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D-51 ジャズ喫茶いーぐる (後藤雅洋)

東京・四谷にある老舗ジャズ喫茶いーぐるのスピーカーから流れる音をそのままに、店主でありジャズ評論家としても著名な後藤雅洋自身が選ぶ硬派なジャズをお送りします。毎夜22:00~24:00の「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」は、ビギナーからマニアまでが楽しめるテーマ設定で、後藤雅洋が執筆したコラムとともにジャズの魅力をお伝えします。

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月曜日 22:00~ マイルス・デイヴィス特集

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マイルス・デイヴィス『ビッチェス・ブリュー』(Columbia)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第36回
マイルス・デイヴィス特集 その3(再放送)

1968年、ジャズ・アルバムの常識を覆す異様なジャケットによって登場したマイルスの新譜『マイルス・イン・ザ・スカイ』は、ジャズファンの間に論争の嵐を巻き起こした。今聴いてみれば、取り立てて変わっているワケではないこの作品が大騒ぎになったのだから、まさに隔世の感だ。
要するに、エレクトリック楽器を使用したことと、ロック・ビートを採用したことが当時の保守的なジャズファンの逆鱗に触れたのだが、これ以後、現実のジャズシーンはマイルスが敷いたエレクトリック路線の上を歩んでいったのだった。
注目したいのが、その直前1967年に吹き込まれた『ネフェルティティ』のタイトル曲で、まったくアドリブ・パートがない。この演奏は、マイルスが従来のジャズ・スタイルに飽き足らなくなったことを示している。
そして1969年の問題作『ビッチェス・
ブリュー』の登場なのだが、実を言うと、この作品も発売当時は必ずしも好意的な目では迎えられなかった。マイルスがロックに媚を売ったという、表面的な見方が流通していたからだ。実際は、マイルスは単にロック的手法を利用しただけだったのだが、、、ここでは名演の誉れ高い《スパニッシュ・キー》を収録。
事実、同時期のライヴ盤『マイルス・アット・フィルモア』などを聴けば、リズムがなんであれ、エレピがどうあれ、マイルスの演奏はまごうことなきジャズそのものなのが良くわかる。ただ、ライヴなので漫然と聴いているとポイントが掴みにくいかも知れないが、《フライデイ・マイルス》は誰が聴いてもナットクの名演だろう。ソプラノ・サックスのスティーヴ・グロスマンも畢生の力演だ。
いまでこそ「クラブシーンで注目」などと喧伝される『オン・ザ・コーナー』も、発売当時は中古セールのコーナーに山積みされていた。70年代の平均的ジャズファンは、この手のリズムをジャズから外れるものとしてアタマから毛嫌いしていたのだ。
その一方、70年代マイルスはなお一層先鋭性を強め、もはやトランペットを吹かずともマイルス・ミュージックを表現できるまでのカリスマ的存在となっていた。そのことを証明するのが、アルバム『ゲット・アップ・ウィズ・イット』に収録された《レイテッドX》で、マイルスはオルガンのみで、他の誰にも真似できないマイルス・ミュージックを提示している。
そしてマイルスが活動を一時停止する最後の年、1975年の大阪公演の記録『アガルタ』『パンゲア』が発売される。今になってみれば、これが彼のジャズマン人生の一つのピークであったことは間違いない。ピート・コージー、レジー・ルーカスらによって生み出されたカオス状の音塊から、マイルスの研ぎ澄まされたトランペットが浮き上がる瞬間がたまらなくカッコいい。
その後、5年以上の中断期間を経てシーンに復帰したマイルスをファンは温かく迎えたが、明らかに音楽のテイストは変化していた。ひとことで言えば、ポピュラー・ミュージックに接近し、かつての先鋭な姿勢は影を潜め、一般音楽ファンにも愛される存在となったのである。とはいえ、さすがマイルス、音楽の質は非常に高い。
ここでは復帰第一作『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』から冒頭の《ファット・タイム》と、個人的にマイルス最後のジャズ・アルバムと思い定めている『デコイ』から、タイトル曲を収録した。

