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D-51 ジャズ喫茶いーぐる (後藤雅洋)

東京・四谷にある老舗ジャズ喫茶いーぐるのスピーカーから流れる音をそのままに、店主でありジャズ評論家としても著名な後藤雅洋自身が選ぶ硬派なジャズをお送りします。毎夜22:00~24:00の「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」は、ビギナーからマニアまでが楽しめるテーマ設定で、後藤雅洋が執筆したコラムとともにジャズの魅力をお伝えします。

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月曜日 22:00~  『ジャズ・ジャイアンツ、これだけ聴けば大丈夫』 その16 アート・ブレイキー

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アート・ブレイキー『フリー・フォー・オール』(Blue Note)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第69回
『ジャズ・ジャイアンツ、これだけ聴けば大丈夫』 その16 アート・ブレイキー(再放送)

ジャズ・メッセンジャーズのリーダーとして長期に渡って活躍した名ドラマー、アート・ブレイキーは、ビ・バップ時代からチャーリー・パーカー、セロニアス・モンクといった大物ミュージシャンたちと共演している。その彼の名前がジャズ史に大きく印されることとなった最初のチャンスは、ご存知「ハードバップの夜明け」と言われたバードランドでのセッションだろう。
1954年、アルバム『バードランドの夜第1集』(Blue Note)に記録された白熱のセッションは、まさに新時代の幕開けと言って良い。ブレイキーのドラミングに煽られたクリフォード・ブラウンの熱演とルー・ドナルドソン畢生の名演は、来るべきジャズ黄金時代到来を予告している。ライヴでの名物となった、ユーモア溢れるアート・ブレイキーのアナウンスも聴きどころだ。
そして、そば屋の出前持ちが口笛でメロディを吹いたと伝えられる、モダンジャズ最大のヒット曲《モーニン》が収録されたアルバム『モーニン』(Blue Note)で、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの名前は日本のジャズファンの脳裏に深く刻み込まれることとなった。
メンバーは新人トランペッター、リー・モーガンに、《モーニン》の作曲者であるファンキー・ピアノで鳴らしたボビー・ティモンズ、そして名アレンジャーでもあるテナーのベニー・ゴルソンだ。
ジャズ・メッセンジャーズは時代によってメンバーに変動があるが、一番有名なのは、リー・モーガンとウエイン・ショーターの組み合わせだろう。1961年の来日時は彼ら二人がフロントで、これをきっかけとしてファンキー・ジャズ・ブームが到来し、次々とジャズ喫茶が誕生することとなったのである。
アルバム『ビッグ・ビート』(Blue Note)は、この二人を含む来日前のメッセンジャーズを捉えたアルバムで、これもボビー・ティモンズの名曲である《ダット・デアー》が収録されている。
アート・ブレイキーのアルバムというとすべてジャズ・メッセンジャーズが演奏しているという思い込みがあるが、『ア・ジャズ・メッセージ』(Impulse)はそうした盲点を突いた知られざるブレイキーの傑作だ。ソニー・スティットのワンホーンにピアノがマッコイ・タイナーという意表を突く組み合わせながら、ブレイキーのリーダー・シップで実に快適な演奏となっている。店でかけると必ずファンがジャケットを見に来る「隠れ名盤」でもある。
再びジャズ・メッセンジャーズに戻ると、音楽監督の地位を占めたウエイン・ショーターの要望を入れ3管編成としたアルバムが、1964年録音の『フリー・フォー・オール』(Blue Note)だ。トランペットがフレディ・ハバードに変わり、トロンボーンにカーティス・フラーが参加している。聴きどころはなんと言ってもタイトル曲で、11分に及ぶ熱演にはただただ圧倒される。
最後に収録した『ライヴ・アット・ブッバ』(Who’s Who)は、80年代に登場した驚異の新人ウイントン・マルサリスのメッセンジャーズ・デビューで、《モーニン》の80年代バージョンが3管編成で収録されている。

【掲載アルバム】
アート・ブレイキー『バードランドの夜第1集』(Blue Note)
アート・ブレイキー『モーニン』(Blue Note)
アート・ブレイキー『フリー・フォー・オール』(Blue Note)

月曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

火曜日 22:00~  ブルーノートのハードバップ

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第2回
ブルーノートのハードバップ(再放送)

