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J-52 虫の音色

夜、耳を澄ますとどこからともなく聞こえる虫の声。このチャンネルでは、都会ではなかなか聞くことができなくなった四季の移り変わりを告げる、折々の音色を集めてお送りします。虫の音色が創り出すシンシンとした夜の静寂があなたを心地よい癒しへ誘います。朝は小鳥の声(E-16)、夜は虫の音色で自然の暮らしを演出、また安眠用のBGMとしても活用できます。

備考
季節毎(冬~春、夏、秋)に更新
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USEN440

「J-52 虫の音色」に寄せて/池田清彦

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虫の音色の楽しみかた

 日本人には昔から鳴く虫を愛でるという文化がありました。音楽と同じように聞いているのだろうと思いますが、虫の声を聞いて癒されるのは外国人にはあまりない感性ですね。自然のなかで一体化して楽しむというか、外国人には騒音としかとられないようなセミの鳴き声も「夏の風物詩」として捉えたりしますよね。セミの鳴き声が徐々にへってきて、今度は夜になって鳴く虫がでてきます。そうすると、そろそろ秋が近づいてきたなと思うわけです。中秋の名月を見ながら、スズムシとかマツムシが鳴いていたりすると風流だなって感じます。
 季節を感じさせる虫の音色でいうと、春先の3月くらいから「ジーッ」という鳴き声のクビキリギスが最初にでてきて、4月の終わりくらいからいろんな虫が鳴きだします。キンヒバリ、カヤヒバリ、クサヒバリ……「リッリッリッー」とみんな甲高くてきれいな鳴き声ですね。初夏は河原とかでキリギリスが鳴いていますけど、夏の盛りになると「スイーッチョン」と鳴くウマオイや、セツジツユムシなどが鳴きだします。秋の到来を告げるのは、「コロコロコロ」と朗々と鳴くエンマコオロギや、「リーリーリー」とよく響くアオマツムシなど。ツヅレサセコウロギは11月近くまで鳴くので、この虫の声を聞くとだんだんと寒さが身にしみてきます。
 たくさん鳴いているなかから、割と珍しくて、ちょっとだけ鳴いている虫の種類がわかったりするとうれしいですね。アオマツムシが鳴いているなかに、かすかにカンタンが聞こえたり……。今まで聞いたことがない音色を初めて聞くとか、季節ごとにいつも聞いている虫の名前がわかるとか、そういうことも虫の音色の楽しみかたのひとつです。

池田清彦


【プロフィール】
47年東京生まれ。生物学者。山梨大学教育人間科学部教授を経て、同大学名誉教授、早稲田大学国際教養学部教授として著名。専門の生物学分野のみならず、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する著書を多数持つ。現在、週刊朝日で連載中の「池田教授の机上の放論」や、フジテレビ系「ホンマでっか!?TV」をはじめ、新聞、雑誌、TVなどで活躍中。著書に『構造主義生物学とは何か』、『「進化論」を書き換える』、『すこしの努力で「できる子」を作る』などがある。