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D-51 ジャズ喫茶いーぐる (後藤雅洋)

東京・四谷にある老舗ジャズ喫茶いーぐるのスピーカーから流れる音をそのままに、店主でありジャズ評論家としても著名な後藤雅洋自身が選ぶ硬派なジャズをお送りします。毎夜22:00~24:00の「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」は、ビギナーからマニアまでが楽しめるテーマ設定で、後藤雅洋が執筆したコラムとともにジャズの魅力をお伝えします。

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月曜日 22:00~ 新譜特集 第20回

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ロン・マイルス
『アイ・アム・ア・マン』
(Muzak)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第155回
新譜特集 第20回(再放送)

今回最初にご紹介する2枚のアルバムは発掘音源です。12月16日より、「私が殺したリー・モーガン」という物騒なタイトルのドキュメンタリー映画が公開されます。タイトルから想像されるように、この映画はリー・モーガンの短くも華やかな生涯を様々な関係者の証言から辿ったジャズ映画です。注目の的となるのは、モーガンを射殺した彼の内縁の妻、ヘレン・モーガンが最晩年に残した唯一のインタビューが登場することでしょう。
こうしたこともあって、このところリー・モーガンがらみの音源が多数登場していますが、私がご紹介する『リー・モーガン~クリフォード・ジョーダン・クインテット・ライヴ・イン・ボルティモア 1968』(SSJ)は、モーガン60年代の貴重な放送音源です。1968年にメリーランド州ボルティモアにあった「ロイヤル・ルームズ」というレストランのラウンジからの中継録音を、イギリスのBBCラジオが英国内で放送した音源で、若干音質に問題が有りますが、そんなことを忘れさせるモーガンの強烈なトランペット・ソロが印象的です。共演のクリフ・ジョーダンのテナー・サックスも極めて快調。
2枚目のアルバムは、マニアの間で話題だったスイス出身のヴォーカリスト兼ピアニスト、エルシー・ビアンキの貴重な未発表音源です。録音は1968年で、フランス語で歌われている「テイク・ファイヴ」が人気を呼びそうです。
3枚目からは本来の新録新譜です。最初に登場するのは、マニアの間で人気のハイテク・ギタリスト、パット・マルティーノ11年ぶりのレギュラー・グループによるアルバム『フォーミタブル』(High Note)です。聴き所は、二人のホーン奏者とオルガン奏者を擁する、チームによるアンサンブルを生かしたマルティーノの落ち着いたリーダーぶりでしょう。
続いて登場するのはLAを拠点とする7人組の新グループ、ホロフォナーのアルバム『ライト・マグネット』(World Galaxy)です。トランペット、トロンボーン、アルトの3管にヴァイブ、そしてリズム・セクションという豪華な編成から繰り出される軽快なサウンドはいかにも西海岸的です。注目すべきは、新人グループにもかかわらず大物ウェイン・ショーターがプロデュースを買って出ているところでしょう。
どうやら、ブルーノートの社長ドン・ウォズが、当初ブルーノートからデビューさせるつもりでショーターに話を持って行ったけれど様々な事情で見送りとなり、ショーターは律義に最後まで面倒を見たということのようです。
ロン・マイルスと言ってもあまりご存知ではないかもしれませんが、彼の新作『アイ・アム・ア・マン』(Muzac)のレコーディング・メンバーが凄い。ビル・フリゼールを筆頭に、ブライアン・ブレイド、ジェイソン・モラン、トーマス・モーガンと、今一番注目されているミュージシャンが勢ぞろいです。マイルスはコルネットを吹いていますが、その音楽性が極めて現代的で、過去の巨匠たちは言うに及ばずクラシックの素養もあり、また近年「アメリカーナ」という言い方で注目されているアメリカ特有の音楽風土の影響も巧みに取り入れているのですね。こうした柔軟性がフリゼール、ブレイドらの共感を呼んだのでしょう。
最後にパリ在住のピアニスト、ステファン・ツアヴィスの新作『ボーダー・ライン』(Crystal)をご紹介しましょう。私はつい最近、サックスの仲野麻紀さんとステファンが共演したライヴを観ましたが、彼のエスニックかつオリジナリティに溢れたピアノ演奏は機知と発見に満ちた斬新なものでした。

