿してくれている)。彼への感謝の思いと、彼の人柄と才能を讃える気持ちは、ここでは語り尽くせない。悲しみに暮れ、心からご冥福をお祈りするばかりなのがもどかしい。また、27歳の若さでFriendzoneのJames Laurenceも亡くなった。Uyama Hirotoを敬愛するFriendzoneは、Gigi Masin本人も気に入ったという「Clouds」をサンプリングしたMain Attrakionz「Church」を、Nujabes追悼の思いをこめて作ったと、インタヴューで語っていたのが忘れられない。エイサップ・ロッキーで最も好きな「Fashion Killa」の春風のようなトラックを手がけたのもFriendzoneだった。天国で安らかに。

    Dinner-time 土曜日22:00~24:00
    Cafe Apres-minuit 日曜日0:00~10:00
    Brunch-time 月曜日10:00~12:00
    Brunch-time 火曜日10:00~12:00
    Brunch-time 水曜日10:00~12:00
    Brunch-time 木曜日10:00~12:00
    特集 早春―芽吹きの季節、ラテン・アメリカの旅。 金曜日16:00~18:00
    特集 早春―芽吹きの季節、ラテン・アメリカの旅。 土曜日16:00~18:00
    特集 早春―芽吹きの季節、ラテン・アメリカの旅。 日曜日16:00~18:00

    カフェ・アプレミディWebsite
    橋本徹(SUBURBIA)選曲の近作コンピCDと橋本徹・編集の単行本
    "Free Soul, Free Mind"で、音楽を聴き続けていきたい。(dacapo)
    いつかかけがえのない記憶になる、心を揺さぶる大切な音楽。(dacapo)
    連載コラム【音楽のある風景】(UNITED ARROWS)
    橋本徹の『Haven't We Met?~Music From Memory』全曲解説(HMV)
    橋本徹の『Free Soul~2010s Urban-Mellow Supreme』座談会(HMV)
    橋本徹の『Good Mellows For Seaside Weekend』対談(HMV)
    橋本徹の『Free Soul~2010s Urban-Jazz』座談会(HMV)
    橋本徹の『Good Mellows For Sunset Feeling』対談(HMV)
    橋本徹の『Cafe Apres-midi』15周年対談・前編(HMV)
    橋本徹の『Cafe Apres-midi』15周年対談・後編(HMV)
    橋本徹の『カフェ・アプレミディ オランジュ』全曲解説(HMV)
    橋本徹の『Good Mellows For Moonlight Rendezvous』対談(HMV)
    橋本徹の“Good Mellows”トークショウ(HMV)
    橋本徹の“Good Mellows”トークショウ(diskunion)
    橋本徹の『Ultimate Free Soul 90s』座談会(UNIVERSAL)
    橋本徹の“Good Mellows”ロング・インタヴュー(Real Sound)
    『Another Selection of Music City Lovers』橋本徹インタヴュー(USEN)
    橋本徹の“Suburbia”~“Free Soul”~“Cafe Apres-midi”~“Good Mellows”インタヴュー(Test Pressing)
    橋本徹の『Free Soul~2010s Urban-Jam』座談会(UNIVERSAL)
    橋本徹の“NEW YORK STORY”インタヴュー(BARNEYS NEW YORK)

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本多義明(「usen for Cafe Apres-midi」ディレクター) 
Yoshiaki Honda
  • J.Views
    『401 Days』
  • 昨年5月のリリースですが、最近まで知らなかったJ.Viewsのアルバム『401 Days』。このアルバム収録の「Don’t Pull Away」は、Miloshをヴォーカルでフィーチャーしていて、「usen for Cafe Apres-midi」でも大活躍しそうなくらい良い曲でした。Rhyeが大好きな自分にとってはたまらない美しさと味わい深さを備えた曲で、エレクトロニカな要素もほんとに心地よいです。「Nashville」という短いインスト曲も、まるで春が訪れる雪解けのような雰囲気があってセレクトしました。その他の曲は「usen for Cafe Apres-midi」で自分が選曲するには、いささか壮大すぎたりビートが強すぎたりはしますが、そんなことは関係なく普通にグッド・アルバムだと思います。あまり日本では流通していないようですが、Bandcampではダウンロードはもちろん、CDやレコードも購入できます。気になった方はぜひ。夏に聴いても気持ちいいかもしれません。

