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D-51 ジャズ喫茶いーぐる (後藤雅洋)

東京・四谷にある老舗ジャズ喫茶いーぐるのスピーカーから流れる音をそのままに、店主でありジャズ評論家としても著名な後藤雅洋自身が選ぶ硬派なジャズをお送りします。毎夜22:00~24:00の「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」は、ビギナーからマニアまでが楽しめるテーマ設定で、後藤雅洋が執筆したコラムとともにジャズの魅力をお伝えします。

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月曜日 22:00~ 『ジャズレーベル完全入門』~ブルーノート

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アート・ブレイキー『フリー・フォー・オール』(Blue Note)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第43回
ブルーノート特集 第2回 
「ジャズ喫茶でよくかかるブルーノート裏名盤」(再放送)

レコード会社のプロデューサーは誰でもジャズ好きかというと、そうでもない。中にはビジネスと割り切って、ミュージシャンを安くこき使うプロデューサーも少なくない。そんな中で心底ジャズマンを愛したのが、ブルーノートのオーナー・プロデューサー、アルフレッド・ライオンだ。そして彼の凄いところは、大好きなジャズをきちんとビジネスとして成立させただけでなく、作品としても非常にクオリティの高いものをプロデュースしたことだ。
だから、シリーズ1回目でご紹介した「アルバムでたどるブルーノートの歴史」に登場するミュージシャンは、すべてライオンのお気に入りとも言える。まずブルーノートの看板のようなアートブレイキー。ハードバップのセッション・リーダーというイメージが強いブレイキーだが、ライオンは黒人音楽特有のダイナミックな打楽器奏者として彼を見ていた。ドイツ人であるライオンが、ジャズを「リズム」という極めてまっとうな観点から捉えていたのは非常に興味深い。
そんなライオンだから、私たちの感覚から言ったらラテン・ミュージックとしか聴こえないパーカッショニスト、サブーのアルバムも作ってしまう。この作品はジャズファンからは異端視されているが、ライオンはかなり乗り気だった。そして膨大なアルバムを残しているジミー・スミスも、彼の持つ黒人的でアーシーな魅力にライオンは惹かれた。
彼は新人ミュージシャンにも目を配り、どちらかというと地味なテナー奏者、ハンク・モブレイにもチャンスを与えた。もちろん、大物新人ソニー・ロリンズも好きなテナーで、彼のもっとも良いところを捉えようと、ヴィレッジ・ヴァンガードのライヴは周到に準備して録音された傑作である。
ピアノでは、まずバップ・ピアノの第一人者バド・パウエルに目を付け、ご存知のようにアメイジング・シリーズを5枚も制作している。そして、不遇時代のセロニアス・モンクをきちんと録音したのは慧眼というしかない。また、パウエルの影響を強く受けたホレス・シルヴァーもライオンのお気に入りだ。
ライオンの偉いところは、これと見込んだミュージシャンはとことん面倒を見るところで、アンドリュー・ヒルのことは引退してからも気にかけていたという。ソニー・クラークは日本では人気があるが、アメリカではさほど知られた存在ではない。そうしたミュージシャンでも、ライオンはサイドマンを含め、さまざまな形で起用した。
面白いのは、キャノンボール・アダレイ名義ながら実質はマイルス・デイヴィスの作品といっていい『サムシン・エルス』だろう。これは、不遇時代のマイルスを録音してくれたライオンに対する、マイルスの恩返し的な意味もあるアルバムである。
しかし、私が一番凄いと思うのは、一連の新主流派作品だろう。ハービー・ハンコック、ウエイン・ショーターなどの60年代の斬新な演奏は、ブルーノート・レコードがなかったら満足に記録さていなかったかもしれないのだ。そして、ライオンのジャズへの好奇心はフリー・ジャズにも及び、今回ご紹介したオーネット・コールマンはじめ、彼の盟友ドン・チェリー、そして、セシル・テイラーにまで及んでいる。
こうして改めてアルフレッド・ライオンの仕事を振り返ってみると、今まさにジャズ界に欠けているのが、彼のような心底ジャズ好きで、しかもミュージシャンの魅力、聴き所を的確に商品化する有能なプロデューサーの存在なのだと思う。