【掲載アルバム】
マイルス・デイヴィス『ビッチェス・ブリュー』(Columbia)
マイルス・デイヴィス『アット・フィルモア』(Columbia)
マイルス・デイヴィス『アガルタ』(Columbia)

月曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

火曜日 22:00~ セロニアス・モンク特集

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セロニアス・モンク
『モンクス・ドリーム』
(Columbia)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第131回
「ジャズの巨人シリーズ」 第10回 セロニアス・モンク(再放送)

そのユニークなピアノスタイルで知られたジャズピアノの巨人、セロニアス・モンクは、モダン・ピアノの開祖、バド・パウエルに音楽理論を教えたほどの人物なのに、人気のほどはいまひとつでした。それは、独特のよじれたフレージングや、けつまずいたようなリズム感が、流麗なパウエル流バップ・スタイルを聴き慣れたファンに受け入れられ難かったからでした。
しかし、一度モンクの世界に馴染んでしまうと、誰にも似ていないオリジナリティに愛着がわくだけでなく、彼の音楽が実に聴き手の気持ちを自由にさせてくれることに気がつきます。まさにジャズなのですね。
最初に収録したのは初期のピアノトリオ演奏で、確かにふつうのリズム感とは違っているのですが、モンク流のドライヴ感の心地よさが聴き手を引き込みます。もちろんユニーク極まりないモンクのオリジナル曲の魅力も満載です。
しかしモンクは、パウエルやビル・エヴァンスのようにトリオ・フォーマットで演奏するより、自作曲をホーン奏者に演奏させてモンクス・ミュージックを世に問う方向に進みます。基本的にテナー奏者を入れたカルテット編成が好みのようで、最初のテナーマンがソニー・ロリンズでした。モンクにしては珍しく、スタンダード・ナンバーである「今宵の君は」などを演奏していますが、モンクとロリンズの相性はなかなか良かったのですね。
その流れは名盤『ブリリアント・コーナーズ』(Riverside)に引き継がれますが、この作品はアルトのアーニー・ヘンリーも参加した2管クインテット。地味な存在のヘンリーがモンクの世界で自由奔放にアイデアを飛翔させています。そしてもちろんロリンズも絶好調。
ロリンズと並ぶテナーの巨人、ジョン・コルトレーンはじめ、スイング時代から活躍するテナー・サックスの父と言われたコールマン・ホーキンスまでが参加した臨時セッション『モンクス・ミュージック』(Riverside)では、メンバーがけっこう間違えたりしているのですがジャズ的緊張感はいささかもゆるいではいません。これもまた名演です。
そのコルトレーンは一時マイルス・グループを離れ、モンクのサイドマンとなった時期があるのですが、彼はこの間にモンクから音楽理論を叩き込まれ、一気に上達します。『セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン』(Jazzland)は、その貴重な記録です。
モンクの次のテナーマンはジョニー・グリフィンで、彼はブルーノートなどにハードバップの名演をたくさん残していますが、モンクのサイドマン時代は完全にモンクス・ミュージックの枠に収まりつつ、しかも自らのアイデアも自在に表現しています。この辺りはモンクのリーダー・シップの巧みさですね。収録したのは有名なファイヴスポットでのライヴ盤『ミステリオーソ』(Riverdide)です。
その後リヴァーサイドからコロンビアに移籍したモンク・カルテットは、サイドマンもチャーリー・ラウズに変わります。彼はツアーの準備や楽譜の用意など、いわゆるバンド・マネージャー的な仕事も器用にこなし、その辺りをモンクから重用されたようです。しかし音楽的まとまり感は素晴らしく『モンクス・ドリーム』(Columbia)などは、まさにバンドが一体となってモンクの世界を表現しています。
最後に収録したソロピアノでは、珍しくスタンダード・ナンバーを披露していますが、モンクが演奏すると聴き慣れた曲目まで、まるでモンクのオリジナルのように聴こえるから不思議です。

【掲載アルバム】
セロニアス・モンク『ブリリアント・コーナーズ』(Riverside)
セロニアス・モンク『モンクス・ミュージック』(Riverside)
セロニアス・モンク『モンクス・ドリーム』(Columbia)

火曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

水曜日 22:00~  ホレス・シルヴァー特集

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ホレス・シルヴァー
『ソング・フォー・マイ・ファーザー』
(Blue Note)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第121回
ホレス・シルヴァー特集(再放送)

日本にジャズが広まったのは1960年代のことです。アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズの面々や、ホレス・シルヴァーらの来日公演が一般音楽ファンの関心をジャズに惹き付けたのでした。彼らの熱気に満ちた演奏は“ファンキー・ジャズ"と呼ばれ、一種のブームの中で“モダン・ジャズ"は日本に定着したのです。
「ファンキー」とは、黒人音楽特有のアーシー(土臭い)で汗の飛び散るような感覚を指しています。こうしたスタイルは1950年代末から60年代にかけての流行で、ブレイキーやシルヴァーの他にもキャノンボール・アダレイなどの演奏が有名です。
ちなみに、シルヴァーのサイドマンを務めたドラマー、ルイス・ヘイズにインタビューした際、“ファンキー・ジャズ"ということばを使ったら、「アメリカではあまり聞いたことが無い」と言われました。このことばの出典はアメリカのジャズ評論家、レナード・フェザーのシルヴァー評なのですが、むしろ日本で有名になった「ジャンル分け」なのかもしれませんね。
冒頭に収録した『ソング・フォー・マイ・ファーザー』(Blue Note)はシルヴァーの代表作で、アーシーで親しみやすいタイトル曲の人気でジャズ喫茶のリクエストではいつも上位を占めていたものです。ご紹介したタイトル曲を含む3曲はすべてシルヴァーの作で、彼の作曲の才が良くわかる傑作です。また、サイドのテナー、ジョー・ヘンダーソンの熱演も光っています。
次にご紹介する『ホレス・シルヴァー・トリオ』(Blue Note)は彼のピアニストとしての原点を示す初期の演奏で、彼もまたバド・パウエルの影響下にスタートしたことがわかりますね。ただ独特の熱気に満ちたドライヴ感は彼ならでは。そしてシルヴァーの名が高まったのはブレイキーとの共演です。ブレイキー名義の『バードランドの夜Vol.1』(Blue Note)も、実際は当時の新人たちのジャム・セッションだったのです。聴きどころはやはりクリフォード・ブラウンの熱演でしょう。
そもそも「ジャズ・メッセンジャーズ」という名称も最初はシルヴァーが考え出したものでしたが、彼はこのバンド名をブレイキーに譲り、自ら新しいバンドを結成します。『ザ・スタイリングス・オブ・シルヴァー』(Blue Note)は、アート・ファーマーのトランペットにハンク・モブレイのテナーをフロントに置いた典型的ハードバップ・クインテット。ドラムスはさきほどご紹介したルイス・ヘイズが務めており、小気味良いドラミングを披露しています。
シルヴァーはその後メンバーを変え、ブルー・ミッチェルのトランペットにジュニア・クックをテナー奏者に迎えた新バンドを作ります。いわゆる“ファンキー"な演奏はこのチームによるもの。代表作は『ブローイン・ザ・ブルース・アウエイ』(Blue Note)でしょう。そして彼らの熱演が頂点に達したのがライヴの名演、アルバム『ドゥーイン・ザ・シング』(Blue Note)に収録された《フィルシー・マクナスティ》。同じフレーズを執拗に繰り返し、聴衆の興奮をいやが上にも盛り上げる“ファンキー・ジャズ"の決定的熱演です。
シルヴァーの音楽には黒人音楽特有のアーシーでファンキーな感覚と同時に、一種のエキゾチックな気分が感じられます。それは彼にはラテンの血も流れているから。『ザ・ケープ・ヴァーデン・ブルース』(Blue Note)はシルヴァーの父親の出身地にちなんだアルバムで、ポルトガルやブラジル音楽の要素が巧みにジャズにブレンドされています。そして最後にはまた、前出の『ホレス・シルヴァー・トリオ』からの演奏をご紹介いたしました。