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中村智昭 Tomoaki Nakamura
  • Slawak Jaskulke
    『Senne』

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添田和幸 Kazuyuki Soeta
  • Hush Moss
    『It Takes A Lot』
  • Bonoboの新作からはじまってOmar、Gabriel Garzon-Montano、去年末のライヴも素晴らしかったSamphaと、待ち望んでいたアーティストのリリース・ラッシュでしたが、今回は去年のベスト・セレクションに間に合えばぜひ選びたかったベルリンを拠点に活動するHush Mossをセレクト。最初に聴いたときは70年代アメリカ西海岸あたりのマイナーAORの再発かと思いましたが、少し頼りないヘロっとしたヴォーカルといい乾いたギターの音色といい中毒性の高い個人的にツボな一枚。少しひねくれたポップス好きやAORファンにおすすめのアルバムです。


    Dinner-time 火曜日18:00~24:00
    Cafe Apres-minuit 水曜日0:00~2:00

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中上修作 Shusaku Nakagami
  • Pierre Barouh
    『Viking Bank』
  • 年末の朝、「さて、大掃除でもしないと」と考えていたら、とんでもないニュースが飛び込んできた。この日ばかりは編集者らしい彼の軽妙洒脱は影をひそめ、「ピエール・バルーが亡くなったね」という簡潔な文面がリアリティーを倍加させていた。この間、サラヴァの50周年コンサートが終わったばかりじゃないか。この唐突な報せは信じることができなかったが、彼はこんな嘘をつくような人ではない。現実を受け入れ難く、それでも時は過ぎていく。気持ちの整理なんかつかないまま、だ。
    ピエール・バルーのレコードを最初に聴いたのは確か『サ・ヴァ・サ・ヴィアン』、大学生のときだった。その後、当時住まいがあった京都の日仏会館のコンサートで初めてピエール本人と逢い、サインをねだった。その夜のコンサートは素晴らしく、サラヴァのアーティストのレコードであれば片っ端から買ったのは懐かしい想い出だ。その後は住まいが東京に移り、忙しい日々は相変わらずだったが、サラヴァのレアなアルバムのCD化やCDのライナーノーツ等の執筆もさせてもらえるようになり、ピエールとの御縁が続いている実感があり嬉しかった。
    自分が書いたライナーノーツの中でも初めて「ああ書いた!」と思えたのは『ヴァイキング・バンク』で、サラヴァに運営危機が訪れてメジャー・レーベルRCAに吸収合併された後にリリースされたアルバムだけに、傷心のピエールがレコードの溝にもくっきりと彫り込まれていた。ライナーノーツを書く前、実はこのアルバムは好みではなくあまり聴いていなかったのだが、アルバムを聴き込みピエールの傷心を知ってからは、「これは相当に深いメッセージが込められている」と思うようになり大好きな一枚となった。「何事も駄目な日」「高度」「ジャッキーの歌」等々、いい曲が収録されているが、白眉はやはりシコ・ブアルキ作の「仮面の夜」のカヴァーだろう。当時の奥様ドミニク・バルーとのデュエットで、浮遊するような幸福感がずっと続く名カヴァーだ。Early Spring SelectionのCafe Apres-minuit最後の1時間(25時台)はピエールへのオマージュを込めて全てサラヴァ音源で選曲したのだが、ラストはピエールと皆様の幸せを願って「仮面の夜」のレア・トラックを。サラヴァ、ピエール!

    Dinner-time 水曜日18:00~24:00
    Cafe Apres-minuit 木曜日0:00~2:00

    古美術 中上

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高木慶太 Keita Takagi
  • Slawek Jaskulke
    『Senne』
  • 初めて聴いたのは、300分ほどのロング・セットを終えて心地よい達成感と余韻を味わっている最中だった。店主がやおら取り出したCDをセットし、プレイ・ボタンが押されるや空気が一変。その鮮やかはスリリングでさえあった。負けたと思った。それまでの選曲を少しばかり恥じた。
    深夜というマジック・アワーにこれほどふさわしいピアノ・ソロがあるだろうか。