【掲載アルバム】
アート・ブレイキー『フリー・フォー・オール』(Blue Note)
サブー『パロ・コンゴ』(Blue Note)
ハンク・モブレイ『ソウル・ステーション』(Blue Note)
アンドリュー・ヒル『ブラック・ファイア』(Blue Note)

月曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

火曜日 22:00~  新譜特集 第5回

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カマシ・ワシントン『ザ・エピック』(Brainfeeder)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第140回
新譜特集 第5回(再放送)

まず最初にご紹介するのはニューヨーク、ブルックリンを拠点として活動するトランペット、フリューゲル・ホーン奏者ブライアン・グローダー2016年のアルバム『R Train on the D Line』(Latham Record)です。彼は作曲家でもあり、この新譜ではマイケル・ビシオのベースとジェイ・ローセンのドラムスのみを従えたシンプルなトリオ編成です。
一般にピアノ・レスのワン・ホーン・トリオというのは、そうとう実力が無ければ間が持てない難しいフォーマットです。とりわけトランペット、フリューゲル・ホーンでそれをやるというのは滅多にないこと。お聴きになればおわかりかと思いますが、その難題を見事にこなしているだけでこの人は注目に値するミュージシャンと言えるでしょう。
そしてそれを支えているリズム・セクションの実力もそうとうなものです。ベース、ドラムスとフリューゲル・ホーンの3者が緊密に絡み合っているからこその名演と言えるでしょう。
同じトランペット・ジャズでも、ノルウェーのミュージシャンともなるとずいぶん音楽の表情が変るものです。マティアス・アイクの『ミッドウェスト』(ECM)は、いかにも北欧的な空気感を感じさせるサウンドが実に魅力的。ノルウェイのフォーク・ミュージックと現代ジャズが見事に融合しています。ヴァイオリンの使い方も秀逸。
3枚目にご紹介する『Ancestral Tongues』((Latham Record)は、またもやブライアン・グローダーですが、こちらは彼の初期のアルバムで録音は1993年。サックスとギターが入ったわりあいオーソドックスなスタイルで演奏しています、しかしピアノはいません。この辺り彼のこだわりがあるのかもしれません。彼の出発点を知るアルバムと言えるでしょう。
『Super Petit』(Cuneiform)は、ドラムス、パーカッションのジョン・ホーレンベック率いる、結成20周年を迎えるクラウディア・クインテットの新譜です。アコーディオンとサックスが醸し出すユニークなサウンドとリズムの絡みが快適です。彼らのアルバムはものによってはちょっと取っ付きが悪いものもありますが、この新作は一般的なジャズ・ファンにも好意的に迎えられるのではないでしょうか。
今もっとも注目されているジャズ・ミュージシャンがカマシ・ワシントンでしょう。ブラック・ミュージックの伝統と現代ジャズ・シーンの動向がうまい具合に融合しています。昨年発表された3枚組みの大作『ザ・エピック』(Brainfeeder)は、彼の壮大な世界観がコーラスを含む大編成チームによって見事に結実した傑作です。
私も彼らのライヴを見ましたが、その実力を裏付ける素晴らしいものでした。12月にビルボード大阪、ビルボード東京で公演を行うので、またぜひ見たいと思っています。とにかく注目の人物ですね。
最後に収録したコリン・ヴァロンのアルバム『ル・ヴァン』(ECM)は2013年の録音ですが、ピアニストとしてのヴァロンの音楽性がよくわかる、地味ながら名演と言っていいでしょう。取り立てて派手なことや目新しいことはしませんが、じっくりと聴けば演奏の質の高さはおわかりになることと思います。