【掲載アルバム】
ホレス・シルヴァー『ソング・フォー・マイ・ファーザー』(Blue Note)
ホレス・シルヴァー『ブローイン・ザ・ブルース・アウエイ』(Blue Note)
ホレス・シルヴァー『ドゥーイン・ザ・シング』(Blue Note)

水曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

木曜日 22:00~  新譜特集 第10回

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ラリー・ヤング
『ラリー・ヤング・イン・パリ』
(Resonance)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第145回
新譜特集 第10回(再放送)

新譜特集も10回目を迎えましたが、今回初めて「発掘音源」をいくつかご紹介しようと思います。ラリー・ヤングは1960年代半ばにブルーノート・レーベルで活躍したオルガン奏者で、ジミー・スミスに代表される従来のオルガン・ジャズのイメージを一新した、「オルガンの革命児」と呼ばれていました。ブルーノート時代は『イントゥ・サムシン』、『ユニティ』などのアルバムでマニアの間で知られており、今回発掘された「ラリー・ヤング・イン・パリ」(Resonannce)は、同時期にヤングがパリでトランペットのウディ・ショーとテナー・サックスのネイサン・デイヴィスを迎えたカルテット演奏で、絶頂期のヤングに斬新なオルガンが堪能できます。
2枚目にご紹介するアルバム『ライヴ』(DOX RECORD)は、オランダのアルト・サックス奏者、ベンジャミン・ハーマンの作品で、独特の濁りのあるサウンドは、21世紀に60年代ジャズの熱気を蘇らせました。共演のピアニスト、ミゲル・ロドリゲスはスペイン出身。採り上げる楽曲もレトロで、ケニー・ドーハム60年代の名演で知られた懐かしのジャズ・ロック・ナンバー「ウナ・マス」です。ライヴの聴衆も大喜びで盛り上がっています。
『チャーリー・ヘイデン&ジム・ホール』(Impulse)も発掘音源で、このところ相次いで亡くなった二人の巨匠、チャーリー・ヘイデンとジム・ホールが1990年にカナダのモントリオール・ジャズ・フェスティヴァル行ったデュオ演奏の初CD化アルバムです。採り上げた楽曲はセロニアス・モンクの「ベムシャ・スウィング」とヘイデン作の名曲「ファースト・ソング」です。
次にご紹介する『De L'usage du Sextoy en Temps de Crise』(Openmusic)は、映画のサントラです。冒頭に登場する女性ヴォーカルは、フランスを拠点として活躍するサックス奏者、仲野麻紀で、作曲は彼女とチームKy(キィ)を組んでいるパリ市立音楽院の同窓生、ヤン・ピタールです。昨年末、来日した彼女たちのライヴを見ましたが、まさに世界中の音楽が融合したユニークなもの、今年の4月に再び帰国コンサートを行う予定だそうです。これは見逃せません。
『デュオ』(2Birds 1Stone)は旧ユーゴスラビア、ベオグラード出身のピアニスト、ボヤン・ズルフィカパシチとフランスのサックス奏者、ジュリアン・ルロウのデュオ・アルバムです。彼らはフランスのベーシスト、アンリ・テキシェのグループで共演体験があり、息はばっちっりです。エキゾチックなメロディはすべてボヤンの作曲。バルカン半島は、東西の文化が交流する地域だけに、イスラーム圏の音楽の影響がうかがえます。
最後にご紹介する『Lisan Al Tarab』(edit record)は、2010年のセロニアス・モンク・コンペティションで作曲賞を受賞したベイルート出身のピアニスト、タレク・ヤマニの2014年の作品です。メンバーはギリシャのグループ、トリオイズムのベーシスト、ペトロス・クランパニスに、カサンドラ・ウィルソンや山中千尋との共演で知られるドラマー、ジョン・デイヴィスです。
フォーマットはオーソドックスですが、エキゾチックな曲想も含め、現代ピアノ・トリオはかつてのピアノ・トリオのイメージを覆す斬新なスタイルが魅力ですね。こうしてみると、今や「ジャズ」は明らかに「世界音楽」としてかつて無い広がりを見せていることが実感できます。