    Dinner-time 木曜日18:00~24:00
    Cafe Apres-minuit 金曜日0:00~2:00

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FAT MASA
  • Thundercat
    『Drunk』
  • Thundercatのニュー・アルバムからの先行シングルが、現在進行形AORと言うべき素晴らしさを物語る、二大AOR巨匠のマイケル・マクドナルド&ケニー・ロギンスを起用した驚きの豪華絢爛な内容である。4月の来日公演には流石に御大たちは来ないだろうが(笑)、この曲だけで行かなきゃならない衝動に駆られてしまう。まずはアルバムが待ち遠しい。アナログ盤リリース、切に願います!

    Brunch-time 金曜日10:00~12:00

    JOYOUS JAZZ(FM NORTH WAVE)

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三谷昌平 Shohei Mitani
  • Antonio Adnet
    『Tem + Boogie Woogie No Samba』
  • 晩年のアントニオ・カルロス・ジョビンのギタリストとして知られるマリオ・アヂネーの娘、アントニア・アヂネーのサード・アルバム。同世代のミュージシャンたちと一緒にオールド・レパートリーを洗練されたアレンジで聴かせてくれる作品で、全編通して、祝祭感あふれる春にふさわしい一枚となっています。ぜひ聴いてみてください。

    Dinner-time 金曜日18:00~22:00

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渡辺裕介 Yusuke Watanabe
  • Orange Juice
    『You Can’t Hide Your Love Forevr』
  • Frazier Chorus
    『Ray』
  • ALTER EAGO
    「Secret Moment」
  • 初春、九州はお先に春を感じる季節。それもかなりのスピードで春になります。何よりも陽射しが優しく、何かこれからはじまりそうな気持ちになります(恋愛以外)。
    ということで我がお店STEREOは、2店舗目Coffee Stand、そして3店舗目(打ち止め)はRecord Shop。店名は「LIVING STEREO」です。リヴィングで音楽を聴く空間と時間。
    気づけばパソコンの前に座ってPCで音楽を聴く、もしくは携帯電話で音楽を聴く。それだけ音楽とは密接な関係ではありますが、「ソファでゴロゴロしながら、身体で浴びる心地よさ。ひとそれぞれの音楽を裏返しながらゆっくり過ごす」。そんな時間を過ごしすぎて学生時代は全然勉強できませんでしたが。大人になって時間に追われて(自分勝手に)ソワソワ生活して。たまにはゆっくり時間を家で過ごすのも悪くない(高い家賃払ってるし)。ということでそんなリヴィングで聴くレコードを提案していきます。福岡にご旅行の際はぜひお越しください。
    そんな気持ちで選曲したEarly Spring Selection。また開けずのレコード・ダンボールを開けると、イルカジャケットが2枚重なって。Orange JuiceとFrazier Chorus、海をジャンプするイルカと海底を泳ぐイルカ。どちらも素晴らしいアルバムです。爽やかなギターと太い声のポップと心地よいゆったりとしたシンセ・ポップ。まさに冬から春へ。久々に聴き入ってしまった2枚です。
    そして福岡からも素晴らしいバンドがデビューします。男性1女性2のThe xxと言っても過言ではないグループALTER EAGO。ここ数年試行錯誤繰り返しカタチになった素晴らしいバンドです。ぜひ聴いてみてください。

    Dinner-time 金曜日22:00~24:00
    Cafe Apres-minuit 土曜日0:00~2:00

    ドリンクバー凡人会議(RKBラジオ)

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富永珠梨 Juri Tominaga
  • Ainda Duo
    『Uno』
  • 生まれたばかりの春の陽射しが、頬に瞼に心地いいこの季節。春を待ちわびた雪解け水のように、清らかな光りを纏った心洗われる一枚をご紹介いたします。ブエノスアイレス発の男女デュオ、Ainda Duo(アインダ・デュオ)が2013年にリリースしたアルバム『Uno』を2017 Early Spring のベストワンに選びました。ウクレレを弾き歌う、エスメラルダ・エスカランテの透明感あふれる歌声と、淡くしなやかなシャゴ・エスクリバのギターの音色が、早春の瑞々しい風景に心地よく馴染みます。パラグアイを代表する名曲「Recuerdos De Ypacarai」(イパカライの思い出)や、シャンソンのスタンダード・ナンバー「Menilmontant」、そしてジャニス・ジョップリンの「Mercedes Benz」など、国境やジャンルを越えた、伸びやかで親しみやすい絶品カヴァー曲も収録されている魅力的な一枚です。

