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B-66 世紀の名演 クラシック

音楽にじっくり耳を傾けてコーヒー・タイム……。そんなクラシックの名曲喫茶さながらの雰囲気をお届けします。今では手に入らない貴重な音源や、廃盤となった数々のレコードを中心に、クラシック音楽史に名を残す「巨匠」たちが活躍していた時代の本格的な演奏が甦ります。どこか優しく暖かみのあるレコード(アナログ)サウンドをお楽しみください。

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今月の特集

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vn)カール・フレッシュ 指揮)エドゥアルド・フリプセ ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 『ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77』 [スイス私家盤 番号無し]

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vn)マックス・ロスタル&p)コリン・ホースリー 『シューベルト:華麗なるロンド ロ短調、ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第1番ニ長調、ヴァイオリンとピアノのための大幻想曲 ハ長調』 [イギリスHMV CLP1112]

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vn)ヘンリク・シェリング 『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ長調』 [ロシアMelodiya M10 49429 008]

11月 没後75年カール・フレッシュとその門下生たち

11月は今から75年前の1944年11月14日、ルツェルンで亡くなった名ヴァイオリニストにしてヴァイオリンの名伯楽、カール・フレッシュ(1873~1944)を記念した特集です。彼の貴重なライヴ録音と、その弟子たちの録音をお楽しみいただきます。

1枚目は、フレッシュ自身の演奏でブラームスのヴァイオリン協奏曲をご紹介いたします。フレッシュはハンガリー出身で、ウィーンとパリでヴァイオリンを学びました。持ち前の研究熱心により、ロシア、チェコ、ドイツ、フランスなどにそれぞれ存在した固有のヴァイオリン奏法の良いところ取りをし、非常に合理的で安定した奏法を確立し、自らの演奏に生かすとともに、その理論を後進のヴァイオリニストに伝えました。彼の門下からはマックス・ロスタル、シモン・ゴールドベルク、リカルド・オドノポゾフ、ヘンリク・シェリング、ジネット・ヌヴー、ティボール・ヴァルガ、ヨーゼフ・ハッシド、イヴリー・ギトリス、イダ・ヘンデルといった錚々たる名手たちを輩出しています。彼はユダヤ人だったため、1933年のナチス・ドイツ成立後は、ナチスの影響の及ばない地域を移動するような生活を送りました。このブラームスの録音は1939年のオランダ滞在時代のライヴで、ディスクに収録されました。第1楽章冒頭110小節が欠けており、第3楽章のコーダ直前にも欠落があり、ディスク特有のスクラッチノイズを伴いますが、艶やかで陰翳の深い音色、楽曲に食い入るような節回し、内燃する情熱、力強く安定した技巧などが録音の悪条件を超えて伝わり、彼が当代一流の名手だったことを証明しています。

2枚目は、フレッシュの弟子で、そのアシスタントを務めた経験があり、自身も名教師として数多くの弟子を輩出したマックス・ロスタル(1905~91)の演奏をお聴きいただきます。ロスタルはフレッシュの後任としてベルリン高等音楽院のヴァイオリン科教授を務めた後、イギリスに渡りギルドホール音楽院の教授となり、戦後はケルン音楽大学とベルン音楽院の教授を長く務めました。イフラ・ニーマン、イーゴル・オジム、エディト・パイネマン、トーマス・ツェートマイアー、アマデウス四重奏団のメンバーは彼の門下にあたります。このシューベルトは1955年1月にモノラル録音したもので、ロスタル全盛期の音色と技巧の冴え、内容豊かな演奏を刻印した名盤です。とくに「幻想曲」は技術的にも内容表現的にも難曲として知られますが、彼の技巧は安定して歯切れが良く、音色も艶やかに美しく、フレージングは流麗そのもの。表情豊かで、しみじみとした味わいに満ち、シューベルト晩年の多様な人間感情を映した作品を細部まで表現し尽くしていて見事です。

3枚目は、フレッシュの最も有名な弟子で、20世紀後半のヴァイオリン界を牽引した名手ヘンリク・シェリング(1918~88)のライヴ録音をお楽しみいただきます。シェリングはポーランド、ワルシャワの出身。ベルリンに留学してフレッシュに学び、その後、パリ音楽院にも学びました。第二次世界大戦中は亡命ポーランド政府の通訳として働き、そのときにポーランド難民4000人を引き受けてくれたメキシコ政府への恩義から、戦後はメキシコに帰化。ヴァイオリンの第一人者として世界的に活躍しました。シェリングはバロックから現代音楽、ドイツ系作品から第2の母国メキシコの作品まで幅広いレパートリーを誇りましたが、その中で金字塔と言うべきは2度のバッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲録音でしょう。1955年の旧録音はフランスのディスク大賞を受賞、1967年の新録音もフランスのディスク大賞、及び日本のレコード・アカデミー大賞を受賞しています。今回取り上げるのは、1961年11月にシェリングがモスクワを訪れた際に演奏した無伴奏パルティータ第2番と無伴奏ソナタ第3番のライヴ録音です。2つのスタジオ録音と同様の端正、かつ澄んだ精神を感じさせる演奏ですが、聴衆を前にした熱っぽさ、語りかけといったものも強く感じられ、また違った彼の魅力に輝いています。

文/板倉重雄

※特集でお届けしているLP盤を放送後、当番組で過去にお届けしたLP音源の演奏をお届けします。引き続きお楽しみください。

毎日 0:00~ 1時間番組 リピート放送

ソングリスト

【今月の放送内容】
■第1週目
11月2日(土)~11月8日(金)放送
今月の特集 1
1時間番組リピート放送

■第2週目
11月9日(土)~11月15日(金)放送
今月の特集 2
1時間番組リピート放送

■第3週目
11月16日(土)~11月22日(金)放送
今月の特集 3
1時間番組リピート放送

■第4週目
11月23日(土)~12月6日(金)放送
1~3週までの総集編
3時間番組リピート放送

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