【掲載アルバム】
ラリー・ヤング『ラリー・ヤング・イン・パリ』(Resonance)
仲野麻紀『De L'usage du Sextoy en Temps de Crise』(Openmusic)
タレク・ヤマニ『Lisan Al Tarab』(edit record)

木曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

金曜日 22:00~ 新譜特集 第29回

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R+R=NOW『Collagically Speaking』(Blue Note)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第165回
「新譜特集」第29回(再放送)

このところ新譜紹介をしていて感じるのは、二つのことです。一つはジャズの世界的広がりですね。一昔前はアメリカがジャズの中心で、もちろんヨーロッパにも優れたジャズ・ミュージシャンはいましたが、「ヨーロッパ・ジャズ」という言い方で、ある意味「別枠」扱いだったように思います。
しかし現在では、ヨーロッパ出身のミュージシャンがアメリカでデビューすることは珍しくなく、またその逆にアメリカのジャズマンがヨーロッパで活動するケースも目立ちます。そうしたこともあって、今では「ヨーロッパ・ジャズ」という言い方もあまり使われなくなったような気がします。
そしてそのことと関係しているのですが、ジャズの幅が飛躍的に拡大し、「ジャズ的表現」の中身を再点検する必要があるように思うのです。その中身を私なりに単純化すると、「ジャズ」の本質的要素と思われる「個性的表現」や、「演奏の迫真性」といった部分は従来のジャズと変わらないのですが、その「表現スタイル」が極めて多様になっているのですね。
今回最初にご紹介するのは、ジャズ発祥の地ニューオルリンズ出身ながらドイツ・フランス・ベルギーに囲まれたこじんまりとした国、ルクセンブルグ在住のギタリスト、グレッグ・レミーの『Press Enter』(Igloo)です。楽器編成はリーダー、レミーのギターの他、ヨーロッパ勢によるサックス、ベース、ドラムスのカルテット。先日の「東京JAZZ」では、代々木公園のオープン・エリアに出演しました。オーソドックスな演奏ながら、アメリカ・ジャズとは一味違います。
ノア・プレミンガーはアメリカ、コネチカット州出身のサックス奏者です。彼の新作『Meditation Freedom』(Dry Bridge)は、前回ご紹介したトランぺッター、ジェイソンパルマーを従えたピアノレス・カルテット。ちょっとフリー寄りの部分もありますが、じっくりと聴かせる姿勢は好感が持てます。
そして今回の目玉とも言えるのが、話題の新チームR+R=NOWの『Collagically Speaking』(Blue Note)です。ロバート・グラスパーのキーボードの他、気鋭のトランぺッター、クリスチャン・スコット、切れ味鋭いドラミングが光るジャスティン・タイソンなど、話題のメンバーがそろった話題作です。
彼らも「東京JAZZ」に出演したのでそのステージを見ましたが、ジャスティン・タイソンのドラミングが素晴らしく、それに乗ったクリスチャン・スコットのトランペットが場を盛り上げていました。
『Levanter』(V-Flow)はオランダを代表するトランぺッター、エリック・フロイマンスがクラリネット、ピアノを従えた室内楽的なトリオ演奏。彼も若干メンバーは異なっていましたが「東京JAZZ」の野外ステージに登場しました。
喜多直毅の『Winter In A Vision』(pianohouse)は、以前そのVol.2をご紹介しましたが、こちらはその一作目です。彼の演奏も、目黒パーシモン・ホールで行われた「JAZZ WORLD BEAT」で観ましたが、その表現力は圧倒的でした。
最後にご紹介する作品『Big Ship』(Basho Music)は、スイス出身のピアニスト、クリストフ・スティーフ率いる、インナー・ランゲージ・トリオによる演奏です。オーソドックスながら演奏の集中力は大したもの。

【掲載アルバム】
R+R=NOW『Collagically Speaking』(Blue Note)
喜多直毅『Winter In A Vision』(pianohouse)
クリストフ・スティーフ『Big Ship』(Basho Music)

金曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

[Recommend!] 土・日曜日 22:00~  新譜特集 第40回

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エスパソ
『First Impresion』
(May Record)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第176回
新譜特集 第40回

ニューヨークを拠点に活動する若手日本人ミュージシャンたちによるJ-Squadは、3年前に日本のTVの音楽を録音するために作られた臨時編成グループでした。今回最初に収録した『J-Squad 2』(Universal)は、昨年発売された彼らの2作目のアルバムです。
メンバーは既に『ジグザガー』(Concord)などのリーダー作を出している黒田卓也(tp)、話題のグループ、スナーキー・パピーのメンバーとして知られる小川慶太(ds, per)、そしてバークリー在学中たびたび優秀賞を獲得した気鋭のテナー奏者、馬場智章らによる2管クインテット。
聴き所は気負いのない中にも現代を感じさせる闊達な演奏で、「日本人のジャズ」という「別枠限定」を抜きに彼らが現代ジャズの担い手であることが実感されます。これは嬉しい。
新譜特集第19回でもご紹介したJD アレンは、1972年ミシガン州デトロイト生まれの中堅テナー奏者です。彼はピアノレス・トリオで演奏することが多いのですが、今回のアルバム『Barracoon』(Savant)もベース、ドラムスのみを従えたトリオ編成です。率直に言って地味な演奏ですが、私はかなり好きです。
聴き所はテナーの音色ですね。特に激しくシャウトするわけでは無いのですが、内に秘めた情熱と言いましょうか、フレーズの一音一音にエネルギー、存在感が漲っているのです。最近のミュージシャンはみなテクニックは圧倒的に巧くなっているのですが、アレンのように音自体が力を持っているジャズマンは珍しい。じっくり腰を据えて聴きたいアルバムです。
エスパソはベーシスト、柳原達夫をリーダーとするグループで、今回ご紹介するアルバム『First Impresion』(May Record)はなんと15年ぶりの新譜だそうです。楽器編成はギター入りテナー・クインテットですが、そのサウンドは極めて新鮮。ダイナミックなリズムに乗ったエキゾチックなメロディが心地よい。ちなみに「エスパソ」とはポルトガル語で「空間・宇宙」を意味するそうです。知名度はありませんが注目に値するグループと言っていいでしょう。気に入りました。
スイス出身の新進ピアニスト、イヴ・タイラーによる新アルバム『We』(Intakt)はヨーロッパ・ジャズ的な要素もありながら、自己主張が明快なところが聴き所でしょう。伝統的なアコースティック・ピアノ・トリオですが、出てくる音は思いの外押し出しが強いのですね。「オレの言いたいことはこれだ」という気迫が伝わってくるのです。要注目。 アーロン・パークスの新譜『Little Big』(Ropearope)はパークスのピアノ、キーボードにギターが加わったカルテット。アルバム・タイトル、バンド名はSF小説から取ったということですが、確かにエレクトリック・ギターを前面に押し出したサウンドはSF的と言えそうです。聴き所はイヴ・タイラーと同じで、音楽的主張がはっきりとしているところでしょう。パークスはバンド・サウンド、アルバム・コンセプトをしっかりとコントロールしているのですね。
最後にご紹介する『Yin And Yang』(Can Jazz)はイタリアの女性ピアニスト、リタ・マルコチェリと、同じくイタリアのドラマー兼ヴォーカリスト、イスラエル・バレーラによるライヴ・レコーディングです。聴き所は何と言ってもマルコチェリの気合の入った演奏ですね。切れ味と気迫が凄まじい。これこそがジャズの醍醐味です。

【掲載アルバム】
エスパソ『First Impresion』(May Record)
JDアレン『Barracoon』(Savant)
リタ・マルコチェリ&イスラエル・バレーラ『Yin And Yang』(Can Jazz)

土・日曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

インフォメーション

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■ジャズ喫茶リアル・ヒストリー/後藤雅洋
発売中/河出書房新社/ISBN 978-4-309-27067-8

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