    Brunch-time 土曜日10:00~12:00

    Music City Lovers(mono森音)

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小林 恭 Takashi Kobayashi
  • Pau Figueres
    『Pau Figueres』
  • 今回はスペインのギタリストPau Figueresのファースト・アルバムを紹介します。同じスペインのギタリストToti Solerのベスト盤も出たばかりで、そちらも素敵ですが、そのTotiにも影響を受けた1989年生まれの今年28歳の彼のギター・テクニックやグルーヴ感、音楽的知識の素晴らしさに圧倒されます。クラッシックやフラメンコをルーツにジャズ、ロック、ラテン等、様々な音楽を通過した、クワイエットな曲や、躍動感あるアコースティックなセッションは、新鮮で清々しく冬から春へと変化するこの季節にぴったりだと思います。

    Dinner-time 土曜日18:00~22:00

    設計事務所 ima(イマ)

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ヒロチカーノ hirochikano
  • Bobby & Blumm
    『A Little Big』
  • Bibio
    『A Mineral Love』
  • 今から約10年前、新しい選曲の方向性を探して、大阪の心斎橋にあるFLAKE RECORDSに通っては、自分の耳と感性だけをたよりに、膨大な数のインディー・ポップを聴きまくっていた頃に出会ったIt’s A Musicalの「The Music Makes Me Sick」。この曲のイントロから感じるパッションがきっかけで、それから数年後に“Colorful Pop Styling”というUSENの新しいチャンネルが生まれましたが、昨年あたりから再び自分自身の選曲テーマとして“アップデイト”を心がけながら、世界中の膨大な数の音楽をサーフィンしている中で、偶然It’s A Musicalのメンバーの一人Bobby Babyが2010年に残していたデュオ作品にたどり着きました。他にも、シンプルなギターのコード・ワークとドラムの軽いブラシ・タッチのサウンドと哀愁感あふれる唄が心に残ったBrett Dennenの「Desert Sunrise」や、音楽好きのツボをついた絶妙なサウンド・センスが光るBibioの「Raxeira」等、2017年開始早々、ベスト・セレクションの候補となった秀曲満載でお届けします。

    Brunch-time 日曜日10:00~12:00

    『Music City Lovers ~ Soundtracks For Comfortable Life』リリース。
    17人の選曲家の“今”が聴こえる至福の18曲(dacapo)

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吉本 宏 Hiroshi Yoshimoto
  • Dida Pelled
    『Modern Love Songs』