【掲載アルバム】
『リー・モーガン~クリフォード・ジョーダン・クインテット・ライヴ・イン・ボルティモア 1968』(SSJ)
ホロフォナー『ライト・マグネット』(Weorld Galaxy)
ロン・マイルス『アイ・アム・ア・マン』(Muzak)

月曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

火曜日 22:00~ マル・ウォルドロン特集

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マル・ウォルドロン
『レフト・アローン』
(Bethlehem)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第116回
マル・ウォルドロン特集 (再放送)

ジャズ・ピアニストには、バド・パウエルやビル・エヴァンス、そしてオスカー・ピーターソンのように、ピアノ・トリオ編成で存分にピアノ・ソロを披露するタイプと、セロニアス・モンクやハービー・ハンコックのように、ホーン奏者をフロントに立たせ、バンド・サウンドとして自分の音楽を提示するタイプに分かれます。
今回ご紹介するマル・ウォルドロンはどちらかというと後者、つまりバンド・サウンド型ということになるのですが、モンクやハンコックほどの強いサウンド・カラーはありません。それは、マルが多くのアルバムを吹き込んだ'50年代プレスティッジ時代、彼はプレスティッジ・レーベルの専属ピアニストのような立場にいたからです。この会社は、同時代のブルーノートのように明確な企画性が無く、とりあえずミュージシャンを集めてセッションを行いアルバム化してしまうような作品もかなりある。そうした場合、マルが狩り出されるというわけです。
こう言ってしまうと何か「いいかげん」な作品という印象を持たれるかも知れませんが、時代が良かった。つまり「ハード・バップ絶頂期」のこの時期、とにかくミュージシャンを集めて演奏させれば、「それなり」に名演が生まれてしまったのです。また、「企画性の無さ」が良い方向に作用するという面もあったのです。それは「ジャズマンの日常性」が自然に浮き彫りになる。
最初にご紹介するアルバム『マル / 2』(Prestige)などはその典型で、《フロム・ジス・モーメント・オン》のジョン・コルトレーンのソロを聴けば、そのことがおわかりになると思います。そしてコルトレーンの次に登場するサヒブ・シハブのアルト・ソロだって、素晴らしいもの。彼のように、あまり知名度の高くないミュージシャンの優れた面がちゃんと記録されているのです。彼らのハード・バップ・セッションが、最後に登場するマルの個性的なソロによって「マルの作品」として形を与えられる。 そして2曲目に収録された《J.M.'s・ドリーム・ドル》の哀愁を帯びたジャッキー・マクリーンのソロがまたいいのですね。コルトレーン・ファンもマクリーン・ファンも満足するハード・バップ名盤がこれなのです。
2枚目のアルバム『マル / 1』(Prestige)でも同じことが言えて、こちらはアイドリース・シュリーマンのトランペットにジジ・グライスのアルト・サックスと、より人選は地味ですが、お聴きなればおわかりのように演奏の充実感は同格です。そして3枚目のアルバムが素晴らしい。エリック・ドルフィーの登場です。ドルフィーとチャールス・ミンガス・バンドで同じ釜の飯を食べた同僚、ブッカー・アーヴィンが参加した『ザ・クエスト』(New Jazz)は、ドルフィー・ファン必聴。ドルフィーの名演『ファイヴ・スポットVol.1』(Prestige)の11日後に録音されたこのアルバムには、ファイヴ・スポットでも演奏されたマルの名曲《ファイアー・ワルツ》が収録されています。アーヴィンの熱演も素晴らしい。
そして極め付き名盤が『レフト・アローン』(Bethlehem)です。晩年のビリー・ホリディの伴奏者を務めたマルが、彼女の死を悼んだ追悼盤。ジャッキー・マクリーンが切々と歌い上げるタイトル曲は絶品。マルがパウエル派ピアニストとしてスタートしたことを思い起こさせるのが、ピアノ・トリオによる名盤『マル / 4』(New Jazz)に収録された《ゲット・ハッピー》です。最後に収録したソロによる珍しいアルバム『オール・アローン』(Globe)は、マルのちょっとセンチメンタルで叙情的な側面が現れた隠れ名盤です。