前回、「ハードバップって何?」という話をした。だけど「テーマとアドリブの有機的関係」とか「洗練されたビ・バップ」なんて言われても、アタマでは理解できてもそれが実際どんな感じなのかは、今ひとつ実感がわかないんじゃなかろうか。どうもコトバだけでは伝わりきらないところがある。マニアたちの言う「ハードバップならではの気持ちよさ」を体感するには、典型的なハードバップ・アルバムを何枚も聴くのが一番だ。
ところで、前回ご紹介したマイルス・デイヴィスやセロニアス・モンクといった人たちの音楽は、ハードバップというスタイルの原理を明確に示している一方で、彼らの個性が強く現れた、“マイルス・ミュージック”“モンクス・ミュージック”という側面も無視できない。だから慣れないと、彼らの音楽のどういうところがハードバップ的なのかがかえって見えにくいかもしれない。
そこでマイルスやモンクの方法論を自分たちのものとした、「フツーのジャズマン」の演奏の方が、むしろハードバップ・フォーマットの感じを掴むには適している。そしてその手のアルバムの宝庫が、ご存知ブルーノート・レーベルなのである。このレーベルはリハーサルをじっくりと行い、ハードバップならではの曲の魅力をクッキリと浮かび上がらせたアルバムが多いのだ。
たとえばデューク・ジョーダンの『フライト・トゥ・ジョーダン』などは、イギリス育ちの渋い黒人トランペッター、ディジー・リースと、典型的黒人フィーリングの持ち主、スタンレー・タレンタインのテナー・サックスによる2管テーマが醸し出す、ちょっとマイナーな気分が凄くハードバップ的。タイトル曲などはまさにテーマとアドリブの調和によって、統一の取れた曲想の魅力が浮かび上がってくる。アドリブ一発が勝負のビ・バップにこういうタイプのまとまった演奏は見られない。
またデクスター・ゴードンの『ゴー』冒頭の曲、「チーズケーキ」もマイナー調のテーマをゴードンが気持ちよく吹き上げ、そこからアドリブに自然に移行する。ここでも曲の魅力がソロの魅力につながり、それがミュージシャンの個性を現すという、有機的連関が成立している。
もっともハードバップはマイナーと決まったものではなく、ジャッキー・マクリーンの傑作『スイング・スワング・スインギン』に収録された「アイ・ラヴ・ユー」などは、明るく軽快なメロディがマクリーンのアルトによって快適に歌い上げられている。
そしてブルーノート・ハードバップの極め付き的なピアニストに、ホレス・パーランがいる。彼のアルバム『アス・スリー』タイトル曲の黒々とした気配こそ、ハードバップ・ピアノの真髄なのである。もうここまで来ると、曲の良さ、ソロの魅力、ミュージシャンの個性が不可分なほど一体化しているのがお分かりいただけるだろう。

火曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

水曜日 22:00~  ビル・エヴァンスと60年代以降のピアニスト

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第14回
ビル・エヴァンスと60年代以降のピアニスト(再放送)

1960年代以降、最も影響力の大きかったピアニストはビル・エヴァンスだろう。彼がベーシストのスコット・ラファロと吹き込んだピアノ・トリオの名盤『ワルツ・フォー・デビー』は、《マイ・フーリッシュ・ハート》《ワルツ・フォー・デビー》といった親しみやすい名曲とともに、今でも多くのファンから支持されている。
彼はピアノ・トリオのフォーマットにおいて革命を果たした。ベース、ドラムスを従えたピアノ・トリオの楽器編成を確立させたバド・パウエルが、どちらかというとピアニスト主導型であったのに対し、エヴァンスはベーシストやドラマーの役割も重視した「3者協調型」ともいうべきスタイルを生み出した。そして現代のピアノ・トリオはキース・ジャレット率いる「スタンダーズ・トリオ」をはじめ、みなこのスやり方を踏襲している。
そのエヴァンスの影響を受けたピアニストの代表が、ドン・フリードマンだろう。『サークル・ワルツ』は神秘的な表情をたたえたタイトル曲をはじめ、いかにも新世代の白人ピアニストらしい知的な演奏によって多くのファンの心を捉えた。
黒人勢に目を移せば、コルトレーン・カルテットの名脇役として活躍したマッコイ・タイナーが60年代のスターだった。彼はエヴァンスとは対照的なダイナミックな演奏を得意としたが、トリオ作品よりサックス奏者と組んだアルバムが多い。『リアル・マッコイ』はテナー奏者ジョー・ヘンダーソンをサイドに従えたカルテットで、60年代新主流派ジャズの名盤だ。
そして、エヴァンスと並んで60年代以降のピアニストに強い影響を及ぼしているのがハービー・ハンコックで、多くの現代ピアニストの演奏に彼の奏法の余韻を聴き取ることが出来る。ハンコックもホーン奏者との共演で自らの音楽性を発揮するタイプで、『スピーク・ライク・ア・チャイルド』は、50年代ハードバップとは一線を画した斬新なサウンドの響きが60年代以降のジャズに圧倒的影響を及ぼした。これもまた新主流派サウンドを代表する作品である。
実を言うとエヴァンス、マッコイ、ハンコックらは50年代から活躍し60年代以降大きな脚光を浴びたわけだが、正真正銘の60年代ピアニストといえば、チック・コリアとキース・ジャレットだろう。スタン・ゲッツのサイドマンとして注目を集めたチック・コリアは、独立後のアルバム『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』で一気に新世代のピアニストとしての名を確立させた。
一方のキースは、同じく60年代にチャールス・ロイドのサイドマンとして頭角を現した後マイルス・バンドに参加、そして70年代に出した画期的なソロ・アルバム『フェイシング・ユー』で、チックと並ぶ新世代スターとして多くのファンの支持を集めることになる。
そして70年代ジャズ・シーンは、チック、キース、そしてハンコックの3人のキーボード奏者が多くの注目作を発表する、キーボードの時代となったのである。興味深いのは現代ジャズ・ピアノに大きな貢献をなした彼ら全員が、マイルス・バンドの卒業生でもあることだ。そしていうまでもなくエヴァンスも、マイルスに請われ彼のグループに参加したマイルス・バンド経験者である。

水曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

木曜日 22:00~  『ジョン・コルトレーン特集その2~前期コルトレーン』

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ジョン・コルトレーン『ブルートレーン』

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第29回
『ジョン・コルトレーン特集その2~前期コルトレーン』(再放送)

時代を追うごとに先鋭さを増していったジョン・コルトレーンの音楽を、どこで分けるかは、いくつかの考え方がある。ここでは、コルトレーンが初めてリーダー作を吹き込んだプレスティッジ時代から、明らかに他のハードバッパーとは異なる次元へと突入していった、アトランティック・レーベルに所属していた時期までを、前期コルトレーンとして取り上げた。
『ブルートレーン』はブルーノート唯一のリーダー作で、彼のリーダーとしての一般的名声はこのアルバムで確立されたといっていいだろう。わかりやすい3管ハードバップながら、既に他のハードバッパーとは一線を画す先鋭なアイデアが垣間見られる。
ここに至るまでの道筋を辿ってみると、初リーダー作であるプレスティッジの『ジョン・コルトレーン』では、まだ曲目によっては硬さの感じられるところもあったが、ゆったりとしたバラード《ヴァイオレット・フォー・ユア・ファーズ》ではいい味を出している。 ピアノレスのワンホーン・トリオというフォーマットは、よほどの表現力がないとアイデアに詰まってしまう。その難しい編成で自分の個性を発揮させたアルバム『ラッシュ・ライフ』は、初期の傑作といってよいだろう。その延長線上にある、空間を音で埋め尽くす「シーツ・オブ・サウンド」の典型例が聴ける《ロシアの子守唄》は、モンクのところで修行した成果が如実に現れた凄まじい演奏で、誰もが音だけでコルトレーンと聴き分ける事が出来るオリジナリティを確立させた、記念碑的演奏だ。
さて、ここまでのコルトレーンは、まず楽器を自在にコントロールする技術を見に付け、そして音だけでも個性を聴き分けることが出来るオリジナリティを獲得したとはいえ、大局的に観れば、「優れたハードバッパーの一人」に過ぎなかった。ところがアトランティック・レーベルに移籍してからの名盤『ジャイアント・ステップス』では、完全に「その他大勢組み」から抜け出してしまった。
僕らは「オリジナリティ」という言葉をよく使うが、厳密には二つの意味がある。一つ目は「他の人との違いを聴き分けることが出来る」という場合で、先ほど《ロシアの子守唄》について説明した時の使い方だ。そしてもう一つが「多くのミュージシャンたちとは次元が異なる」という意味で、これはパーカーとかマイルスといった、他に類例のないワン・アンド・オンリーの領域にまで突入していった人たちのことを指している。コルトレーンは『ジャイアント・ステップス』でまさにその一歩を踏み出したといってよい。
《マイ・フェイヴァリット・シングス》はその後何度も繰り返し演奏され、コルトレーン・ミュージックの代名詞的存在にまでなったが、これはその最初のヴァージョン。『コルトレーンズ・サウンド』は地味なアルバムだが、スタンダード解釈がプレスティッジ時代より進化していることが聴き取れる。特に《ボディ・アンド・ソウル》が名演。
この頃シーンの話題をさらったオーネット・コールマンのサイドマン、ドン・チェリーとの共演作『アヴァン・ギャルド』は、コルトレーンのフリー志向の兆しが窺える作品で、オーネットの曲《フォーカス・オン・サニティ》を取り上げている。
そして最後の《オレ》は、後にコンビを組みことになるドルフィーとの共演盤だが、まだ両者が激突するところまでは行っていない。エキゾチックな曲想が魅力的だ。