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高橋孝治 Koji Takahashi
  • Roosevelt
    『Roosevelt』
  • Tei Shi
    『Saudade EP』
  • Shura
    「2Shy」
  • Tennis
    『Yours Conditionally』
  • Christa Vi
    「Long Way Home」
  • Mutya Buena
    「Real Girl」
  • Joss Stone
    「Don't Cha Wanna Ride」
  • Distant Cousins
    「You Used To」
  • Little Caesar
    「Whole Of The Moon」
  • World Of Twist
    「The Storm」
  • V.A.
    『The Compact 2 Tone Story』
  • Sax Maniax
    「Never Gonna Lose Me」
  • Amy Winehouse
    『The Ska EP』
  • El Perro Del Mar
    「You Gotta Give To Get」
  • Kitty, Daisy & Lewis
    「Baby Bye Bye (KDL Slimkid3 From The Pharcyde)」
  • The Rude Pressures
    「Rhythm & Blues」
  • 今回のディナータイム選曲のメイン・アクトを務めるドイツ・ケルンを拠点に活動するマリウス・ラウバーによるプロジェクト、ルーズベルトが昨年8月に発表したデビュー・アルバム『Roosevelt』は、間違いなく2016年のマイ・ベスト・セレクションにセレクトされるべき素晴らしい作品でした。しかし残念ながらわたくしがその存在を知ってこの作品を手に入れたのが昨年の12月も終わろうとしている時期だったので、編集の都合上12月の頭には納品しなくてはならないベスト・セレクションの中に、彼の作品を組み入れることはできませんでした。また同じく、前回放送の冬セレクションも昨年中の納品ということで、実質今年初めての選曲となる今回の初春セレクションで、遅ればせながら彼らのキャッチーでエレクトリカル、そしてダンサブルな作品をいくつかご紹介し、それらの作品を軸としたカラフルで心地よい揺らぎを放つ作品を集めてディナータイムの選曲を構成してみました。まずはそのルーズベルトのデビュー・アルバムよりイントロから瑞々しい光を感じる「Fever」をセレクトしてスタート。そしてスウェーデンのポスティルヨネンやジャパニーズ・ウォールペイパーなど、2016年に自分の選曲で活躍してくれた作品もこのセレクションにちりばめて、そこにアルゼンチンはブエノスアイレス出身で現在はブルックリンを拠点として活動するTei Shiのふわふわとしたオルガンの音色に少しダークなシンセ音が絡む「Nevermind The End」や、ロンドンで活躍する女性エレクトロ・アーティスト、シュラの80sフレイヴァー感が漂う「2Shy」、ジョセフィーヌとアンソニーによるロンドンの男女デュオ、オー・ワンダーの「Without You」などのちょっぴり切ないナンバーを絡めて前半の選曲を構成してみました。そしてディナータイム折り返しのインタールードとしてミントの「Grace (00L Remix)」をセレクトしたのですが、この作品はわたくしが「usen for Cafe Apre-midi」の15周年を祝うアニヴァーサリー・コンピ『Music City Lovers』のためにセレクトした作品のリミックス・ヴァージョンで、このリミックス以外にも(オリジナルを除いて)まだ4つのヴァージョンが存在するので、興味のある方はミントの『Glued, Stapled, Remixed』というデジタル・アルバムをチェックしてみてください。
    続くディナータイム後半はパトリック・ライリーとアライナ・ムーアによる男女デュオ、テニスによる3月リリース予定の最新アルバム『Yours Conditionally』からのリード・トラックとなる「In The Morning I'll Be Better」や、2015年にドイツのヒット・チャートを賑わせたPhilipp Dittberner & Marvによる(ドイツ語で歌われる)ダンス・ナンバー「Wolke 4」をセレクトしてスタート。そしてミントの2015年作である『Fable And Fantasy』より、彼にとっては珍しいヴォーカル入りのナンバー「The Boy With The Star」を選び、続けてそのミントがリミックスを手がけたクリスタ・ヴァイの「Long Way Home (Mint's Clockwork Funfair Remix)」へ繋げてみましたが、この2曲は本当に相性が良く、まるで兄妹のような作品ですね。どちらの作品もキラキラとした光を放っており、カラフルで心地よい揺らぎを放つという今回の方向性にぴったりな作品だと思います。そしてその方向性にぴったりといえばやはりアヴァランチーズの作品も外すことはできません。前作から16年ぶりにリリースされたアルバム『Wildflower』からは、タイトルもズバリな「Colours」を選び、続けてフォクシーズ・イン・フィクションの一昨年に日本でのみCD化された傑作ファースト・アルバム『Swung From The Branches』より、ボーナス・トラックとして収録された「Flashing Lights Have Ended Now」や、スウェーデンはストックホルム出身のクリスチャン・ニヴァの2011年作のデビューEP『Feverish Dream』から、子供の声のサンプリングが可愛らしい「Boy From The Sun」を選んでこのセレクションにさらなる彩りを与えてみました。ディナータイムのラストには再度ルーズベルトのデビュー・アルバムから、ぐるぐると上昇しながらループするシンセの音色が脳内を駆けめぐる「Around You」を選び、冒頭から続く心地よい緊張感を持続させましたが、アウトロとしてセレクトした穏やかな波のようなフリカの「In Dreams」に繋げることで、このセレクションを決められた2時間という枠の中でひとつの形にまとめることができたと思います。