【掲載アルバム】
マル・ウォルドロン『マル / 2』(Prestige)
マル・ウォルドロン『レフト・アローン』(Bethlehem)
マル・ウィルドロン『アール・アローン』(Globe)  

火曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

水曜日 22:00~ ゲイリー・バートン特集

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ゲイリー・バートン
『アローン・アット・ラスト』
(Atlantic)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第105回
ゲイリー・バートン特集(再放送)

1967年に録音されたゲイリー・バートンのアルバム『ダスター』(RCA)は、60年代ジャズシーンに大きな衝撃を与えました。今ではごく普通のジャズとして聴けるこの演奏も、当時のジャズファンはラリー・コリエルのギター演奏にうかがえるロックの影響を声高に語り合ったものです。面白いことに、このアルバムはジャズ喫茶とロック喫茶の両方でかかる数少ないアルバムでした。
ロック寄りのミュージシャンというゲイリー・バートンのイメージが大きく変ったのが、1971年に録音されたアルバム『アローン・アット・ラスト』(Atlantic)です。ヴァイブ・ソロという極めて珍しいフォーマットによる、それまでのジャズには無い新鮮な響きをファンは大歓迎しました。「いーぐる」でも、アナログ盤が擦り切れるほどリクエストがあったものです。もちろん内容も素晴らしく、バートンの代表作に挙げられる名盤です。 そんなバートン像がまた大きく変ったのが、1972年にリリースされたヴァイオリン奏者ステファン・グラッペリとの共演作『グランド・エンカウンター(邦題・パリのめぐり逢い)』(Atlantic)でした。ジャンゴ・ラインハルトとも共演したフランス・ジャズ界の重鎮を向こうに回し、自在にマレットを操るバートンの音楽性の幅広さに私たちは驚かされたのです。
そして録音年月日を見てファンは再び驚きました。なんと、このアルバムはバートンがままだロックの影響圏にいると思われていた1969年に録音されていたのです。 しかしなんと言ってもジャズファンの間でバートンの名声が確立したのは、一連のチック・コリアとの共演作でしょう。ピアノとヴァイブのデュオという極めて斬新な組み合わせから、思いもかけない素晴らしい世界が展開されたのです。『チック・コリア・アンド・ゲイリー・バートン・イン・コンサート』(ECM)は、ライヴならではのスリリングな展開が聴き所。名演にして名盤です。
今をときめく大スター、パット・メセニーはゲイリー・バートンに見出されジャズシーンにデビューしました。1989年に録音された『リユニオン』(GRP)は、師弟の再会セッションとも言うべきアルバムで、バートンはメセニーをフィーチャーし脇に回った印象がありますが、息の合った演奏は実に心地よい。
バートンが生粋のジャズマンであることを改めて感じさせたのが1996年に録音された『ディパーチャー』(Concord)です。マイルスが影響を受けたというジャズピアニスト、アーマッド・ジャマルの名演で有名な《ポインシアーナ》を、バートンは淡々としかし心を込めて演奏しています。美しい曲想を殺すことなく自らの音楽性を表現している。こうした演奏は、ジャズという音楽のエッセンスを身に付けたミュージシャンだからこそ出来るワザなのです。
そして彼がジャズ・ヴァイブの伝統に連なっていることを示したのが、2000年に録音された『グレイト・ヴァイブス~ハンプ・レッド・バグス・カルに捧ぐ』(Concord)です。ライオネル・ハンプトン、レッド・ノーヴォ、ミルト・ジャクソン、カル・ジェイダーといったヴァイブ奏者たちにちなんだ名曲を取り上げ、先人たちに敬意を表しています。今回はミルト・ジャクソンの曲《バグス・グルーヴ》と、レッド・ノーヴォの演奏で知られた《ムーヴ》を収録いたしました。

【掲載アルバム】
ゲイリー・バートン『アローン・アット・ラスト』(Atlantic)
『チック・コリア・アンド・ゲイリー・バートン・イン・コンサート』(ECM)
ゲイリー・バートン『ディパーチャー』(Concord)

水曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

木曜日 22:00~ オスカー・ピーターソン特集

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オスカー・ピーターソン
『フランク・シナトラの肖像』
(Verve)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第129回
第7回 オスカー・ピーターソン(再放送)

オスカー・ピーターソンは前回の巨人、バド・パウエルとは対照的なピアニストです。若干気難しいところもあるパウエルに比べ、ごくふつうの音楽ファンにも受け入れられるポピュラリティがピーターソン人気の秘密でしょう。それを支えるのは、圧倒的なピアノの演奏技術と快適なリズム感によって生み出される、陽気な音楽性です。
パウエルに限りませんが、どちらかというと「ブルージー」という言い方に象徴されるちょっとダークなテイストがジャズの魅力でもあるのですが、人種差別が希薄なカナダ生まれということもあるのか、ピーターソンの音楽はとことん陽気。
冒頭に収録したのは、ロンドン・ハウスでのライヴ・レコーディング。「ロンドン・ハウス」というとイギリス録音かと思いきや、場所はシカゴ。サイドマンはピーターソンに長年付き従ったレイ・ブラウンとエド・シグペンの黄金のトリオ。「ザ・トリオ」とまで呼ばれただけあって息の合い具合は完璧。ライヴという寛いだ雰囲気の中でピーターソンの魅力が全開です。選曲も「アイ・リメンバー・クリフォード」「枯葉」など良く知られたナンバーで、まさにライヴ名盤と言っていいでしょう。
ピーターソンというと弾きまくる印象が強いですが、ピーターソンが一目置いていた大歌手フランク・シナトラの愛唱曲を弾く「フランク・シナトラの肖像」(Verve)は実に趣味の良いアルバムです。メンバーは例のザ・トリオですが、こちらはパリでのレコーディング。先入観かもしれませんが、演奏全体から醸しだされる雰囲気がどこかお洒落。あまり言及されませんが、これもまたピーターソンの一面を切り取った名演です。それにしても選曲の趣味がいいですねえ。
ピーターソンはヴァーヴ・レコードのオーナー・プロデューサーであるノーマン・グランツに見出されので、彼の主催するJATPで名のあるホーン奏者たちとの共演はお手のもの。「オスカー・ピーターソン・トリオ+ワン」(Mercury)は、クラーク・テリーを迎えたワン・ホーン・セッション。
 さきほど、ジャズマンは黄昏感覚というかマイナー調を持ち味とする人が多いと書きましたが、クラーク・テリーは例外。独特の笑っているような陽気なトランペットは、ピーターソンの明るいキャラクターと実に良くフィットしています。 60年代後半、ピーターソンはそれまで長く在籍していたヴァーヴを離れ、当時の西ドイツMPSレーベルに移籍します。これはピーターソンに新境地をもたらしました。それはファンにとっても同じで、とりわけMPSの鮮明なピアノ録音はピーターソンのピアノ・テクニックをよりリアルに感じさせてくれます。「ガール・トーク」はその中でも人気の高かったアルバム。
MPSは好企画が多く、「ハロー・ハービー」は昔の仲間ハーブ・エリスを迎えた快適なギター・カルテット。ピーターソンならではのドライヴ感がエリスの参加で一層魅力を増しています。同じく「顔合わせ企画」の名盤が「リユニオン・ブルース」。こちらはヴァイヴのミルト・ジャクソンを迎えたカルテットですが、ピーターソンのキャラクターに合わせたのか、いつもはブルージーなミルトがのりのりですね。とてもあの「M.J.Q.」と同じ楽器編成の演奏とは思えません。もちろんピーターソンのピアノも絶好調。これもまた折り紙つきの名盤でしょう。

【掲載アルバム】
オスカー・ピーターソン『ライヴ・アットザ・ロンドン・ハウス』(Verve)
オスカー・ピーターソン『フランク・シナトラの肖像』(Verve)
オスカー・ピーターソン『リユニオン・ブルース』(MPS)

木曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

金曜日 22:00~ 新譜特集 第14回

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ビアンカ・ジスモンチ
『プリメイロ・セウ』
(Fina Flor)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第149回
新譜特集 第14回(再放送)