【掲載アルバム】
ブライアン・グローダー『R Train on the D Line』(Lathm Record)
マティアス・アイク『ミッドウェスト』(ECM)
カマシ・ワシントン『ザ・エピック』(Brainfeeder)


火曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

水曜日 22:00~  オスカー・ピーターソン特集

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オスカー・ピーターソン『フランク・シナトラの肖像』(Verve)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第129回
「ジャズの巨人シリーズ」 第7回 オスカー・ピーターソン(再放送)

オスカー・ピーターソンは前回の巨人、バド・パウエルとは対照的なピアニストです。若干気難しいところもあるパウエルに比べ、ごくふつうの音楽ファンにも受け入れられるポピュラリティがピーターソン人気の秘密でしょう。それを支えるのは、圧倒的なピアノの演奏技術と快適なリズム感によって生み出される、陽気な音楽性です。
パウエルに限りませんが、どちらかというと「ブルージー」という言い方に象徴されるちょっとダークなテイストがジャズの魅力でもあるのですが、人種差別が希薄なカナダ生まれということもあるのか、ピーターソンの音楽はとことん陽気。
冒頭に収録したのは、ロンドン・ハウスでのライヴ・レコーディング。「ロンドン・ハウス」というとイギリス録音かと思いきや、場所はシカゴ。サイドマンはピーターソンに長年付き従ったレイ・ブラウンとエド・シグペンの黄金のトリオ。「ザ・トリオ」とまで呼ばれただけあって息の合い具合は完璧。ライヴという寛いだ雰囲気の中でピーターソンの魅力が全開です。選曲も「アイ・リメンバー・クリフォード」「枯葉」など良く知られたナンバーで、まさにライヴ名盤と言っていいでしょう。
ピーターソンというと弾きまくる印象が強いですが、ピーターソンが一目置いていた大歌手フランク・シナトラの愛唱曲を弾く「フランク・シナトラの肖像」(Verve)は実に趣味の良いアルバムです。メンバーは例のザ・トリオですが、こちらはパリでのレコーディング。先入観かもしれませんが、演奏全体から醸しだされる雰囲気がどこかお洒落。あまり言及されませんが、これもまたピーターソンの一面を切り取った名演です。それにしても選曲の趣味がいいですねえ。
ピーターソンはヴァーヴ・レコードのオーナー・プロデューサーであるノーマン・グランツに見出されので、彼の主催するJATPで名のあるホーン奏者たちとの共演はお手のもの。「オスカー・ピーターソン・トリオ+ワン」(Mercury)は、クラーク・テリーを迎えたワン・ホーン・セッション。 さきほど、ジャズマンは黄昏感覚というかマイナー調を持ち味とする人が多いと書きましたが、クラーク・テリーは例外。独特の笑っているような陽気なトランペットは、ピーターソンの明るいキャラクターと実に良くフィットしています。
60年代後半、ピーターソンはそれまで長く在籍していたヴァーヴを離れ、当時の西ドイツMPSレーベルに移籍します。これはピーターソンに新境地をもたらしました。それはファンにとっても同じで、とりわけMPSの鮮明なピアノ録音はピーターソンのピアノ・テクニックをよりリアルに感じさせてくれます。「ガール・トーク」はその中でも人気の高かったアルバム。
MPSは好企画が多く、「ハロー・ハービー」は昔の仲間ハーブ・エリスを迎えた快適なギター・カルテット。ピーターソンならではのドライヴ感がエリスの参加で一層魅力を増しています。同じく「顔合わせ企画」の名盤が「リユニオン・ブルース」。こちらはヴァイヴのミルト・ジャクソンを迎えたカルテットですが、ピーターソンのキャラクターに合わせたのか、いつもはブルージーなミルトがのりのりですね。とてもあの「M.J.Q.」と同じ楽器編成の演奏とは思えません。もちろんピーターソンのピアノも絶好調。これもまた折り紙つきの名盤でしょう。