    そして今回のミッドナイト・スペシャルですが、前半の1時間はディナータイムのダンサブルな流れを引き継ぎつつ、収録した作品は16年前に世界に衝撃を与えたアヴァランチーズの歴史的名曲「Since I Left You」に代表される、80年代後半から2000年代にリリースされた作品を集めてお贈りいたします。まずは1995年に大ヒットしたTLC「Waterfalls」のインストゥルメンタル・ヴァージョンをイントロに、レニー・クラヴィッツ「It Ain't Over 'Til It's Over」を下敷きにしたムーチャ・ブエナの2007年作「Real Girl」から、ヤング・ホルト・アンリミテッドの「Soulful Strut」を大胆に使用したジョス・ストーンの2005年のヒット曲「Don't Cha Wanna Ride」に繋げました。そして中盤には元ペイル・ファウンテンズのマイケル・ヘッド率いるシャックが作品をリリースしていたことでも知られる、イギリスのGhetto Recording Companyから1989年にリリースされていたディスタント・カズンズの優しいギターのカッティングとゆったりとしたリズムが心を暖かな気持ちにさせてくれる「You Used To」や、同様の響きを持つ1995年発表のトニー・リッチ・プロダクションのデビュー・シングル「Nobody Knows」が柔らかなアクセントになり、選曲に柔らかなグラデイションを描いてくれます。そしてこのアクセントを境にミッドナイト・スペシャル後半戦へ繋げる布石として、徐々にロックのテイストを強めた作品をセレクトしていきます。その入り口として選んだのは、昨年ある日本人女性と結婚してファンをアッと驚かせた(笑)マイク・スコット率いるウォーター・ボーイズの大名曲「The Whole Of The Moon」をダンス・ナンバーに仕上げたリトル・シーザーの「The Whole Of The Moon (Apollo 11 Stage One)」で、続いて40代から50代前半の人たちには1998年に発売されたアップル社製コンピューターiMacのCMソングのイメージが強い(笑)、ローリング・ストーンズ「She's A Rainbow」をマッドチェスター・ムーヴメント全盛期の1990年にダンス・サウンドに乗せてカヴァーしたワールド・オブ・ツイストや、ビートルズの名曲をこれまたセカンド・サマー・オブ・ラヴの勢いで1989年にカヴァーしたキャンディ・フリップの「Strawberry Fields Forever」に繋げてセレクトしてみました。そしてミッドナイト・スペシャル後半戦への流れを意識して、ブロウ・モンキーズのリード・シンガーであるドクター・ロバートがバンド解散後にリリースしたファンカラティーナ色が濃い陽気で軽快なナンバー「I've Learnt To Live With Love」を選び、ミッドナイト・スペシャルを折り返します。
    ミッドナイト・スペシャル後半は、この3月にテリー・ホールを加えたスペシャルズの待望のジャパン・ツアーが決定し、さらに4月には今やイギリスの国民的人気バンドになったマッドネスが11年ぶりに来日公演を行うということで、まさに盆と正月が一緒にやってきたこれらのイヴェントを記念して(笑)、2トーンやスカのテイストを持つ素敵な作品を集めてみました。まずはアプレミディと2トーンの接点として頭に浮かんだ、フライデイ・クラブ「Window Shopping」のインストゥルメンタル・ヴァージョンをイントロに配置しましたが、これは今や高嶺の花となったオリジナル盤以外では、1993年にリリースされた2トーン・レーベル全てのシングル盤をコンパイルした4枚組CDボックス『The Compact 2 Tone Story』にも収録されていますので、気になる方はチェックしてみてください。そしてサックス・マニアックスが1981年にリリースした隠れた名曲「Never Gonna Lose Me」(乞うCD化!)から、ここ近年にリリースされたもので2トーンやスカへの愛情が群を抜いていると感じたキティ・デイジー&ルイス「I’m So Sorry」やエイミー・ワインハウスの「Hey Little Rich Girl」(スペシャルズのカヴァー)へと繋げました。選曲中盤にはアプレミディ・チャンネルのテイストを考えて、スウェーデンはストックホルムを拠点に活動する女性シンガー・ソングライター、エル・ペロ・デル・マールによるコケティッシュなスカ・ナンバー「Do The Dog」や、深い霧に包まれた柔らかなレゲエのリズムが白日夢へと誘うテイクン・バイ・ツリーズの「Highest High」、ベル&セバスチャンによるスペシャルズを意識したであろうナイスなスカ・ナンバー「The Eighth Station Of The Cross Kebab House」などを選び、さらにABCDEFGと歌われる誰もが知っているアルファベット・ソングを赤ん坊の声をサンプリングしたダブのビートに乗せてさらりと歌う(笑)エリザベス・ミッチェルの「Alphabet Dub」や、キティ・デイジー&ルイスのサード・アルバムからのリード・トラック「Baby Bye Bye」をファーサイドのラップを加えて再構築した「Baby Bye Bye (KDL Slimkid3 From The Pharcyde)」などもこの特集に織り込んで、わたくしなりのアプレミディ感を出してみました。もちろんスペシャルズとマッドネスの作品もそれぞれ「Friday Night, Saturday Morning」と「The Prince」をセレクトし彼らにリスペクトを捧げ、最後にもう一度みんな大好き(笑)フライデイ・クラブの「Window Shopping」のヴォーカル入りヴァージョンをセレクトしてこの特集を締めてみました。そしてアウトロに1990年から活動する名古屋を代表する偉大なスカ・バンド、ルード・プレッシャーズの昨年リリースされたシングル「Rhythm & Blues」より、小粋なインストゥルメンタル・ナンバーである「Daiska」をセレクトして今回の選曲に幕を下ろすのですが、このバンドでヴォーカルを務める山口ツヨシ氏とは付き合いがとても長いんですね。歳は自分の方がはるかに上でわたしが先輩となるのですが、近年は彼にレコードをいただいたりライヴに招待してもらったりと、本当に世話になりっぱなしなんですよ。しかしわたしが彼に対してできることといえば、ここで彼らの作品を紹介すること以外にこれといって何もなく、先輩として誠に情けなく恐縮する次第です……(泣)。

