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B-66 世紀の名演 クラシック

音楽にじっくり耳を傾けてコーヒー・タイム……。そんなクラシックの名曲喫茶さながらの雰囲気をお届けします。今では手に入らない貴重な音源や、廃盤となった数々のレコードを中心に、クラシック音楽史に名を残す「巨匠」たちが活躍していた時代の本格的な演奏が甦ります。どこか優しく暖かみのあるレコード(アナログ)サウンドをお楽しみください。

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今月の特集

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指揮)ウィレム・メンゲルベルク アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
『フランク:交響曲ニ短調、R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」』
[蘭Philips W09908L]

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指揮)ウィレム・メンゲルベルク アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
『シューベルト:交響曲第8番ロ短調「未完成」、他』
[蘭Philips W09910L]

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指揮)ウィレム・メンゲルベルク vn)フェルディナント・ヘルマン&アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
『R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」』
[米Capitol P8013]

3月 ウィレム・メンゲルベルク生誕150年記念特集

3月は20世紀前半に活躍したオランダの大指揮者ウィレム・メンゲルベルク(1871年3月28日 - 1951年3月22日)の生誕150年、没後70年を記念した特集です。

メンゲルベルクはオランダのユトレヒト生まれ。幼い頃より楽才を発揮し、ケルン音楽院でベートーヴェンの孫弟子にあたるフランツ・ヴュルナーに師事。1891年、ルツェルン市立歌劇場の指揮者となり、1895年には弱冠24歳でアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(現ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)の首席指揮者に就任。以後50年間に渡りこの楽団の常任を務め、世界屈指のオーケストラに育て上げました。同コンビの芸術的成果は目覚ましく、就任3年後の1898年にはリヒャルト・シュトラウスが同コンビに交響詩《英雄の生涯》を献呈するほどの高い演奏水準を示しました。1903年には大作曲家のマーラーが指揮者としてコンセルトヘボウ管弦楽団に客演しましたが、メンゲルベルクとマーラーは意気投合し、それ以来、マーラーはアムステルダムを訪れる度にホテルではなくメンゲルベルクの家に泊まって音楽論を交わしたということです。
また1904年には格安のポピュラーコンサートを開始して、庶民にクラシック音楽を開放し、1925年からは演奏会のラジオ放送も開始。1920年代後半には、雑誌「Het leven」の人気投票で女王を凌ぎ、1位をとるなどクラシックの演奏家として異例の人気を誇りました。この間、国際的な活躍も続け、1921~29年にはニューヨーク・フィルの常任指揮者を兼任しました。しかし、ナチス占領下でも指揮活動を続けたため、1945年から6年間の演奏活動停止処分を受け、復帰を果たさぬままスイスで失意のうちに亡くなりました。
メンゲルベルクの指揮は、徹底したトレーニングで磨き上げたオーケストラの精緻な合奏を背景とした、甘美でいて情熱的で力強い演奏に特徴がありました。楽譜は徹底的に解釈され、音楽の情景の変化はポルタメント(旋律のずり上げ、ずり下げ)やテンポ・ルバートを駆使して、歌舞伎役者が大見得を切るように表現されました。こうした演奏スタイルは当時にあっても異彩を放ち、現代でも他に類例を見ないもので、まったく個性的なものですが、それらが音楽の内容を結びついて強い説得力を生むところに彼の真骨頂があり、今なお録音によりその芸術が親しまれています。

1枚目はオランダ・フィリップスが彼の没後10年を記念して、オランダの放送局AVROに保管されていたガラス製のディスクからLP化されたシリーズより、1940年10月3日ライヴ録音のフランクの交響曲と、同年12月12日ライヴ録音のR.シュトラウスの交響詩《ドン・ファン》です。古いながら演奏会をそのまま収めた臨場感のある録音で、演奏前にメンゲルベルクが指揮棒で譜面台を叩く「カチッ」という音に始まり、演奏後の聴衆の熱狂的な拍手まで入っています。両曲とも後期ロマン派の音楽だけに、テンポやダイナミクスの変化、旋律の甘美な歌わせ方などメンゲルベルクが存分に振舞いきっていて、その迫力と生々しい表現力に圧倒されてしまいます。
2枚目のオランダ・フィリップスによる没後10年のシリーズから1939年11月27日ライヴ録音のシューベルトの《未完成》交響曲と劇音楽《ロザムンデ》からの3曲です。ここでメンゲルベルクは楽譜にオーケストレーションやテンポの変更などかなり手を入れて、劇的でダイナミックな演奏を聴かせています。現代ではシューベルトの音楽をシューベルトの時代の奏法や楽器編成に合わせて演奏することが流行していますが、メンゲルベルクはシューベルトを自分の時代に引き寄せて「解釈」している訳です。このような「解釈」は当時の指揮者にとっては常識でもありましたが、メンゲルベルクの場合は徹底しているところが際立った個性となっています。
3枚目は1941年4月21日のスタジオ録音で、彼らに捧げられたR.シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》の記念碑的名盤をお聴きいただきます。もとはSPレコードですが、ドイツ・テレフンケンの優秀な録音技術により燦然とした音響で録られています。この米キャピトルのLPはSPレコードからの転写が非常に素晴らしく、80年前の録音ながら同コンビの圧巻の合奏力と多彩な音色を感じ取ることができます。

文/板倉重雄

※特集でお届けしているLP盤を放送後、当番組で過去にお届けしたLP音源の演奏をお届けします。引き続きお楽しみください。

毎日0:00~ 1時間番組 リピート放送

ソングリスト

【今月の放送内容】
■第1週目
3月6日(土)~3月12日(金)放送
今月の特集 1   1時間番組リピート放送

■第2週目
3月13日(土)~3月19日(金)放送
今月の特集 2   1時間番組リピート放送

■第3週目
3月20日(土)~3月26日(金)放送
今月の特集 3   1時間番組リピート放送

■第4週目
3月27日(土)~4月2日(金)放送
1~3週までの総集編   3時間番組リピート放送

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