【掲載アルバム】
オスカー・ピーターソン『ライヴ・アットザ・ロンドン・ハウス』(Verve)
オスカー・ピーターソン『フランク・シナトラの肖像』(Verve)
オスカー・ピーターソン『リユニオン・ブルース』(MPS)

水曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

木曜日 22:00~  新譜特集 第18回

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ビル・エヴァンス『Another Time : The Hilversum Concert』(Resonance)

「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第153時間
新譜特集 第18回(再放送)

今回は熱心なマニアの間で好評だったライヴ・アルバムの復刻盤や、発掘音源を中心にご紹介いたします。ハービー・ハンコック率いるVSOPは、1976年に半ば引退状態だったマイルス・デイヴィスを現場復帰させようとの思惑から仕組まれた、1回限りの特別プロジェクトでした。しかし御大マイルスの登場は実現せず、代わりにフレディ・ハバードがマイルスの代役を演じ、ウェイン・ショターら60年代マイルス・クインテットのメンバーと共演したスペシャル・バンド。
しかしこれがたいへん好評で、この臨時編成グループの公演、アルバムは数多く作られました。そしてメンバーを大幅に入れ替えた第2期VSOPの貴重なライヴ記録が、このアルバム『VSOP ll Tokyo 1983』(HI HAT)です。この音源は、1983年の来日時にFM放送用にNHKホールで収録されたもので、音質も極めて良好です。注目すべきは、当時日の出の勢いの新人兄弟、ウィントン・マルサリスとブランフォード・マルサリスの参加で、演奏のスピード感が倍加しているところでしょう。
2枚目にご紹介する『ライヴ・アット・アカデミー・オブ・ミュージック』(DOL)は、1990年フィラデルフィアにおけるパット・メセニーのライヴ音源の豪華なアナログ盤による復刻です。この音源は以前からDVD,CDで発売されていましたが、今回2枚組180gの重量盤仕様で音質も向上しています。メンバーが凄く、ハービー・ハンコックにデイヴ・ホランド、そしてジャック・デジョネットによるスーパー・グループです。
チック・コリアの『ザ・ミュージシャン』(Concord)は、2011年にチックの生誕70周年を記念したニューヨークのクラブ「ブルーノート」でのライヴ・レコーディング。このライヴは何と23日間も行われ、全部で10もの組み合わせで演奏が行われたそうです。今回収録したのは、チックとスタンリー・クラークの二人がリーダーを務めたグループ「リターン・トゥ・フォエヴァー」による演奏。「キャプテン・マーヴェル」「ライト・アズ・ア・フェザー」の2曲は、共にアルバム『ライト・アズ・アフェザー』で採り上げていた楽曲です。
後半に登場するチェット・ベイカーの『Live at Gaetano’s』(Chet Baker Estate)は、1992年に『Chet Baker Live at Pueblo, Cololad 1966』というタイトルで出されたアルバムの復刻版です。一般に60年代後半のチェットは不調だったとされているようですが、この演奏の迫力にはほんとうに驚かされます。凄まじい勢い、ノリの良さどれをとっても快調そのもの。こうした貴重な記録が復刻されることによって、60年代チェットのイメージがずいぶんと変わるのではないでしょうか。サイドのテナー、フィル・アーソは名盤『プレイボーイズ』(ワールド・パシフィック)で共演していましたね。
続くダスコ・ゴイコヴィッチの『セカンド・タイム・アラウンド』(Organic)は、楽器編成こそチェットのアルバムと同じですが、録音は新しく2015年。サイドはベテラン白人テナー奏者、スコット・ハミルトンです。今回収録したケニー・ドーハムの「蓮の花」以外にも、ハンク・モブレイの「リカード・ボサ・ノヴァ」など懐かしのハードバップを並べた選曲が面白いですね。
そして最後に収録したのは、ビル・エヴァンスの話題の発掘盤『アナザー・タイム』(Resonance)です。有名なモントルー・ジャズ・フェスティヴァルに出演した際のメンバーによる新たな発掘音源で、1968年にオランダの放送のスタジオで録音された貴重な記録です。

