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C-67 大人の洋楽 ~名盤BOX~

洋楽が生まれて50年以上。時代を越えて現在も聴き継がれ、輝きを失わない数々の名盤をUSENの膨大なライブラリーからピックアップ。60~80年代の名盤アルバムを丸ごとお届けし、当時の雰囲気を余すところなくお楽しみいただけます。名盤とともに甦る当時の思い出。夢中だったあの頃にタイムスリップするかのような至福のひと時をお楽しみください。

放送スタイル
リピート放送
備考
毎週土曜日に更新
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USEN440

【番組改編のお知らせ】
「大人の洋楽 ~名盤BOX~」は9月30日(土)24:00をもって番組を終了します。長い間ご愛顧いただき、ありがとうございました。10月1日(日)より当チャンネルは、新番組「和楽器BGM ~みやび~」をお届けします。
詳しくは「2017年10月 USEN番組改編情報」をご覧ください。

9月16日(土)~9月22日(金)
ドナルド・フェイゲン来日記念、そしてウォルター・ベッカーに想いを寄せて

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ドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』

ドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』(1982年リリース)

今月、待望の初ソロ来日公演を控えるドナルド・フェイゲンをピックアップ。まずはソロ第一作目であり、キャリアの代表作にも数えられる本作から。舞台は、国際地球観測年(I.G.Y.)が制定された1957年のアメリカ。それをタイトルとした冒頭曲では、60年代の動乱の時代を前にした黄金の50年代を謳歌するような情感を歌い、ある種それを録音当時の82年と対比させ、込められる思いは現代に対する皮肉と毒。いきなりフェイゲン節ともいえる独特なユーモア溢れる名曲が配されていますが、その後も素晴らしい時代と現代との空気感をノスタルジックに偽装して告発するような楽曲が並び、その手際の良さはスティーリー・ダンの傑作群にも決して引けをとりません。サウンドや音楽性もグループ作品との共通点は多分に存在しますが、本作ならではの魅力として際立つのが、ジャケットからも伺える酔いと襟元の緩さ。テーマとする時代へのラフ&スモーキーなオマージュも感じさせながら、完璧な音楽家を配した隙を見せないサウンドを追求する求道者的佇まいの一方で、本作では揺るぎを隠さない人間としての甘さも表現した姿が新鮮な魅力に。50年代後期から60年代初期にかけて北東部の都市郊外に育った若者が心に抱いていたファンタシー、そのテーマが見事に表現された1枚です。

※ドナルド・フェイゲン氏の急病により「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017」及び単独公演は中止となりました。

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スティーリー・ダン『彩』

スティーリー・ダン『彩』(1977年リリース)

フェイゲンの来日を待つ今月3日の悲報。彼と共にスティーリー・ダンを支え続けてきた盟友=ウォルター・ベッカーが逝去されました。彼の音楽キャリアに敬意を表し、続いてはベッカーとフェイゲン2人の最高傑作といっても過言ではない本作をご紹介します。ジャズやブルースなど様々な音楽を愛し、同時にビート・ジェネレーションにも卒倒する強烈な皮肉屋。そんな似た者同士の2人が出会ったのはカレッジのキャンバスにて。その日から共作を行うほど意気投合したという逸話も残る邂逅は、後にスティーリー・ダンへと繋がり2人が音楽シーンに登場したのは70年代。デビュー時点では、とりあえず通常のバンド形態はとっていたものの、作品を重ねる毎に実態が明らかとなり、プロデューサーにゲイリー・カッツ、エンジニアにロジャー・ニコルスを引き連れベッカーとフェイゲンの2人によるプロジェクト・ユニットとして次第にシーンでの影響力を強め、その絶頂を刻んだ歴史的傑作が本作です。2人の脳内に鳴り響く音楽を実現するに最適な演奏家を迎え入れ、その組み合わせで音世界を構築するという、当時まだ珍しかった方法論が脅威の完成度で結実。参加したのは全て超一流奏者、そんな彼らの自己表現との均衡も絶妙に保たれ、今なお破られることのない洗練の極みが敷き詰められています。また2人のもう1つの魅力である謎めいた皮肉やユーモアも楽しめますが、前作の刺々しいまでの冷笑は少し潜め、曲によっては登場人物への同情的な温かなまなざしも感じられるなど、その表現力もますます境地に。

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スティーリー・ダン『アライヴ・イン・アメリカ』

スティーリー・ダン『アライヴ・イン・アメリカ』(1995年リリース)

そんな2人の完璧主義者は81年、全てをやりつくしたかのように一旦グループ活動を解消。個々の活動へと移行しますが、その12年後の95年、再度タッグを組んだ2人がリリースした新作はファンも驚きのライヴ作。というのも、上述通りレコーディング・ユニットとして名声を際ためユニットのためキャリアの初期以外はほとんどステージに立つことがなく、コンサート活動での再結成は多くの人が驚きと同時に喜びの声を上げました。収録されたのは、93年と94年夏の全米ツアーのステージ。全てが旧作からのセレクトで、「ブック・オブ・ライアーズ」のみ94年にリリースされたベッカーのソロ作からの楽曲。彼が初めてメインで喉を披露する貴重なセットでもあります。ツアーにはエンジニアのロジャー・ニコルズも同行、本作の録音とミックスも担当し完璧を期した内容に一役買い、印象的なギター・パートをホーン・セクションに置き換えた「リーリン・イン・ザ・イヤーズ」以外は、どの曲もスタジオ・アレンジをそのまま再現するパフォーマンスを披露。94年のツアーの方ではドラムをデニス・チェンバーズが担当し、完成された音世界に異なった色彩を与えています。フェイゲンとベッカー、2人が再度手を組み自身の楽曲を完璧に再現した本作、その演奏力の高さはもちろん、2人の性質が全面に押し出された1枚になりました。

毎週土曜更新
0:00〜、2:00〜、4:00〜、6:00〜、8:00〜、10:00〜、12:00〜、14:00〜、16:00〜、18:00〜、20:00〜、22:00〜 2時間番組リピート放送

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