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D-51 ジャズ喫茶いーぐる (後藤雅洋)

東京・四谷にある老舗ジャズ喫茶いーぐるのスピーカーから流れる音をそのままに、店主でありジャズ評論家としても著名な後藤雅洋自身が選ぶ硬派なジャズをお送りします。毎夜22:00~24:00の「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」は、ビギナーからマニアまでが楽しめるテーマ設定で、後藤雅洋が執筆したコラムとともにジャズの魅力をお伝えします。

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月曜日 22:00~ 新譜特集 第9回

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第144回
新譜特集 第9回(再放送)

今年の春から「新譜特集」をはじめたのは、ここ数年ジャズ・シーンが眼に見えて活性化し、興味深い新譜、新人が次々と現れたからです。その波は当然日本のミュージシャンにも及び、このシリーズでもご紹介した今や大物の貫禄を備えた上原ひろみの傑作『Spark』(Telark)や、黒田卓也の新作『ジグザガー』(Concord)、そしてアメリカを拠点に活躍しているBigyukiの『グリーク・ファイアー』(Universal)など、枚挙に暇がありません。 今回最初にご紹介するアルバム『Initial Stage』(ラッツパック)は、サックス・プレイヤー木村広人率いるエナジーヴォイドというグループによる彼の初リーダー作。ギター入りクインテットというオーソドックスな楽器編成ながら、演奏から溢れる熱気、意欲はただものではありません。ギターの勝田弘和のソロも良く、今注目の新グループと言えるでしょう。
また、アルバム制作の現場でも意欲的な試みが成されています。今やシリーズ雑誌「ジャズ・ザ・ニュー・チャプター」で有名な柳樂光隆の新レーベル、JTNCの第一作『Padre』(JTNC)は、南米コロンビア出身の女性シンガー、ピアニスト、コンポーザー、イシス・ヒラルドの不思議な雰囲気を湛えた作品。ライナー・ノートによると、音楽評論家、高橋健太郎の持ち込み音源で、カテゴライズが難しい種類の音楽とも言えますが、こういうものがジャズファンに届くのはいいことだと思います。というか、「ジャズ」は今やあらゆる音楽ジャンルを大きく包み込むような役割を果たしつつあるようですね。 3枚目に収録したアルバムは、最近来日したオーストリアのギタリスト、ウォルフガング・ムースピールのECMからの新譜『ライジング・グレース』です。聴き所はピアニスト、ブラッド・メルドー、トランペッター、アンブローズ・アキシムシーレ、そしてドラムスにはブライアン・ブレードという豪華なサイドマンたちの参加でしょう。ムースピールの新生面が現れた作品と言えそうです。
ユニークなヴォーカルが炸裂する『Autour Chet』(Verve)は、好評のチェット・ベイカーの伝記的映画『ブルーに生まれついて』にちなんだ作品で、多くの歌手、ミュージシャンが参加し、チェットにちなんだ楽曲を披露しています。ちょっと気だるく、しかしお洒落な雰囲気が気になるアルバムですね。 ピアノのミシェル・カミロとフラメンコ・ギターのTomatitoのデュオ・アルバム『スペイン・フォエヴァー』(Universal)は、エグベルト・ジスモンチ、チャーリー・ヘイデン、アストル・ピアソラ、そしてエリック・サティなどの作品をじっくりと聴かせる傑作です。
そして最後に収録したのは、天才少年ピアニストとして話題のジョーイ・アレキサンダーの新作『カウントダウン』(Victor)です。私たちは、ジャズはある程度大人でないとその味わいは表現できないのではないかと思いがちですが、彼の演奏を聴くとそれは思い込みであることが実感されます。 特にテクニックに走った演奏という訳ではなく、オーソドックスながら新鮮なピアノ演奏として十分評価できますね。「処女航海」でクリス・ポッターがゲスト参加しているのも注目ポイントでしょう。

