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B-66 世紀の名演 クラシック

音楽にじっくり耳を傾けてコーヒー・タイム……。そんなクラシックの名曲喫茶さながらの雰囲気をお届けします。今では手に入らない貴重な音源や、廃盤となった数々のレコードを中心に、クラシック音楽史に名を残す「巨匠」たちが活躍していた時代の本格的な演奏が甦ります。どこか優しく暖かみのあるレコード(アナログ)サウンドをお楽しみください。

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今月の特集

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vn)ヘンリク・シェリング&p)フセホールド・ペトルシャンスキー 『ヘンリク・シェリング/ヴァイオリン小品&編曲集』 [露Melodiya M10 49547 001]

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vn)ルッジェーロ・リッチ&p)フェレンツ・ラドシュ 『ドホナーニ:ヴァイオリン・ソナタ 嬰ハ短調 Op.21、R・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18』 [洪Qualiton LPX1168]

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vn)ジェラール・プーレ&p)モーリス・ブランショ 『プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.80、バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Sz.75』 [仏Disques Deesse DDLX79]

アニヴァーサリーイヤーのヴァイオリニスト特集 その2

10月は今年記念年を迎えた3人の名ヴァイオリニストの珍しい録音をお楽しみいただきます。

1人目は今年が生誕100年、20世紀後半を代表するトップ・ヴァイオリニストとして演奏活動に、録音に世界的な活躍をしたポーランド出身で、戦後メキシコに帰化したヘンリク・シェリング(1918~1988)です。ベルリンで名教師カール・フレッシュに学び、パリで大ヴァイオリニスト、ジャック・ティボーと室内楽の名手、ガブリエル・ブイヨンに師事した彼は、21歳のときに第2次世界大戦が勃発。7ヶ国語に堪能だった彼は、亡命ポーランド政府の首相、シコルスキ将軍の連絡将校となり、母国のため、連合軍のために通訳と慰問演奏で活躍。大戦中に難民となった同胞4000人を受け入れてくれたメキシコへの恩義から、メキシコの大学で教鞭をとり、1946年には同地の市民権を得ました。1950年代後半からは同胞の大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインの薦めにより世界的な演奏活動を開始。安定しきったテクニックと美しい音色、端正かつスケールの大きな演奏により、時代を代表する大家として活躍しました。このLPは、1961年にモスクワを訪れた際のライヴ録音で、バロック期のロカテッリから20世紀のマロキンまで、小品9曲を収録しています。シェリングは演奏会で前半はバッハ、ベートーヴェン、ブラームスのソナタを弾き、後半で小品を弾く、というプログラムをよく組んでいました。 そして、演奏会の最後は必ず母国ポーランド作品と、第2の母国メキシコ、またはラテン系の作品で締めるのを常としていました。このLPでもA面の最後にはポーランドのシマノフスキ、B面の最後にはメキシコのマロキンの作品が配され、大曲を弾く時とは少し違った、シェリングの熱っぽい演奏を楽しむことができます。

2人目はシェリングと同年生まれ、やはり生誕100年を迎えたアメリカ、カリフォルニア州出身のルッジェーロ・リッチ(1818~2012)です。父親にヴァイオリンのてほどきを受けた後、ウジェーヌ・イザイ門下の名ヴァイオリニスト、ルイス・パーシンガーに師事。わずか10歳で正式デビューを飾る神童ぶりを示します。その後、ベルリンに留学してゲオルグ・クーレンカンプに師事して総仕上げを行いました。第2次世界大戦中はアメリカ軍に従軍し、シェリング同様、連合国のために数多く慰問演奏を行いました。戦後、難曲として知られるパガニーニの24のカプリースの史上初の全曲録音を行い、技巧派ヴァイオリニストとして世界的に知られるようになりました。その技巧と音色は80歳を超えても衰えを知らず、つい10数年前まで現役として長く活躍。日本へも度々訪れて、われわれにも親しみがあるヴァイオリニストです。このLPは1963年にハンガリーを訪れた際にステレオ・セッション録音したもので、当時演奏機会が少なかったドホナーニとシュトラウスのソナタを入れた珍しいものです。両曲ともドイツ後期ロマン派の影響が色濃い優美かつ甘美な作品で、リッチは持ち前の美音を駆使してメロディをしっとりと歌い、パガニーニを弾く時とは違う一面を見せています。

3人目は今年日本で80歳を迎えたフランスの現役ヴァイオリニスト、ジェラール・プーレ(1938~)です。父親がドビュッシーの友人だったヴァイオリニスト、指揮者という家庭に生まれ、11歳でパリ音楽院に入学、2年後には一等賞をとって卒業し、弱冠13歳でLPレコード・デビューするという神童ぶりを示しました。その後もジノ・フランチェスカッティ、ナタン・ミルシテイン、ユーディ・メニューイン、そしてヘンリク・シェリングといった大ヴァイオリニストたちに師事。とくにシェリングからは技術面、音楽面、精神面で多大な影響を受け、講習会等でもシェリングへの尊敬の言葉をしばしば聞くことができます。教育者としても優れ、長年に母校わたりパリ音楽院やエコール・ノルマル音楽院で教鞭をとった後、2005年には東京藝術大学の客員・招聘教授となり(2009年まで)、その後も日本とフランスに半々に滞在し、演奏活動と教育活動を行っているのは御承知の通りです。このLPは1975年にフランスで発売されたものです。プロコフィエフとバルトークといった20世紀作品に対し、プーレはシェリング譲りの安定しきった大柄のテクニックと色彩豊かな音色を駆使して、楷書的に丁寧でありながら躍動感と芸術的気品を感じさせる見事な演奏を示しています。 。

文/板倉重雄

※特集でお届けしているLP盤を放送後、当番組で過去にお届けしたLP音源の演奏をお届けします。引き続きお楽しみください。

毎日 0:00~ 1時間番組 リピート放送

ソングリスト

【今月の放送内容】
■第1週目
10月6日(土)~10月12日(金)放送
今月の特集 1   1時間番組リピート放送

■第2週目
10月13日(土)~10月19日(金)放送
今月の特集 2   1時間番組リピート放送

■第3週目
10月20日(土)~10月26日(金)放送
今月の特集 3   1時間番組リピート放送

■第4週目
10月27日(土)~11月2日(金)放送
1~3週までの総集編   3時間番組リピート放送

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