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B-66 世紀の名演 クラシック

音楽にじっくり耳を傾けてコーヒー・タイム……。そんなクラシックの名曲喫茶さながらの雰囲気をお届けします。今では手に入らない貴重な音源や、廃盤となった数々のレコードを中心に、クラシック音楽史に名を残す「巨匠」たちが活躍していた時代の本格的な演奏が甦ります。どこか優しく暖かみのあるレコード(アナログ)サウンドをお楽しみください。

放送スタイル
リピート放送
備考
毎週土曜日に更新
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USEN440

【番組改編のお知らせ】
「世紀の名演 クラシック」は9月30日(木)24:00を持って番組を終了いたします。長い間ご愛顧いただき、ありがとうございました。10月1日(金)より、「臨時特集 13」をお届けします。改編情報は特設ページ「2021年10月 USEN番組改編情報」をご覧ください。

今月の特集

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指揮)アルミン・ジョルダン スイス・ロマンド管弦楽団
『ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調作品70、他』
[スイスCASCAVELLE VEL1002]

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指揮)クリストフ・フォン・ドホナーニ ベルリン放送交響楽団、他
『ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88、他』
[独ZDF 6622486-01]

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指揮)ヴァーツラフ・スメターチェック 日本フィルハーモニー交響楽団
『ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」』
[Japan Phil Live JPS-5]

9月 アントニン・ドヴォルザーク生誕180年 特集

9月は今年生誕180年を迎えたチェコの大作曲家アントニーン・ドヴォルザーク(1841年9月8日 - 1904年5月1日)の後期三大交響曲を珍しいライヴ録音LPでお楽しみいただきます。

1枚目は交響曲第7番ニ短調作品70を中心としたアルバムです。交響曲第7番はドヴォルザークが40代前半の1884年から1885年に作曲した作品です。ブラームスからの強い影響により、それまでのボヘミア的な味わいに加え、交響曲としての普遍的な構成美や力強いメッセージを打ち出したことで、1885年の初演当初よりヨーロッパ各国で好評を得て、広く愛好されるに至りました。演奏はスイスの名指揮者アルミン・ジョルダン(1932~2006)が手兵スイス・ロマンド管弦楽団を率いてアメリカ楽旅し、1985年11月8日にニューヨークのカーネギーホールでライヴ録音したものです。フランス近代音楽に加え、ワーグナーの楽劇を得意としたジョルダンの指揮は、多彩な音色のパレットと詩的な音楽性、そして豊かな感情表現をもっています。柔らかなイントネーションや繊細な音色表現、緩急や強弱をしなやかに流動させた多様な情景描出は、ドヴォルザークの精緻な作曲技法の妙を見事に解き明かしており、聴いていて改めて作品の美に目を見開かされる思いがします。カップリングはラヴェルの《道化師の朝の歌》。煌びやかに明滅する音彩、キリリと冴えたリズム、香り立つハーモニー…。一場の夢のような表現に魅せられます。
2枚目は交響曲第8番ト長調作品88を中心としたアルバムです。この作品は1889年に、ドヴォルザークが毎年夏を過ごしたボヘミアの風光明媚なヴィソカー村で作曲され、1890年、プラハにて作曲者の指揮で初演されました。ここでドヴォルザークはボヘミアの風景からたくさんのインスピレーションを得て、美しい民謡風のメロディの数々と大自然が生み出した色彩や触感を作品に投入。熟達の作曲技法でまとめ上げ、最高傑作の《新世界より》と肩を並べるほどの人気曲を生み出しました。演奏はドイツの巨匠クリストフ・フォン・ドホナーニ(1929~)がベルリン放送交響楽団と1981年11月13日にZDF(第2ドイツテレビ)初のステレオ(音声多重)放送のためにライヴ録音したものです。ドホナーニは多くのCDを通じて明晰、かつ客観的な音楽作りで、複雑な大曲も見事にまとめ上げる実力の持ち主として知られます。しかし、ここでは、そうしたものを前提として、その上でこの作品に相応しい、多彩で抒情的でエネルギーに満ちた演奏を行っています。彼もスタジオ録音と、聴衆を前にしたライヴでは、表現が変わってくる「舞台人」なのでしょう。こうした事情は、カップリングのマルタ・アルゲリッチをソリストに迎えたリストのピアノ協奏曲第1番にも明らかです。アルゲリッチの自由奔放なソロにぴたりと合わせつつ、当意即妙の表情で応答するスリリングな演奏を展開。協奏曲を聴く醍醐味を満喫させてくれます。
3枚目は交響曲第9番ホ短調作品95《新世界より》を収録したアルバムです。この作品はドヴォルザークがアメリカ、ニューヨークのナショナル音楽院の院長時代(1892~95年)の1893年に作曲され、同年12月16日、ニューヨークのカーネギーホールで初演されました。全曲の造形は雄大かつ揺るぎないものとなり、五音音階風の郷愁をそそるメロディ(第2楽章《家路》)や蒸気機関車発車の模倣(第4楽章冒頭)などポピュラリティにも富み、広く愛好されているのはご承知の通りです。演奏はチェコの名匠ヴァーツラフ・スメターチェク(1906~86)が日本フィルハーモニー交響楽団へ客演した際、1973年11月30日、東京文化会館大ホールでのライヴ録音です。この大熱演は満場の聴衆の興奮を呼び、音楽評論家の宇野功芳氏に「これ以上の新世界を少なくとも実演で聴いたおぼえがない」(音楽の友1974年1月号)と絶賛されたもので、1974年に日本フィルが会員用に自主制作LP(JPS-5)として制作されました。冒頭から弦楽器群の血の通った響き、金管、打楽器の強奏強打、木管のニュアンス豊かな吹奏、アクセントやクレッシェンドの強調など、彫りの深い表現に驚かされます。そして、各楽章の決め所やコーダでは「ため」や加速と伴ったテンポ変化と、各楽器の最強奏によりクライマックスを形成。中でも終楽章の白熱、高揚してゆく迫力は圧巻で、当時の聴衆の感激を追体験していただけるものと思います。

約10年に渡ってお送りしてまいりました「世紀の名演 クラシック」は今月の放送を持ちまして終了することとなりました。企画・選盤者として至らぬ面も多々あったかと存じますが、長く続けてこられたことは聴取いただいた皆様のご支援の賜物と、深く感謝申し上げます。また何かの機会にお会いできる日を楽しみにしております。

文/板倉重雄

※特集でお届けしているLP盤を放送後、当番組で過去にお届けしたLP音源の演奏をお届けします。引き続きお楽しみください。

毎日0:00~ 1時間番組 リピート放送

ソングリスト

■第1週目
9月4日(土)~9月10日(金)放送
今月の特集 1   1時間番組リピート放送

■第2週目
9月11日(土)~9月17日(金)放送
今月の特集 2   1時間番組リピート放送

■第3週目
9月18日(土)~9月24日(金)放送
今月の特集 3   1時間番組リピート放送

■第4週目
9月25日(土)~9月30日(木)放送
1~3週までの総集編   3時間番組リピート放送

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