【掲載アルバム】
木村広人『Initial Stage』(ララパック)
イシス・ヒラルド『Padre』(JTNC)
ミシェル・カミロ『Spain Forever』(Universal)

月曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

火曜日 22:00~  ゲイリー・バートン特集

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第105回
ゲイリー・バートン特集(再放送)

1967年に録音されたゲイリー・バートンのアルバム『ダスター』(RCA)は、60年代ジャズシーンに大きな衝撃を与えました。今ではごく普通のジャズとして聴けるこの演奏も、当時のジャズファンはラリー・コリエルのギター演奏にうかがえるロックの影響を声高に語り合ったものです。面白いことに、このアルバムはジャズ喫茶とロック喫茶の両方でかかる数少ないアルバムでした。
ロック寄りのミュージシャンというゲイリー・バートンのイメージが大きく変ったのが、1971年に録音されたアルバム『アローン・アット・ラスト』(Atlantic)です。ヴァイブ・ソロという極めて珍しいフォーマットによる、それまでのジャズには無い新鮮な響きをファンは大歓迎しました。「いーぐる」でも、アナログ盤が擦り切れるほどリクエストがあったものです。もちろん内容も素晴らしく、バートンの代表作に挙げられる名盤です。 そんなバートン像がまた大きく変ったのが、1972年にリリースされたヴァイオリン奏者ステファン・グラッペリとの共演作『グランド・エンカウンター(邦題・パリのめぐり逢い)』(Atlantic)でした。ジャンゴ・ラインハルトとも共演したフランス・ジャズ界の重鎮を向こうに回し、自在にマレットを操るバートンの音楽性の幅広さに私たちは驚かされたのです。
そして録音年月日を見てファンは再び驚きました。なんと、このアルバムはバートンがままだロックの影響圏にいると思われていた1969年に録音されていたのです。 しかしなんと言ってもジャズファンの間でバートンの名声が確立したのは、一連のチック・コリアとの共演作でしょう。ピアノとヴァイブのデュオという極めて斬新な組み合わせから、思いもかけない素晴らしい世界が展開されたのです。『チック・コリア・アンド・ゲイリー・バートン・イン・コンサート』(ECM)は、ライヴならではのスリリングな展開が聴き所。名演にして名盤です。
今をときめく大スター、パット・メセニーはゲイリー・バートンに見出されジャズシーンにデビューしました。1989年に録音された『リユニオン』(GRP)は、師弟の再会セッションとも言うべきアルバムで、バートンはメセニーをフィーチャーし脇に回った印象がありますが、息の合った演奏は実に心地よい。
バートンが生粋のジャズマンであることを改めて感じさせたのが1996年に録音された『ディパーチャー』(Concord)です。マイルスが影響を受けたというジャズピアニスト、アーマッド・ジャマルの名演で有名な《ポインシアーナ》を、バートンは淡々としかし心を込めて演奏しています。美しい曲想を殺すことなく自らの音楽性を表現している。こうした演奏は、ジャズという音楽のエッセンスを身に付けたミュージシャンだからこそ出来るワザなのです。
そして彼がジャズ・ヴァイブの伝統に連なっていることを示したのが、2000年に録音された『グレイト・ヴァイブス~ハンプ・レッド・バグス・カルに捧ぐ』(Concord)です。ライオネル・ハンプトン、レッド・ノーヴォ、ミルト・ジャクソン、カル・ジェイダーといったヴァイブ奏者たちにちなんだ名曲を取り上げ、先人たちに敬意を表しています。今回はミルト・ジャクソンの曲《バグス・グルーヴ》と、レッド・ノーヴォの演奏で知られた《ムーヴ》を収録いたしました。

【掲載アルバム】
ゲイリー・バートン『アローン・アット・ラスト』(Atlantic)
『チック・コリア・アンド・ゲイリー・バートン・イン・コンサート』(ECM)
ゲイリー・バートン『ディパーチャー』(Concord)

火曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

水曜日 22:00~ ウェス・モンゴメリー特集

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第94回
ウェス・モンゴメリー特集(再放送)

今回は、天才ジャズギタリストの名をほしいままにしたウェス・モンゴメリーの名盤の数々をご紹介いたします。ウェスは、オクターブ離れた音を同時に弾く“オクターブ奏法"や、コードでフレーズを表現する“コード奏法"、そしてピックを使わず、親指をタコのようにくねらせて弦をはじく独特のギター奏法など、超絶技巧の限りを尽くして演奏を展開しました。
しかし、彼の凄いところは、それらとてつもないテクニックを極めて自然に披露すると同時に、そうした演奏技術が音楽を心地よくファンに伝えるための実に効果的な手段となっているところです。つまり、単なる“テクニックのためのテクニック"に終わってはいないのです。
まず最初にご紹介するのは、泣く子も黙るウェスの名盤『フル・ハウス』(Riverside)。ほとんど初顔合わせに近いテナー奏者ジョニー・グリフィンとの、まるでレギュラー・グループであるかのような息の合い方は尋常ではありません。また、ライヴであるにもかかわらず、無駄なフレーズや冗長な部分がほとんど無いのは驚くべきこと。サイドのピアノ、ウィントン・ケリーのソロも絶品です。
ウェス・モンゴメリーにはベース奏者の兄、モンク・モンゴメリーと、ピアノ、ヴァイブ奏者の弟、バディ・モンゴメリーがいます。彼ら3兄弟が共演した『グルーヴ・ヤード』(Riverside)は、まさに“グルーヴィ"な演奏が満喫できるモンゴメリー・ブラザースの代表作にして、実に渋い名盤です。家族ならではの親密な気分が心地よい。
ビートルズ・ナンバーを取り上げ大ヒットとなった『ア・ディ・イン・ザ・ライフ』(A&M)は、1960年代ジャズ喫茶でも大人気でした。連日リクエストが掛かり、アナログ盤が擦り切れたほどです。このアルバム成功の秘密は、プロデューサー、クリード・テイラーの慧眼と、ドン・セベスキーの巧みなアレンジに大きく負っていると思います。
ミスター、ソウル、ヴァイブのミルト・ジャクソンと共演した『バグス・ミーツ・ウェス』(Riverside)は地味なアルバムですが、しみじみとした味わいが聴きどころ。ウェスの暖かいギター・サウンドが深みのあるヴァイブの響きと実に気持ちよくブレンドされています。隠れ名盤と言っていいのでは…
そして、オルガンジャズの帝王、ジミー・スミスと共演した『ダイナミック・デュオ』(Verve)は、オリバー・ネルソンの豪快なアレンジによるバック・サウンドから浮かび上がる二人の応酬が素晴らしい。大物どうしの顔合わせが見事決まった快演です。 このようにウェスはさまざまなミュージシャン、楽器と共演し、それぞれ傑作を残していますが、冒頭にご紹介した『フル・ハウス』でもサイドを務めたピアニスト、ウィントン・ケリーのノリの良いピアノとの相性は抜群です。名曲《ユニット7》や《フォー・オン・シックス》で見せる二人の交換はまさに絶品。
そして最後は、ウェスの超絶技巧の集大成とも言うべき代表作『ジ・インクレディブル・ジャズ・ギター・オブ・ウェス・モンゴメリー』(Riverside)です。オクターブ奏法、コード奏法といったハイテクニックが惜しげもなく披露され、それらがごく自然な形で演奏効果に貢献する、技術と音楽の理想的融合が実現した名盤です。サイドのピアノ、トミー・フラナガンとケリーを聴き比べてみるのも一興でしょう。