    Dinner-time 日曜日22:00~24:00
    Cafe Apres-minuit 月曜日0:00~2:00

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山本勇樹 Yuuki Yamamoto
  • To Brandileone
    『Eu Sou Outro』
  • 早春の柔らかな陽射しが心地よい季節になりました。新年度や新学期ということで、新しい生活スタイルをスタートする方も多いと思います。不安が入り混じりながらも、何かが始まり動き出していくようなフレッシュな高揚感。ということで今回の選曲も、そんな気持ちを後押ししてくれる、軽やかでポジティヴな楽曲を中心に組んでみました。ブラジリアン・サロン・ジャズのカリーニ・アギアールの新作を筆頭に、アルゼンチンのヴィブラフォンとピアノのデュオ、マルセロ・カサグランデ&マテウス・ゴンサレス、フランスのローレンス・アリソンによるエリス・レジーナのカヴァーも、まさに風が吹き抜けていくような素晴らしさ。その中でも、ぜひピックアップさせていただきたいのがサンパウロのシンガー・ソングライター、ト・ブランヂリオーニの新作より「Desafio」。ピアノとパーカッションとヴォーカルというシンプルなアレンジメントながらも、イントロが鳴った瞬間からぐっと引き込まれる魅力があります。途中の口笛にも思わず心躍る、さりげない名演、そう言わざるをえないくらいこのチャンネルにぴったりの曲だと思います。

    Lunch-time~Tea-time 月曜日12:00~16:00

    bar buenos aires
    Quiet Corner
    橋本徹の『Cafe Apres-midi』15周年対談・前編
    橋本徹の『Cafe Apres-midi』15周年対談・後編

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武田 誠 Makoto Takeda
  • V.A.
    『Accordion Time Voyage』
  • 早春に相応しいと言えば、たとえばジャズ・ハープ奏者ジョニー・トイペンによる『Play Harp』で聴かれるような、クラシック曲を異種ジャンルのアンサンブルで奏でた鮮やかで清々しい響きであったりしますが、今回は何かそんなクラシックのカヴァーをと思い選曲の流れに置いたのは、アコーディオンで奏されるテオドロ・アンゼロッティによる「ゴルトベルク変奏曲」。曲の選出に悩むときたびたび、この楽曲はあの場所でどう美しく鳴るか、と想定してある特定のお店や空間を思い浮かべたりするのですが、そんなささやかながらの想像力が、空間との調和を描く抑制と耳新しい輝きを曲から感じとれることにつながると思うのですが、いかがでしょう? それでは、芽吹きの季節らしい柔らかなパステル・カラーを意識し彩った選曲の流れを楽しんでいただけたら幸いです。

