ジャンルや国境を越えた
スケールの大きな作品

昨年、2016年を自身2度目となるNHK紅白歌合戦出場という最高の形で締めくくったAI。その後、幕を開けた2017年もテレビ朝日木曜ドラマ「緊急取調室」の主題歌「最後は必ず正義が勝つ」を含む計4曲の新曲がテレビやCMソングに起用されたり、24組ものアーティストがゲスト出演した「AI Presents“伝説NIGHT II”」を東京・大阪で開催し大成功させたりするなど、相変わらずの大活躍だ。その活躍の集大成ともいうべく約4年ぶりのオリジナルアルバム『和と洋』がリリースされるが、これまたとんでもないスケールの作品となっており、改めて彼女の大きさに驚かされること必至である。親しみやすいキャラクターに騙される（？）が、彼女は世界に通用するアーティストであり、そのことこのアルバムは如実に証明している。
タイトル通り、本作のコンセプトは＜和と洋＞であり、日本語歌唱の＜和-Disc＞と英語歌唱の＜洋-Disc＞の2枚組となっている。米国生まれ鹿児島育ち、幼い頃周囲には日本舞踊や三味線の先生がいたという＜和＞が溢れた環境で育った一方で、母親が聴いていたのは洋楽であり、自身も高校時代に渡米、R＆B、ゴスペル、HIP HOP、ダンスにどっぷり浸かった生活を送ってきた。そんなバックボーンを持つ彼女がこのコンセプトに行きついたのは実はとても自然なことであり、何の背伸びもしていない、等身大の彼女の姿を映した作品と言える。母となって初めてのオリジナルアルバムでもあり、今まで以上にピュアに、ありのままの自分映し出そうと思ったのかもしれない。

日本の音楽界では
類を見ないコンセプト作

と言っても一筋縄にいかないところが、彼女のすごいところ。例えば「和-Disc」でコラボレイトしているのが、世界を股にかけて活躍する和太鼓集団・鼓童、東北地方の民謡や民族音楽に影響を受けた楽曲を作り続けている・姫神、これからの日本語HIP HOPシーン担う逸材・Jinmenusagiといった濃くバラエティに富んだ面々なのだから。これだけで凡庸な歌謡曲アルバムになっている訳がないと期待してしまうが、もちろんその期待をAIは軽々クリアしている。オープニング「WA Interlude」からして鼓童の生命力溢れるサウンドとAIの迫力あるヴォーカル、Jinmenusagiのシャープなラップ、どこを切 り取っても格好よいスリリングなナンバーとなっているし、続く姫神をフィーチャーした「Wonderful World」の大地の力強さを感じさせるような雄大な音世界も圧巻だ。コラボ曲以外にも、AIの淡々としたラップから一転、壮大な音世界が広がる「I Can Pretend」、ライヴでの盛り上がりが今から目に浮かぶ「グイグイ」、AIの決意表明ともいうべき壮大なバラード「Music Is My Life」など、AIらしい聴く人を励まし元気づけるナンバーを多数収録。多くの曲で和楽器が導入されていて、そこにも今作の徹底したコンセプトが窺える。
これだけでもお腹いっぱいなのに、＜洋-Disc＞にはクリス・ブラウン、ジュニア・リードといった海外の超ビッグ・アーティストが参加しているのだから、これに驚くなという方が土台無理な話だ。レゲエ界のレジェンド、ジュニア・リードとLA出身のR＆Bシンガー、エリック・ベリンジャー参加の「Welcome To My City」は世界中でクラブ・アンセムとして機能しそうなアップ・チューンとなっており、クリス・ブラウン参加の「Right Now」はAIとのユニゾンにうっとりするメロウ・ミディアムとなっている。こちらにも参加したJinmenusagiとの「What I Want」もリズミカルなパーティ・チューンで最高だ。
他に類を見ない唯一無二の作品に仕上がったが、一方で和であろうと洋であろうと、日本語歌唱であろうと英語歌唱であろうと、楽曲のクオリティの高さとAIの存在感は変わらないと気づかされる。だからこそ国内外で活躍できるわけだが。デビュー時からAIがよく言っている「夢はグラミー賞！」も強ち夢ではないのかもしれない。

■『和と洋』+ Best Selection

AIの数々の楽曲の中から特に人気の高い楽曲と、ニュー・アルバム『和と洋』からお届けします。

月～木 12:00～、18:00～
金・土・日 10:00～、16:00～、21:00～
2時間番組(シャッフル放送)

■Live Selection

2007年リリースの『LIVE A.I.』「ONE」、2008年リリースの「大切なもの」のライヴ音源からお届けします。

月～木 14:00～、20:00～
金・土・日 12:00～、23:00～　
1時間番組

ソングリスト

■AI Allシャッフル

これまでリリースされた楽曲をシャッフルしてお届けします。毎日同じ時間に聞いても、異なる曲順でお届けします。

月～木 0:00～12:00、15:00～18:00、21:00～24:00
金・土・日 0:00～10:00、13:00～16:00、18:00～21:00