【掲載アルバム】
ウェス・モンゴメリー『フル・ハウス』(Riverside)
ウィントン・ケリー『スモーキン・アット・ハーフノート』(Verve)
ウェス・モンゴメリー『ジ・インクレディブル・ジャズ・ギター・オブ・ウェス・モンゴメリー』(Riverside)

水曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

木曜日 22:00~ ブッカー・アーヴィン特集

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第118回
ブッカー・アーヴィン特集(再放送)

ブッカー・アーヴィンはその実力の割にはいまひとつ知名度が低いように思います。というか、ほんとうにジャズが好きな人は黙って聴いている、という感じでしょうか。ハード・バップ・テナー奏者としては、デクスター・ゴードンやジョニー・グリフィンらと互角に渡り合える実力がありながら、あまり話題にならない。もしかするとそれは、彼のリーダー作の多くがプレスティッジ・レーベルから出ていることと関係があるのかな、などと思ってみたりもします。
つまり、ブルーノートなどに比べ、系統的に作品が論じられることが少なかったプレスティッジは、相対的に契約ミュージシャンについての情報が不足がちだったということが言えるのかも知れませんね。加えて、1970年にわずか39歳の若さでアーヴィンが病死してしまったことも大いに影響しているでしょう。もし存命だったなら、それこそゴードンやグリフィンが70年代ハードバップ・リバイバルのスターとして大活躍したように、大いにアーヴィンにも出番があったはずなのです。
アーヴィンの魅力は、何といってもその奔放かつパワフルなテナー・サウンドにあります。一聴しただけで「これはアーヴィンだ」とわかる特徴的なトーンはアーヴィンならでは。彼の代表作にしてワンホーン・テナー・カルテットの名演『ザ・ソング・ブック』(Prestige)は、吹きまくりテナーが好きなファンなら絶対のオススメ盤。サイドマンも名手揃いで、とりわけ、端正なトミー・フラナガンのピアノがブロー・テナー、アーヴィンと絶妙のバランスを見せています。また、アーヴィンと相性の良いドラマー、アラン・ドウソンの切れの良いドラミングも効いている。
極めてオーソドックスなハードバップだった『ザ・ソング・ブック』に比べ、同じワンホーン・カルテットでも、サイドがジャッキー・バイアードになると微妙に雰囲気が変わってきます。エキゾチックなムードを湛えた曲想といい、バイアードの乱れ打ちピアノといい、『ザ・フリーダム・ブック』(Prestige)はかなり異色。しかしこれもアーヴィンの持ち味なのです。
アーヴィンの凄いところはどんな相手とも勝負できるところ。白人テナーの雄、ズート・シムスを共演者に迎えた『ザ・ブック・クックス』(Bethlehem)は、ファンキーな気分が横溢した名盤。このアーシーな気分を支えているのは、ジョージ・タッカーのベースとダニー・リッチモンドのドラムスの名コンビ。そして、ジミー・オウエンスのトランペットにトロンボーンを加えた、豪華3管セクステットによる『へヴィー』(Prestige)は、場の気分を盛り上げるのに最適。
これだけのテナーですから、当然「バトルもの」でも充分ファンを堪能させてくれます。元祖テナー・バトルの雄、デクスター・ゴードンとの20分にも及ぼうとする『セッティング・ザ・ペース』(Prestige)は、豪快なテナー・バトルを好む方なら絶対に好きになるはず。そして最後にご紹介するのは、これも名盤の誉れ高い『ザッツ・イット』(CANDID)。それにしても、シンプルなワン・ホーンで聴き手を飽きさせないのは、奔放なように見えて歌心もタップリ供えたアーヴィンの絶妙なバランス感覚に負っていると言えるでしょう。吹きまくりでありながら「聴き疲れ」しないのは、アーヴィンのフレーズが思いのほか柔軟性実に富んでいるからなのです。

【掲載アルバム】
ブッカー・アーヴィン『ザ・ソング・ブック』(Prestige)
ブッカー・アーヴィン『ザ・ブック・クックス』(Bethlehem)
ブッカー・アーヴィン『ザッツ・イット』(CANDID)

木曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

金曜日 22:00~ 新譜特集 第3回

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第138回
新譜特集 第3回(再放送)

今年新春の「ブルーノート東京」での公演がたいへん好評だった新人トランペッター、クリスチャン・スコットの新たなメンバーによる新作『Stretch Music』(Ropeadope)は、切れの良いリズムとアンサンブル・サウンドがたいへん心地よい傑作です。それにしても, 鮮烈な赤が印象的なジャケットに写る変形トランペットは、まるで「知恵の輪」みたいですね(笑)。
話題のグループ「スナーキー・パピー」の『ファミリー・ディナーVol.2』(Ground Up)は、冒頭に収録した《アイ・アスクト》のベッカ・スティーヴェンスはじめ、多彩なゲストが魅力です。2曲目《モリノ・モレノ》にはギターのチャーリー・ハンター、南米の女性歌手スサーナ・バカが参加しています。エキゾチックな味わいが聴き所。そして3曲目《リキッド・ラヴ》は男性ソウル・シンガー、クリス・ターナーがフィーチャーされたファンク・ナンバー。このように「スナーキー・パピー」は、ゲストのテイストに合わせて万華鏡のように音楽の表情を変えるつつも、バンドとしての音楽的統一感は見事に保たれているところが素敵ですね。
若手ピアニスト、Julien Shoreの新譜『Which Way Now』(Tone Rough Record)は、聴き手の想像力を刺激するサウンドが新鮮です。ピアノの響きも美しさと力強さがうまい具合に共存しています。
つい最近80歳の誕生日を迎えたカーラ・ブレイの新作『Andand el Tiempo』(ECM)は、アンディ・シェパードのサックスと、長年の相棒であるスティーヴ・スワローのベースのみを従えたシンプルなトリオ編成です。それにしても、彼女の衰えを見せない旺盛な音楽的想像力にはまさに脱帽です。静けさの中にもエネルギー感を秘めたピアノのタッチも驚き。
Fractal Limit 『Hand In Hand』(自主制作)は、多くのアルバムに参加しているブラジルの人気歌手、タチアナ・バードとアルメニアのピアニスト、ヴァルダン・オヴセピアンによるデュオ作品です。かなり異色ですが、聴くほどに味わいが増す素晴らしいアルバムです。
タチアナの情感溢れるヴォイスと、クールで理知的なヴァルダンの組み合わせが不思議な魅力を醸し出しているのですね。こうしたアルバムに象徴されるように、現代ジャズ・シーンはまさにジャンル横断的、そして文字通り国境、地域を越えてさまざまな音楽が混ざり合い、新たなシーンが産み出されているのです。
そして最後に収録したチック・コリアと小曽根真のデュオ・アルバム『Chick & Makoto –Duets』(Verve)は、チックと小曽根のこれまでの共演作品を1枚にまとめたコンピレーションですが、未発表の即興演奏トラックが収録されています。
それにしても、二人のせめぎ合いのスリル、そしてそこからうまれるジャズならではの醍醐味は筆舌に尽くしがたいものがあります。良く知られた《ブルー・ボッサ》や《ラ・フィエスタ》も素晴らしいのですが、即興演奏がぶつかり合う《Duet Improvisation Vol.4》の緊張感もたまりません。

【掲載アルバム】
スナーキー・パピー『ファミリー・ディナーVol.2』(Ground Up)
Flactal Limit 『Hand To Hand』(自主制作)
チック・コリア&小曽根真『Chick & Makoto-Duets』(Verve)

金曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

[Recommend!] 土・日曜日 22:00~  新譜特集 第14回

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第149回
新譜特集 第14回

今回冒頭に収録したのは、ピアニストのビアンカ・ジスモンチが2015年にリリースしたアルバム『プリメイロ・セウ』(Fina Flor)で、初のピアノ・トリオ作品。父親のエグベルト・ジスモンチもそうでしたが、彼女の音楽にはクラシックの素養が感じられます。もともとブラジルの音楽界は、クラシックとポピュラー・ミュージックがさほど距離を取らずに共存していることもあって、ビアンカの音楽もクラシック的な要素とジャズがごく自然に溶け合ったサウンドが心地よいですね。
2枚目もブラジリアン・ミュージシャンのアルバムです。先月来日公演を行った、カート・ローゼンウィンケルのカイピ・バンドでパーカッションを担当したアントニオ・ローレイロが、今回はヴィブラフォンで同じくブラジルの若手ヴァイオリニスト、ヒカルド・ヘルスとデュオで吹き込んだアルバム『Herz E Loureiro』(Boranda)です。変わった楽器編成ですが、聴くほどに味わいが増すアルバム。ジャズという音楽ジャンルの懐の広さを改めて気付かせてくれますね。
3枚目はバークリーに学びニューヨークで活動するピアニスト、大林武司が初めてピアノ・トリオで放つ新譜です。タイトルは『マンハッタン』(Somethin’ else)。サイドが豪華で、1曲目がホセ・ジェームスのドラマーとして来日公演も行った名手ネイト・スミスがドラムスを担当。そして2曲目は女性ドラマーとして知られたテリ・リン・キャリントン。こうした人選からもわかるように、彼のピアノ・トリオは現代ジャズの流れに沿った切れの良いリズムに乗った流れるようなラインが聴き所です。
前半3枚は新録作品でしたが、後半の3枚は発掘音源です。最初はジャコ・パストリアス率いるビッグ・バンド「ワード・オブ・マウス」82年のニューヨーク録音で、アルバム・タイトルは『ライヴ・イン・ニューヨーク』(Resonance)。1曲目はおなじみの「インヴィテーション」。ジャコのベースの切れ味が素晴らしい。ちなみにジャコはウエザー・リポートでのデビューが印象的でしたが、それ以前からビッグ・バンドに参加しており、バンド・サウンドと共にベースを演奏することが根っから好きだったようです。ジャコの演奏する喜びが伝わってくるようですね。 発掘音源の2枚目は、ウィントン・ケリー・
トリオにゲストでウエス・モンゴメリーが参加した、ライヴ・アット・ザ・ペントハウス1966とサブタイトルが付いたアルバム『スモーキン・イン・シアトル』(Resonance)です。極め付き名盤『フル・ハウス』(Riverside)や『スモーキン・アット・ザ・ハーフ・ノート』(Verve)で知られているように、ケリーとウェスはたいへん相性のいい組み合わせ。
また、ケリーはマイルス・バンドのサイドマンとしての名演はじめ、多くのハードバップ・セッションでの好サポートが知られていますが、ピアノ・トリオでの演奏は思いのほか少ないのですね。この発掘盤はケリーのトリオ演奏とウェスとの共演がバランスよく収録されており、そういう意味でも要注目です。
そして最後は大御所ビル・エヴァンス晩年の発掘盤『オン・ア・マンディ・イヴニング』(Fantasy)です。録音は1976年で、サイドはエディ・ゴメスにエリオット・ジグムンド。演奏の出来は極めてよく、また音質も全く問題ありません。エヴァンス・ファンなら必聴のアルバムと言っていいでしょう。

【掲載アルバム】
ビアンカ・ジスモンチ『プリメイロ・セウ』(Fina Flor)
ウェス・モンゴメリー / ウィントン・ケリー『スモーキン・イン・シアトル』(Resonance)
ビル・エヴァンス『オン・ア・マンディ・イヴニング』(fantasy)

土・日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト



インフォメーション

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■ジャズ喫茶リアル・ヒストリー/後藤雅洋
発売中/河出書房新社/ISBN 978-4-309-27067-8

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