【掲載アルバム】
ハービー・ハンコック『VSOP ll Tokyo 1983』(HI HAT)
チェット・ベイカー『Live at Gaetano’s』(Chet Baker Estate)
ビル・エヴァンス『Another Time : The Hilversum Concert』(Resonance)

木曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

金曜日 22:00~ 新譜特集 第37回

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第173回
「新譜特集」第37回(再放送)

ジャズという音楽の特徴はまずリズムであり、そして即興的演奏法が他の音楽ジャンルと大きく異なるところです。では、そうした特質を持った音楽であるジャズの聴き所はどこにあるのでしょうか? それは、それぞれのミュージシャンの「個性」と言っていいでしょう。そしてその「個性」は楽器の音色とフレージング(節回し)に現れるのですね。 つまり、楽器の音色とフレージングだけで、「これは誰の演奏だ」とわかるようなミュージシャンが優れたジャズマンと言っていいのです。ジャズ史に名をとどめる「ジャズの巨人」と呼ばれた人たちは、マイルス・デイヴィスにしろジョン・コルトレーンにしても、演奏の断片を聴いただけでも「あ、マイルスだ」「これはコルトレーン」とファンなら誰でもわかりますよね。
そうした視点で眺めてみると、トム・ハレルはまさにその条件を満たしたトランぺッターと言えるでしょう。温かくまろやかでありながら輪郭の鮮明なトランペットの音色、そして伝えようという明確な意思を感じさせるフレージングは彼の優れた持ち味です。最初に収録した『Infinity』(HighNote)は、既に老境に達したトム・ハレルの傑作です。 優れたサックス奏者として知られたクリス・ポッターの新作『Circits』(Edition)は、エレクトロニクス、多重録音を駆使し、新たなサウンドと即興性の融合を追求した意欲作です。こうした試みは現代ジャズを特徴付けるもので、ジャズが伝統的な「生楽器主体」の音楽から、エレクトリック・マイルスに始まる「サウンドの改革」を目的とした様々なテクノロジーを意欲的に利用する傾向を象徴しています。
フューチャージャズの名で知られたノルウェーのピアニスト、ブッゲ・ヴェッセルトフトと、スエーデンのジャズ・グループE.S.T.のベーシストだったダン・ベルグンドとドラムスのマグヌス・オストロムによるグループ「Rymden」の新作『Reflections & Odysseys』(Jazzland)は、北欧ジャズらしいクールかつモダンな感覚が心地よいですね。聴き所は現代ジャズらしいリズムの切れ味です。
ジョーイ・カルディラッツオのピアノにエリック・レヴィスのベース、そしてジャスティン・フォークナーをドラムスに据えたブランフォード・マルサリスの新作『The Seacret Between The Shadow and The Soul』(Okeh)は、オーソドックな原点回帰ジャズです。サックスの勢いも良く、メンバーの一体感も上々です。カルディラッツオのピアノが生き生きとしています。
イギリスで生まれカナダで育ったサックス奏者、シェーマス・ブレークの新作『Guardians of The Heart Machine』(Whirlwind)も、オーソドックスながらサックスの音色、フレージングの特徴からミュージシャンの個性が窺い知れる好演です。サックス・ジャズの伝統を受け継ぎつつ、凝縮された密度感と現代性を感じさせる演奏が彼の持ち味と言っていいでしょう。
ノルウェイのベーシスト、マッツ・エイラートセン率いるピアノトリオ・アルバム『And Then Comes The Night』(ECM)は、オランダのピアニストHarmen Fraanjeの心に染み入るような演奏が素晴らしい。ECM作品らしく丁寧に作られたアルバムで、じっくりと聴き込むほどに味わいが増してきます。

【掲載アルバム】
トム・ハレル『Infinity』(HighNote)
クリス・ポッター『Circits』(Edition)
マッツ・エイラートセン『And Then Comes The Night』(ECM)