【推薦アルバム】
ジョン・コルトレーン『ジャイアント・ステップス』(ATL)
ジョン・コルトレーン『ソウル・トレーン』(Prestige)
ジョン・コルトレーン『ラッシュ・ライフ』(Prestige)

木曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

金曜日 22:00~ 『ジャズ・ジャイアンツ、これだけ聴けば大丈夫』 その2 セロニアス・モンクの音楽

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セロニアス・モンク『ブリリアント・コーナーズ』(Rriverside)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第55回
『ジャズ・ジャイアンツ、これだけ聴けば大丈夫』 その2 セロニアス・モンクの音楽(再放送)

「バップの高僧」という変わったあだ名や、ステージの上で踊りだすパフォーマンスなど、セロニアス・モンクは奇矯なジャズマン伝説を象徴する大物ミュージシャンである。それだけに一度彼の世界にはまり込むと、ちょっとネジれたようなフシギな旋律がアタマの中で勝手に鳴り出す強力な個性の持ち主だ。
しかし最初は、ハードバップ・ファンにもとっつきがよい2管クインテットのアルバム『5モンク・バイ5』(Riverside)から聴いていこう。サッド・ジョーンズの気持ち良いトランペットに導かれた快適な《ジャッキー・イング》は、モンクの世界への入り口として最適だ。テナーサックスのチャーリー・ラウズは晩年のモンクカルテットを支えた重要人物で、このアルバムでもよいソロをとっている。
モンクの面白いところは、ジョン・コルトレーンのような当時の新人とも、また、スイング時代から活躍していたベテラン、コールマン・ホーキンスともうまく合ってしまうところだ。アルバム『モンクス・ミュージック』(Riverside)は、新旧二人のテナーマンとの共演が見もの。
モンクは、基本的にテナーサックス奏者を擁するカルテットでレギュラーコンボを組んだが、ジョニー・グリフィンをサイドに従えた時期が有名だ。『ミステリオーソ』(Riverside)はモンクのライヴの傑作として知られた名盤で、グリフィンのソロが熱い。
そしてコルトレーンと並ぶ大物テナー、ソニー・ロリンズをサイドに従えたモンクの代表作『ブリリアント・コーナーズ』(Riverside)では、ロリンズの個性を生かしつつモンクの世界を完璧に表現した、“モンクス・ミュージック”のマジックが素晴らしい。もう一人のサイド、アルトのアーニー・ヘンリーも、モンクによって良さを引き出されている。
モンクはピアノ奏者としても圧倒的な個性を誇っているが、バド・パウエルやビル・エヴァンスのようにトリオアルバムはあまり作っていない。『セロニアス・モンク・トリオ』(Prestige)は彼の貴重なトリオ演奏の傑作で、独特のリズム感やユニークな「間」の取り方が良くわかる。パウエル派ピアニストとはちょっと違うが、ノリの良さも抜群だ。
モンクがパウエルやエヴァンスと異なるのは、作曲家としても大いに活躍している点だ。モンクの書いた曲は、エリントン・ナンバーと並ぶジャズ・スタンダードとしてファンに知られている。そして、多くのミュージシャンが彼の曲を演奏することによって、モンクの世界は広がっていく。
今でも第一線で影響力を及ぼしているポール・モチアンの『モンク・イン・モチアン』(Bamboo)は、誰が、どういう演奏をしてもモンクの香りが漂ってくることを教えてくれる素晴らしい演奏。その効果はインスト・ナンバーに限らず、ヴォーカルにおいても発揮され、カーメン・マクレエの《ラウンド・ミッドナイト》からは、モンクの姿がくっきりと浮かび上がってくる。そして極め付きは、モンクに音楽理論を習ったこともあるバド・パウエルによるアルバム『セロニアス・モンクの肖像』(Columbia)だ。パウエルの個性とモンクの世界が高い次元で融合した傑作である。
最後は再びモンク自身のソロ・ピアノによる自作の名曲《ラウンド・ミッドナイト》の演奏をお聴きいただいて、個性的で非常に幅広いモンクの世界をお楽しみください。