    Lunch-time~Tea-time 火曜日12:00~16:00

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waltzanova
  • Arthur Verocai
    『No Voo Do Urubu』
  • Dom Minasi
    『I Have The Feeling I've Been Here Before』
  • イメージ・カラーはピンクと水色。陽光を浴びてほころび始める花々と、美しいコントラストをなす麗らかな青空。
    この「usen for Cafe Apres-midi」の選曲は、季節と時間というお題をいただき、それにフィットするようにオーダーメイドの選曲を毎シーズンしているのですが、ある季節のイメージというのは自分の中でけっこう固まっているもので、ざっと候補曲を選んでみると例年似たようなテイストのものがある程度集まります。例えば、今回のEarly Spring Selectionで言うと、木もれ陽のように柔らかなフィーリングの女性ヴォーカルものです。春を告げる鳥のさえずりやその麗しい姿のよう、と言えばいいでしょうか、今回ならカリタ・ホルムストレムやローリー・カレンに代表されるメンバーですね。また、楽器で言えばフルートやクラリネットなどの木管楽器、またヴァイオリンやフリューゲルホルンの音色、といったあたり。どれも春の風のように軽やかな質感を持っていて、この季節から着るニットやブラウスのように、さりげなくカラフルに色を加えてくれるものばかりです。
    今回、僕が選んだのは、アルチュール・ヴェロカイの新作『No Voo Do Urubu』です。2007年の『Encore』には奇跡のカムバックというトピックと、それを上回る内容の良さに驚かされましたが、それから9年、またも素晴らしいアルバムを届けてくれました。彼の唯一無二の個性であるサイケデリックで陶酔感のある音響世界は健在。ファースト・アルバムがお好きな方は言わずもがな、ブラジル音楽のファンのみならず手に取っていただきたい一枚です。セウ・ジョルジをゲストに迎えたタイトル曲以降のセクションは、まだ春浅い季節に海岸沿いを歩きながら、というシチュエイションを思って構成してみました(もちろん、あくまで個人的なものなので、リスナーの方にはそれぞれのイメージを抱いていただいて構いません)。潮の匂いがほのかに香る中、遠くに見える水平線を見つめているメロウなウィークデイの午後、という感じです。
    NY出身のジャズ・ギタリスト、ドン・ミナーシの作品も紹介しておきましょう。彼は1970年代に、LAに本拠を移したブルーノート・レーベル(通称BN-LA)に2枚のアルバムを残していますが、あまり取り上げられることはないのではないでしょうか。1975年の作品『I Have The Feeling I've Been Here Before』からの「You’ve Been Away Too Long」は、もちろんマリーナ・ショウの大名作『Who Is This Bitch, Anyway?』の収録曲として知られています。ここでは、作曲者であるベナード・アイグナーがアレンジを担当し、肩の力の抜けたラウンジ風味に仕上げられています。マリンなフルートに続いて爪弾かれるメロディーは、ふとどこか離れたところへと想いを馳せさせます。『Who Is This Bitch, Anyway?』だと「Rose Marie (Mon Cherie)」と繋げると相性が良さそうですよね。この曲以外にも佳曲が収められているので、BN-LAやCTIレーベルのテイストなどがお好きな人にはぜひ推薦したいと思います。この曲に続けての、ポール・ホーンのプレAOR~アコースティック・グルーヴの名曲として知られるバトゥ「High Tide」のメロウ・グルーヴィーなカヴァー、僕の大好きなエレピ・アルバムの一枚であるローリー・ハロウェイの『Cumulus』からの「Corona」の並びはとても気に入っています……とここまで書いてきて、このあたりのテイストというのは橋本徹さんがフリー・ソウル前夜の1993年に編んだBN-LAのコンピレイション『Blue Saudade Groove』と共通するのではないかと気づきました。こんな曲たちを連れて、早く海へと向かいたいですね。

    Lunch-time~Tea-time 水曜日12:00~16:00

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