金曜日 22:00~ 2時間番組

ソングリスト

[Recommend!] 土・日曜日 22:00~  新譜特集 第48回

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「ジャズ喫茶いーぐるのジャズ入門」 第184回
新譜特集 第48回

今回ご紹介する新譜は、いわゆるピアノ・トリオとギター入り編成のアルバムが多いのですが、当然ながらサウンドの傾向、スタイルは多彩です。とりわけピアノ・トリオではキーボード、オルガンなどの使用、そして周縁音楽の影響によって、一昔前のように一括りに出来るジャンルではなくなりました。
最初のアルバム『So Far』(Brus & Knaster)は、1973年スウェーデン生まれのピアノ、キーボード奏者、ダニエル・カールソンのピアノ・トリオ。エレクトロニカ系のサウンドはゴー・ゴー・ペンギンを思わせもしますが、カールソンのグループはより有機的で、その分「ジャズ的」とも言えるでしょう。ただ、いささか前のめりながらダイナミックでノリの良いリズムはゴー・ゴー・ペンギンと同質で、この辺りがヨーロッパ、新世代ピアノ・トリオの特徴なのかもしれません。
クリス・クロスからの新譜『Terrible Animals』は2005年のモンク・コンペティションでデビューしたノルウェイのギタリスト、ラゲ・ルンドの意欲作です。エフェクターを駆使したイマジネイティヴなサウンドを、ラリー・グレナディアのベース、タイソン・ショーリーのドラムスが煽り立てる小気味良い演奏で、ピアノのサリヴァン・フォートナーの参加も光っています。
ギタリストが続きます。ニューパンの新譜『Big City』(Losen Record)はたいへんコンセプトがはっきりしています。こちらもノルウェイを拠点として活動してきたギタリスト、ニューパンが、アメリカのジャズメンたちとの共演を望んだ彼の待望作が今回のアルバムです。
サックスのベン・ウェンデル、ピアノのテイラー・アウグスティら、ニューヨークで活躍中のミュージシャンをかき集めた臨時編成バンドながら、息の合い様は十分。聴き所はやはり情感に満ちたウェンデルのサックスですね。
以前バッド・ブラスの2019年に録音されたアルバム『Active Infinity』(Edition Infinity)をご紹介しましたが、今回収録した2017年録音の『Never Stop II』(Legbreaker Records)も、ピアノ・トリオの概念を刷新したバッド・プラスらしい好盤です。こちらもピアノはオリン・エヴァンスで、それをベースのリード・アンダーセン、ドラムスのデヴィッド・キングが支えるオーソドックスな編成ながら、リズムの扱いやクールな情感を湛えたユニークな曲想がもたらす効果は歴然で、完全にこのフォーマットが革新されたことを実感させます。
イスラエルのベーシスト、オル・バレケットも以前『OB 1』(Fresh Sound New Talent)というアルバムををご紹介しましたが、今回の新譜『33』(Enja)には、2018年にオルをサイドマンとして来日公演を行ったイスラエルの新人ピアニスト、ニタイ・ハーシュコヴィッツが参加しています。また、『OB 1』にも参加していたギタリスト、シャハル・エルナタンも加わった斬新なサウンドは、イスラエル・ジャズの勢いを示しているようです。 異色のサウンドが続きましたが、最後はベテラン、ピアニスト、マーク・ソスキンによるオーソドックスなピアノ・トリオ・アルバム『Upper Wast Side Stories』(Steeple Chase)です。聴き所はバド・パウエルの極め付き名曲《ウン・ポコ・ロコ》を快適に弾きこなしているところでしょう。

【掲載アルバム】 ダニエル・カールソン『So Far』(Brus & Knaster)
ニューパン『Big City』(Losen Record)
オル・バレケット『33』(Enja)

ソングリスト

インフォメーション

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■ジャズ喫茶リアル・ヒストリー/後藤雅洋
発売中/河出書房新社/ISBN 978-4-309-27067-8

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