¥$『VULTURES 1』 / YZY / Digital

Ye/KANYE WESTの新作はTy Dolla Signからなるデュオ、¥$としてアルバムリリース。Nicky Minajが過去の楽曲の使用を却下するなど話題先行の中、無事リリース。Chris Brown、Travis Scottをはじめとしたゲストボーカルが多数参加し、JPEGMafia、Kaytranadaなどが共にプロデュースをつとめるなど、新旧の旬のメンツを揃えた豪華なラインナップ。厳かに始まるM1からスタート、トラップ、R&B、ハウスを網羅する相変わらずのヒップホップ枠を超えつつある全方位展開。Donna Summer / I Feel LoveサンプリングのM14なども聴きどころ満載。

1999 WRITE THE FUTURE『hella (˃̣̣̥╭╮˂̣̣̥) ✧ ♡ ‧º·˚』 / 88rising Records / Digital

アメリカを拠点に、アジアのアップライジングなアーティストを擁する音楽レーベルでありメディア・カンパニーでもある、いま注目の88risingのミュージック・コレクティヴ、1999 WRITE THE FUTUREのデビュー作。BadBadNotGood、Amaarae、Cuco、Eyedressといった若手から、Westside Gun、Conway The MachineさらにはDe La SoulのPosといった重鎮まで、豪華なコラボレーションが完成。ヒップホップ、R&B、ジャズ、ドリームポップまで、ひとつのアーティストとは思えない高クオリティかつカラフルなアルバム。

MILYMA『Only Lovers Left A Lie』 / MILYMA Records / Digital

スペイン人のルーツを持ち、ドイツで生まれ、スイスを拠点とするMILYMAのデビューアルバム。2年間をかけた3枚のシングルリリースののちにリリース。クラシックがルーツでもある彼女だが、全編にわたり、前衛的かつモダンでミステリアスなエレクトロニック・ミュージックと、ささやくようでありながら芯のある美しいヴォーカルが複雑に交錯する、アヴァン・ポップ・アルバム。FKA TWIGS、Tilzahに通ずるダークで甘美な世界観を堪能できる。

Little Simz『DROP 7』 / AWAL Recordings / Digital

UKきってのラッパー、LITTLE SIMZの、2014年から続くEPシリーズ7作目。今回も予告無しのリリースながら、前アルバムもカルトヒットし、数々の賞を獲得していまや世界的アーティストとして名を連ねても、挑戦的な姿勢は健在。アルバムとは趣向を異にするこのEPシリーズだが、今回は最も実験的にしてダンスミュージック寄りのビートを重視したトラックに、多才な彼女の特徴と言えるダークで内面的で詩的な世界を表現している。

Kaah『FÄRGER』 / LBS Productions / Digital

スウェーデンのミュージックシーンにおける重要アーティスト、Kaahのニューアルバム。8曲23分と短めの内容だが、中身はソウル、ポップス、ジャズ、ハウス、グライムを巧みに散りばめた展開で、しっとりと聴かせる前作よりも軽やかで躍動感のあるトラックが多く、緩急のあるよりポップなアルバムになっている。ソウル・キングと呼ばれる彼ならではの抜群の歌声も相変わらずで、M3では特徴である伸びやかなファルセットがひときわメロディアスなトラックを彩る。

Mk.gee『Two Star & the Dream Police』 / R&R / Digital

ニュージャージー出身のSSW、音楽プロデューサー、マルチ楽器奏者であり、Frank Ocean、Dijon、Von Iver、Boy Geniusらとのコラボレーションを重ねてきたMk.geeのスタジオ・デビューアルバム。先行ですでに話題を集めていたシングル「Candy」、「How Many Miles」などを含む全12曲。前作までのドリームポップ感はなりをひそめ、微かにひずんだローファイなシンセ＆ギターのメロディとともに夢の中をさまようようなボーカルはより内省的に、明るさと同時にどこか不安定さを感じる、より研ぎ澄まされたベッドルーム・ポップへと変貌した。必聴。

Kelela『RAVE:N, The Remixes』 / Warp Records / Digital

大ヒットしたKelera / RavenのリミックスアルバムがWarpよりリリース。2023年の同アルバムに参加したLSDXOXO、BAMBII らに加え、Yaeji、Shygirl、Loraine Jamesら旬のメンツが新たに参加し、没入感のあるベースミュージックを基調とした、リミックスというよりリワークと言っていいほどの独創性を発揮した全20トラック。Yasser AbubekerによるMVも併せて公開。雨の東京を背景にKeleraのシルエットが映る「contact」のfuturisticな映像など、こちらも必見。

土・日 20:00～　4時間番組

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