今回冒頭に収録したのは、ピアニストのビアンカ・ジスモンチが2015年にリリースしたアルバム『プリメイロ・セウ』(Fina Flor)で、初のピアノ・トリオ作品。父親のエグベルト・ジスモンチもそうでしたが、彼女の音楽にはクラシックの素養が感じられます。もともとブラジルの音楽界は、クラシックとポピュラー・ミュージックがさほど距離を取らずに共存していることもあって、ビアンカの音楽もクラシック的な要素とジャズがごく自然に溶け合ったサウンドが心地よいですね。
2枚目もブラジリアン・ミュージシャンのアルバムです。先月来日公演を行った、カート・ローゼンウィンケルのカイピ・バンドでパーカッションを担当したアントニオ・ローレイロが、今回はヴィブラフォンで同じくブラジルの若手ヴァイオリニスト、ヒカルド・ヘルスとデュオで吹き込んだアルバム『Herz E Loureiro』(Boranda)です。変わった楽器編成ですが、聴くほどに味わいが増すアルバム。ジャズという音楽ジャンルの懐の広さを改めて気付かせてくれますね。
3枚目はバークリーに学びニューヨークで活動するピアニスト、大林武司が初めてピアノ・トリオで放つ新譜です。タイトルは『マンハッタン』(Somethin’ else)。サイドが豪華で、1曲目がホセ・ジェームスのドラマーとして来日公演も行った名手ネイト・スミスがドラムスを担当。そして2曲目は女性ドラマーとして知られたテリ・リン・キャリントン。こうした人選からもわかるように、彼のピアノ・トリオは現代ジャズの流れに沿った切れの良いリズムに乗った流れるようなラインが聴き所です。
前半3枚は新録作品でしたが、後半の3枚は発掘音源です。最初はジャコ・パストリアス率いるビッグ・バンド「ワード・オブ・マウス」82年のニューヨーク録音で、アルバム・タイトルは『ライヴ・イン・ニューヨーク』(Resonance)。。1曲目はおなじみの「インヴィテーション」。ジャコのベースの切れ味が素晴らしい。ちなみにジャコはウエザー・リポートでのデビューが印象的でしたが、それ以前からビッグ・バンドに参加しており、バンド・サウンドと共にベースを演奏することが根っから好きだったようです。ジャコの演奏する喜びが伝わってくるようですね。
発掘音源の2枚目は、ウィントン・ケリー・トリオにゲストでウエス・モンゴメリーが参加した、ライヴ・アット・ザ・ペントハウス1966とサブタイトルが付いたアルバム『スモーキン・イン・シアトル』(Resonance)です。極め付き名盤『フル・ハウス』(Riverside)や『スモーキン・アット・ザ・ハーフ・ノート』(Verve)で知られているように、ケリーとウェスはたいへん相性のいい組み合わせ。
また、ケリーはマイルス・バンドのサイドマンとしての名演はじめ、多くのハードバップ・セッションでの好サポートが知られていますが、ピアノ・トリオでの演奏は思いのほか少ないのですね。この発掘盤はケリーのトリオ演奏とウェスとの共演がバランスよく収録されており、そういう意味でも要注目です。
そして最後は大御所ビル・エヴァンス晩年の発掘盤『オン・ア・マンディ・イヴニング』(Fantasy)です。録音は1976年で、サイドはエディ・ゴメスにエリオット・ジグムンド。演奏の出来は極めてよく、また音質も全く問題ありません。エヴァンス・ファンなら必聴のアルバムと言っていいでしょう。

【掲載アルバム】
ビアンカ・ジスモンチ『プリメイロ・セウ』(Fina Flor)
ウェス・モンゴメリー / ウィントン・ケリー『スモーキン・イン・シアトル』(Resonance)
ビル・エヴァンス『オン・ア・マンディ・イヴニング』(fantasy)

金曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

[Recommend!] 土・日曜日 22:00~  新譜特集 第25回

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ライアン・ポーター
「ジ・オプティミスト」
(Rings)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第160回
新譜特集 第25回