【掲載アルバム】
セロニアス・モンク『ブリリアント・コーナーズ』(Rriverside)
セロニアス・モンク『ミステリオーソ』(Riverside)
セロニアス・モンク『セロニアス・モンク・トリオ』(Prestige)

金曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

[Recommend!] 土・日曜日 22:00~  新譜特集 第72回

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ベッカ・スティーヴンス『アタッカ・カルテット』(Coreport)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第208回
新譜特集 第72回

シカゴのピアニスト、グレッグ・スピーロが今話題のヴァイヴ奏者、ジョエル・ロスはじめドラマーのマカヤ・マクレイヴン、ギタリスト、ジェフ・パーカー、トランぺッター、マーキス・ヒルらを結集した新作『ザ・シカゴ・エクスペリメント』(Ropeadope)は、現代ジャズの一側面を現した興味深い作品です。
シカゴという街ははるか昔禁酒法時代からジャズが栄え、また前衛ジャズ・グループ、アート・アンサンブル・オブ・シカゴの根拠地でもあり、独自のジャズ文化が育っています。このアルバムもヒップ・ホップ、ハウス、フリー・ジャズ、ブルースなど多彩な音楽要素が混然とジャズに流れ込んでいる現代ジャズ・シーンの特徴を浮き彫りにしているようですね。
そのジョエル・ロスのブルーノート第3弾『The Parable of the Poet』(Blue Note)が遂に発売されます。第1作『Kingmaker』(Blue Note)では今までにないテイストのヴァイヴ奏者として注目され、第2作『Who Are You』(Blue Note)では緻密に組み上げられたサウンドとソロを極めて巧みに結び付け、バンド・リーダーとしての才覚も見せつけましたが、最新作はそれに加え、音楽のスケールが大幅に広がっているのです。
日本語に訳せば「詩人の寓話」とでもなるタイトルを持つこのアルバムは7つの楽章からなる組曲で、彼の音楽的構築力が進化していることを示しています。メンバーはジョエルのアルバムの常連、アルト・サックスのエマニュエル・ウィルキンスはじめテナー奏者マリア・グランド、トロンボーンのカリア・ヴァンデヴァー、そして前出のトランぺッター、マーキス・ヒルと、若手実力ミュージシャンが結集。とりわけエマニュエル・ウィルキンスの活躍が目立っていますね。
ヨーロッパに目を向けるとサックス奏者エミール・パリジーンのアルバム『Louis』(Act Music)が面白い。アメリカのジャズ・シーンで注目されるトランぺッター、セオ・クロッカーやドラマー、ナシート・ウェイツと、パリジーンの仲間であるピアニスト、ロベルト・ニグロ、ギタリスト、マニュー・コジアらヨーロッパ勢との混成チームで組み上げたセクステットの余裕に満ちたサウンドは、世界音楽としてのジャズの可能性を示しているように思います。
そして今や大御所の貫禄でユニークな作品群を世に問うているピアニスト、ブラッド・メルドーの新作『ジェイコブス・ラダー』(Nonsuch)は明らかにプログレッシヴ・ロックの影響が感じられる問題作です。そして近年の彼の作品に顕著になった宗教的な関心がさまざまな音楽的テクスチュアによって編み込まれた複雑かつ斬新なサウンドが聴き所ですね。
それにしても相変わらずピアノのタッチは素晴らしい。とにかく最近のメルドーの動きには目が離せません。
さて、こちらも話題作を連発している話題の女性ヴォーカリスト、ベッカ・スティーヴンスの新作『アタッカ・カルテット』(Coreport)も注目です。弦楽アンサンブルとの共演で過去のオリジナル曲やレディオ・ヘッドなどのカヴァーを再アレンジした意欲作で、ベッカのヴォーカリストとしての個性・存在感が際立っています。
最後に収録したのはフランスのピアニスト、グレゴリー・プリヴァのピアノ・ソロ作品『Yonn』(Moclou)です。彼はマルティニーク出身で父親は「マラヴォア」のピアニストです。独自の静謐感に満ちた演奏は喧騒にあふれた都会人の心を爽やかにしてくれますね。

【掲載アルバム】
グレッグ・スピーロ『ザ・シカゴ・エクスペリメント』(Ropeadope)
ジョエル・ロス『The Parable of the Poet』(Blue Note)
ベッカ・スティーヴンス『アタッカ・カルテット』(Coreport)

土・日曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

インフォメーション

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■ジャズ喫茶リアル・ヒストリー/後藤雅洋
発売中/河出書房新社/ISBN 978-4-309-27067-8

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