最初にご紹介するアルバムは、トロンボーン奏者ライアン・ポーターの2枚組CD「ジ・オプティミスト」(Rings)です。彼は今話題のサックス奏者、カマシ・ワシントンのグループのメンバーで、このアルバムにカマシも参加しており、彼の特徴的なソロが楽しめます。
聴き所の第一は、西海岸を拠点とするバンドらしい明るいサウンドと、アンサンブル・パートとソロの有機的結びつきですね。興味深いのは、このアルバムがカマシの両親のガレージに作られた狭い演奏スペースで録音されたことででしょう。カマシやライアンは子供の頃からこのガレージをたまり場として育ち、その場所が次第に彼らのスタジオとなったのです。演奏から醸し出される親密な雰囲気は、そうした「場」がもたらしたものと言えるでしょう。
2枚目のアルバムは、オルガン・ジャズの巨匠ロニー・リストン・スミスによる2年ぶりの作品「オール・マイ・マインド」(Blue Note)です。スミスのレギュラー・グループ、ギターのジョナサン・クライスバーグとドラムスのジョナサン・ブレイクによるトリオ演奏で、2017年に行われたスミス生誕75周年記念ライヴの模様が収録されています。ウェイン・ショーターの名曲「ジュジュ」に始まる演奏は聴くほどに味わいが増す好演で、オルガンとギター・サウンドの相性の良さ、レギュラー・チームならではの親密な気分が聴き所です。
90年代に一時代を築いたクラブ・カルチャーの元祖、ユナイテッド・フューチャー・オーガニゼーションU.F.O.のメンバー松浦俊夫による初の自己名義アルバム「Loveplaydance」(Universal)が発売されました。アシッド・ジャズのDJでありトーキング・ラウド・レーベルの設立者として知られるジャイルス・ピーターソンを監修者に迎え、ロンドンのミュージシャンを起用し、松浦のDJとしての記念碑的ナンバーが収録されています。心地よいサウンドは今でも新鮮です。
そしてこうした良い意味での「心地よい気分」を醸し出す音楽の大家、キップ・ハンラハン久しぶりの新譜「Crescent Moon Waxing」(American Clave)が届きました。不思議なのは、良く知られたちょっと退廃的気分を醸し出すハンラハン・スタイルはまったく変わっていないのですが、それが21世紀の今でも極上の音楽として響くのですね。ラテン・タッチのリズムにかぶさるけだるい女性ヴォーカル、その背後で鳴るサックスの響き、すべてが「今まで通り」でありながら古さを感じさせないのは、ハンラハンの音楽観が決して流行に左右されない骨太なものだからなのではないでしょうか。
今回私が一番興味を持った作品は、ブラッド・メルドーがバッハに挑戦した「アフター・バッハ」(Nonesuch)でした。私がジャズを聴き始めた1960年代、一部のマニアックなジャズ・ファンの間でグレン・グールドが演奏するバッハの鍵盤楽曲が熱心に聴かれていました。彼らはバッハとジャズの間に何かしら繋がりを聴き取っていたようなのです。 今回のメルドーのアルバムでは、バッハの鍵盤楽曲とそれにインスパイアーされたメルドーの演奏が交互に演奏されています。私はクラシック評論家ではないので詳しく説明することは出来ませんが、確かにバッハの音楽とジャズの即興演奏の間には共通する要素があるようです。それは本来バッハ自身が優れた即興演奏家だったことと関係があるのかもしれません。
そして最後を締めくくるのはキース・ジャレットの「アフター・ザ・フォール」(ECM)です。このアルバムは病気で休養中のキースが温めていたスタンダード演奏で、「バウンシング・ウィズ・バド」「ドキシー」といったバップ時代の名曲を採り上げています。

【掲載アルバム】
ライアン・ポーター「ジ・オプティミスト」(Rings)
キップ・ハンラハン「Crescent Moon Waxing」(American Clave)
ブラッド・メルドー「アフター・バッハ」(Nonesuch)

土・日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

インフォメーション

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■ジャズ喫茶リアル・ヒストリー/後藤雅洋
発売中/河出書房新社/ISBN 978-4-309-27067-8

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